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盆栽歴47年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 盆栽教室


【阿部倉吉邸・舩山コレクション❗️】

吾妻山の大自然と、五葉松や米栂の自生地を満喫して、福島市庭坂の地へ移動しました。
阿部倉吉翁、吾妻五葉松の素晴らしさを生涯をかけて広げた功労者。
90年以上となる同家は、二代健一氏・そして三代大樹氏によって受け継がれています。

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若き頃、“ここが五葉松の聖地・阿部先生の園“と伺った頃と殆ど同じ景色がありました。
“樹は売らずに作れ“・初代の想いを頑なに守り続けた健一氏。

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棚場にある樹には、実生90年を超えるものもあり、伺った教室生徒達は、その年月の結晶に唯々感嘆の声ばりでした。
同行した木村先生のお弟子さん、イタリアのアレッサ君は、
すべての五葉松の葉性の素晴らしさに驚き、特に入口付近にあった根連りが、どこから見ても山採りに見えるのに、実生70年と聞いて目を疑うばかりでした。

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阿部親子の五葉松にかける想いに浸りながら聖地を後にして、北日本を代表する愛好家、舩山邸に伺いました。
圧倒的は名木群、アレッサ君も「こんなに多くの名樹が、1箇所にある愛好家は初めて見ました!」と、驚きを隠せませんでした。

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特に真柏の制作好きな生徒達は、“東北の神“と称される見上げるような真柏の大樹、
しかもそれが現在木村先生の指導で、枝接ぎ技法で、改作途上にある事に圧倒されていました。


初めて企画した生徒達との旅行。
一言で言えば楽しかったです。
商売ではなく、盆栽を愛する人達と、自然を観て、素晴らしい盆栽人生を送られる大家達に触れ、
私の仕事はこういう時間もとても大切な事に気づかされました。

それにしても、吾妻小富士に登頂するのに登った坂!
翌日の足のキツさに、普段の運動不足と寄る年波をつくづく思い知らされました💦

【吾妻山・五葉松、米栂自生地!】

10年以上になる、雨竹亭盆栽教室、初めての研修旅行に選んだのは、盆栽の“原点“と言える自然の自生の姿が見られる、福島県吾妻山。

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活火山として今も噴煙を上げる地、瓦礫のような所に冬季の5メートルを超える雪に潰されながら、
必死に生きる五葉松の姿、観光者も知らない「神々の庭」と呼ばれる、米栂の自生地。

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“子供盆栽博士“としてテレビでも活躍の教室生徒、清水ちえりちゃん、
名匠木村正彦先生の門人として、つい先頃、6年の修行を終えた、イタリアのアレッサ君、
中学生から昭和18年生まれの教室長老まで、皆んなで汗かきながら💦自然を満喫してきました。

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栃木から福島、五葉松と言えば、“那須五葉松“が有名ですが、
本当は那須五葉松の山採り作品は、極めて少なく、盆栽界に那須として伝えられる樹の7~8割の古木は、吾妻五葉松なのです。
天気にも恵まれて、大自然のあるがままの姿と、本当の自然界の厳しい淘汰を実際に見る機会を作ってあげられたと思います。



特に、“秘密の山道“を案内しての、米栂の群生地“神々の庭“は、アレッサ君も“親方・木村先生が作った寄植えそっくり!“と、感激していました。

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1年で1cmしか成長出来ない過酷な環境。その中で人の胴程になるのに、何百年かかるのか?生命の生きる力と長い刻を感じる機会でした。
次は、山を下りて、“五葉松の父“と謳われた、阿部倉吉翁の庭と、
同じ地域にいらっしゃる、“舩山コレクション“こと、舩山邸の見学を報告します。

【特別支援学校での盆栽教室】

昨年から始めた、雨竹亭のある羽生市内の特別支援学校「羽生ふじ高等学園」での盆栽教室。
15才の生徒達は、ここで一生懸命、社会に対応できるように、
農業、園芸、その他様々な技能実習を行なって、3年間を過ごします。

“盆栽の教室をしてくれないか?“と言う依頼に私は快く引き受けました。
今も、小学校2か所で盆栽に対しての授業をボランティアで何年もしていますが、高校生の年代の子達への授業は、ここが初めてです。

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一般の高校に行かず、中学校卒業の経歴にしかならない子達、私も義務教育しか受けられずに社会に出た身。
盆栽を通して、少しでも役に立つならと年に数回の“盆栽の先生“をしています。

真柏の素材を皆んなにプレゼントして、苗木からの植替え、幹への針金掛けをしての基本作り、そして枝作り。

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毎回進むにつれ、ここに生きる生徒達の“心の純粋さ“に、私こそが沢山教わる事があります。
盆栽も同じで、初めは素材として一級とは言えなかった樹が、歳月によって、見違える盆栽になる!
人も同じです!かく言う私こそが、盆栽に出会っていなければ、ろくな人間にならなかったでしょう。

ここで私がこの子達に伝えられる事がどれほどあるか?分かりません。
しかし、自分で手入れをして、年々水や肥料や消毒を続けていった樹が、いつの間にか、ちゃんとボンサイになってゆく。

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この“時間と姿の体験“をさせてあげてる事が、彼等の何処かの記憶に残ってくれればと願っています。
現場実習で、この日も何人かが、工場やスーパーに出かけていました。
出来れば、ここに居る“心のまっすぐでキレイな子達“から、羽生の盆栽培養場で働ける子が作れたら・・そんな事を夢見てます!


毎年学校から依頼されて続けている盆栽講座。
昨年はコロナの関係で中断をやむなくしましたが、今年は例年通りに、体育館に六年生全員が集まって、盆栽を見ながらの講座を開きました。


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2時限の講座で、盆栽が生き続けるには、“人のたゆまぬ愛情”が、大切で、
これは人々の暮らしや生き方にも同じ事が言えるものと伝えました。
11〜12歳と言う、多感な年頃、言葉を選びながら、それでも伝えたい内容は、
盆栽のここがいい、こうすると良い、などと言うものではなく、
“好きな事を見つけて欲しい“ “物事をあきらめないで、コツコツと続ける事の大切さ“・・
私のような盆栽しか人に伝えることが出来ない者が、大切な日本の未来を担う子達に伝えられるのは、
自分が盆栽を通して生きてきた“恩“と教えだけです。

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それでも、純真な子供達と過ごす時間は、本当に楽しいですね!
ボランティアで、羽生の小学校各所での、教室を開いてもう6年。
身体の続く限り、頑張りたいと思います。


【特別支援学校『ふじ学園』でのボランティア開始❗️】

羽生雨竹亭に程近い場所にある特別支援学校『ふじ学園』。
県内に数カ所ある支援学校の中でも、自分達で作ったメロンなどをデパートで販売するなど、外に向かう社会活動で私もよく知る学校。
昨年、“生徒達に盆栽を授業に取り入れたい“と、学校から依頼され、今までの市内小学校2か所に加えて、今回から授業が始まりました!

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20名の農業技術課の生徒達、みんな15~16歳。
ちょうど私が47年前に、盆栽の道に入った歳です。
支援学校での盆栽指導は未経験でしたが、・・楽しかった!
みんな純粋そのもの!
目の前に置いた、真柏の素材を食い入るように見て、2時限の授業は、
30分の延長(先生、すみませんでした!)をして、植替えまで済ませました。

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ここから彼らが3年生、18歳になるまで、年4~5回の授業になります。
ハンデを持ちながらも、卒業すれば社会の荒波の中に放り込まれる子達。
私が彼らと触れ合う刻の中で、どれだけのことが伝えられるものか?
気負わず、自分が15歳から歩いた道を伝えながら、目の前の「生きた机上の大自然」を素直に感じ取ってもらおうと思います。

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でも、なんてピュアなんだろう。
一緒にいてこんなに楽しいとは思いませんでした。
来月は、羽生の庭にみんなが遊び(見学)に来ます。
孫のような(いませんが!)子達。
成長を見守るだけで、私こそが勉強になりそうです。

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