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盆栽歴47年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 大徳寺・芳春院盆栽日記


【盆栽達も“麦藁帽子“❗️庭園観賞用の遮光設備設置!】

多くの皆様に、盆栽の素晴らしさを伝える使命の盆栽庭園。
酷暑の訪れを前に、試行錯誤の末に、和尚様と相談して、今までにない遮光ネットの設置をしました。


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普通、盆栽園の遮光と言えば、ハウスに陽除けの必要な盆栽を集めて、

寒冷紗など、陽射しを弱めるものを張って、ひと夏そこで管理していますが、ここは大徳寺!
なんとか美観を保ちながら、管理が出来るように出来ないものか? 
建て方の棟梁と相談して、少し贅沢ですが、遮光が必要な盆栽ひとつひとつに、“帽子を被せる“ように、杭棒にひとつずつ遮光を作ってみました。

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蝦夷松・一位・もみじや姫沙羅、夏とは言え、庭園はいろんな盆栽を観て頂きたいもの。
庭園の美観もこれならいいかな?と言う感じになったと、自画自賛❓しています(笑)

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何よりも、盆栽達が、長梅雨の後、厳しい暑さと陽射しに耐えて、無事に充実の秋となる事を願うばかりです。


【芽切りから暑さ対策の小屋掛け!】

慶雲庵(京都国際文化振興財団)の、年に一回の収蔵庫整理を二日間かけて終了して、
日々の混み合う予定で、渡邉君に任せきりの庭園に、久しぶりに入りました。

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黒松・赤松の芽切りと枝透かし、ヤマコウバシなどの、茂る葉組みの透かし切り、等々、あっという間の1日を過ごしました。

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芳春院建て方の棟梁との相談で、ここからの猛暑(京都の暑さはまるで火鍋!)に備えての、
庭内の箇所箇所、石柱毎の陽射し除けの小屋掛け、大体の感じを捉えて、ご住職の了解を頂きました。
庭園の美観、盆栽の保護、両方を考えての設置。

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皆さんにご覧頂く庭として、
盆栽の夏場の管理の在り方を見て頂くのも大切かなと思って考えました。
遮光ネットの手配をして、梅雨明け前には、陽射しに弱い盆栽達にも、“麦藁帽子”を被らせてあげたいです!


【1ヶ月の休園を終えて、盆栽庭園再開❗️】

京都も5月はウィルス感染対策としての、緊急事態宣言で、休園をしていた盆栽庭園。
休園していても、庭園と盆栽達の管理は変わりません。
杉苔の築山・敷砂利・延段・庵内の通路・各所の草毟りは、すべて手作業!
そして盆栽は勿論のこと、庭園の灌水、1日はあっという間に過ぎてゆきます。
そんな1ヶ月が過ぎた中、1日より再開をご住職と決めた矢先の宣言の延長、
結局、ご住職の判断で「いつまでも閉めていてもしょうがないから、たとえ僅かな来園でも、季節の樹々を見てもらえるように開けよう」となりました。
羽生から大型トラック1台の入替え作業。


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この庭園は全体が大きく「通常の国風展サイズ」でも少し小さく、見栄えの良い大きさとなれば、4人で担架を担いでの飾り替えです!
京都市内に盆栽園を構える大溝さんの協力を得て、1日かけてようやく再開の準備となりました。

数ヶ月前、木村正彦先生が改作された真柏大樹、ご住職にお願いして授けて頂いた銘は「龍翁」


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老成した龍王を思わせる樹相と見事に合致しています。

京都盆栽財団「慶雲庵」の田中理事長よりお預かりしている五葉松直幹「寿」


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この樹は、財団の継承前の創設者、旧高木盆栽美術館を興された、故高木禮二先生の遺愛品であり、国風賞受賞樹でもあります。

石柱を飾る大型作品32点、庭園を構成している礎石に載る中型10点、そして入替用のバックヤード保管分。
樹種名、目録など、大入替は大変です。

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羽生オークション「天地会」の開催、明治神宮での「奉納盆栽展」など、諸用多く、
週2~3日在園をしたいのですが、留守を預ける渡辺君には苦労をかけています。
それほどの人がまだ動かない今、それでもいつかは皆さんがもっと自由に古都を散策される日を待って、日々盆栽達を見守って行きたいものです。


早春の梅から暖かな日差しの中の桜たち。
季節の移ろいを“先取り“するように、盆栽たちは私達に自然の美しさ・素晴らしさを謳い上げてくれます。
温暖化のせいでしょうか?
桜も私が小さい頃は、入学式の時にはまだ満開かはらはらと散り始める姿の記憶がありましたが、今年は4月の初めには既に散り始めました。


藤も然り。


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まだ三越銀座店にいた頃は、ゴールデンウィークの頃が見頃だったのですが、
この調子だと、それまでに艶やかな花姿は峠を超しそうです!


新緑のもみじも、今が盛り!


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透けるような瑞々しい葉色は、いつ見ても良いですね❗️
そんな事をのんびり思っていたいのですが、この頃になれば、追いかけっこをするように、
芽摘み・新芽切り・に腰の鋏が欠かせません。
芽切り鋏・ピンセット・そして・・植替えの山・山・山・‼️
雑木盆栽はとうに峠を過ぎていますが、ここから残りの五葉松、追いかけるように真柏・黒松・赤松・が続きます。
我が稼業は、自然の移ろいと共に生きるのですが、自然が背中から押しているようです(笑)


【蘇る「蒋介石水掛けの松」❗️ 庭園大入替え❗️】

開園記念の特別展示を終えて、2日間の休園の後、禅林の庭内は、
ここから始まる時を共に刻む新しい“仲間達”を迎えました。

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赤松・銘「群鶴」、蒋介石が愛蔵した歴史を持ち、貴重盆栽にも登録されている、文化遺産と言える日本盆栽界の赤松名樹です。
長く羽生の庭内で培養の時の中にいましたが、この庭園の開園に合わせて、
名匠木村正彦先生にお願いして、広がりすぎていた樹姿を、往時のように、幹芸が見えるように、“しめ込んで“ 頂きました。
鉢も誠山の長方から、中国宜興で誂えた、この樹の為の鉢に植え替えての“上洛“!です。


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真柏・銘「乾坤の神龍」も、20年近く山採り素材の頃から手掛けてきた樹。
五葉松名樹「日暮し」の持つ樹相をどこか感じさせる私が大好きな樹です。


勿論、季節の美しさは何よりも大切。


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1年の丹精を経て、滝のように見事な花姿となった藤の盆栽。
透けるような爽やかな青葉の山もみじ。
この庭園は、伝承されてゆく日本の名盆栽はもとより、
美しい日本の自然が創り出してくれた、四季折々の移ろう“その時“を現す花物や葉物盆栽、そして何気無い山野草。
そんな世界をいつもご紹介してゆきたいと願っております。

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