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盆栽歴47年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 盆栽管理


1月も下旬となると、国風売店用の商品の準備で気忙しくなってきます❗️
秋や暮に仕入れた樹を手入れをしたり、鉢や角度を直して、多くの愛好家の皆さんの目に留まるように“お化粧“仕上げに追われます💦

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木村先生門下の森山さん・春花園門下の養田さん、一人前の腕を持つ皆んなの応援を得て、
大型の五葉松から真柏古木、五葉松の鉢合わせ、等々💦 
毎日が戦争です🪖‼️

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それでも、“この樹はこんな鉢合わせ“と思って、馬力を入れて仕上がると、胸がスッとします。
また、森山さんのように、“芽起こし“の美しい仕上げ仕事をすると、
まるで“寝起きの娘さんが、晴着を着ているよう“に様変わりします❗️

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キリがないほどの量❗️
それでも、樹と向き合って、姿を変えたり、鉢を園内を歩き回って探したり・・
意外とぐっすり眠れるから、体も心も一番合っているのかなとつくづく思います。

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盆栽を作ったりイジったりだけの日々なら、どんなに楽しいか❗️


一月も小寒から大寒へと、寒さが一層となる中、盆栽界最大のイベント『国風盆栽展』の準備が様々に進みます。
展覧の選考審査申込は既に1/6で締切り! 
出品希望の愛好家の皆さんは、1/23の審査結果を待つばかりです💦

私達、専業者も国風展に併催される上野グリーンクラブ『立春盆栽大市』出店の為の準備に入りました。
雨竹亭は同所館内・館外・2カ所にブースを設けて、昨年同様の最大ブース出店となります。

多くの訪れる皆さんに、見ていただけるように、盆栽達も最後の仕上げ“お化粧“の時期になりました。

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寒気が強まる中、真柏・松類など、葉色に瑞々しい翠を甦らせる為の、ビニールハウスや展示場を保温場とした管理が始まりました。

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真柏など、僅か10日間程度で、美しい翠を湛えるまでになりますが、
五葉松・黒松などは、葉色を戻したいが為に保温し過ぎると、芽が動いてしまい、国風展後の管理に苦労してしまいます💦

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手入れをして姿を整えて、それでも鉢合わせまで一気にやろうとすると、根を冷やしてしまう、
など植物の生理も充分に考えて仕事を進めねばなりません😓

2/9から(実際には2/8から)盆栽達の晴れ舞台が始まります❗️

【愛好家とプロのあるべき姿】

年の瀬、お世話になっている東北のお客様の所へ、新年を迎える前の盆栽と庭の整頓手入れに伺いました。

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盆栽が雪帽子を被る日の中、
凍えるような外気の下、私の下で長く盆栽研鑽に励んだ、宮城県多賀城市で園を構える加藤充氏の協力を得て、
樹々の状態、すぐにやるべき手入れ、冬季に手入れして樹格向上を図るもの、
様々な想いと何よりもこうして私達の正業を支えて下さる愛好家の方々への感謝を込めての暮の行脚が続きます。

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加藤充氏は、東北人らしく(💦❗️)朴訥でけして商売に長けている訳ではありませんが、
1年ずつ、コツコツと愛好家を周り、手入れのお手伝いを重ね、いつの間にか“彼らしい盆栽業“の姿を作ってきたようです。
雪降る中、かじかむ手で盆栽に向き合う姿、目先の商売にどうしても傾きやすいプロの多い世間、
後輩ながら、彼の真摯な日々の一端を観て、盆栽人のあるべき姿を思う日になりました。
頑張れ、無口な東北の盆栽人❗️


11月14日未明、昨日までの日々好天が嘘のような吹き荒れる風!
まるで台風が来たほどの強風に慌てました。
出来るだけの盆栽の保護と避難に努めましたが、お客様のお預かりしている大切な盆栽を第一に守ることが優先され、
気が付けば樹齢150年の真柏古樹が根元から折れてしまいました。


元々、水吸い一本と細い舎利幹で生き抜いてきた真柏。

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業界大先輩の故大久保準一翁から譲り受けた“形見“のような存在です。
根元が安定していなかったので、支えで持たせていたもの、水吸いが半分から裂けて、半死半生の状態💧

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盆栽が命を失う時は、その殆どが“人災“に近いものです。
この樹も、もっと早く室内に込んであげれば、こんな辛い想いをさせずにすんだと、反省と後悔と申し訳なさで、気持ちが塞ぎます💧


それでも、樹が“生きたい!“と言う気持ちを持ってくれることを祈って、出来るだけの処置をすぐにしました。

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裂けた水吸いをもう一度着けて釘で固定して、鉄筋の支柱でガッチリと支えて、
裂けた部分全体を嵩上げの感じでネット巻き、用土保護をしました。

風にあてず、静かに見守る日が始まります。
“生きてほしい“唯々それだけです。

極寒となれば、温室に入れて、根の活動を促してあげたいです。
せめてこれが成長期ならば、命の可能性が今より倍になったのに💧

いつまで経っても、日々反省ばかりの人生です。


昨年の春、3年間の日本での修行を終えて、故郷中国へ戻った、ハオ君とツァオ君。

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私と一緒に日本での技術習得を見守って下さった、名人・木村正彦先生も
“稀に見る二人。出来ればもう一度来日してあと数年学べば、紛れもなく、唯一の私の弟子として認められる“
とまで言わしめた逸材達。
故郷のご両親、ビザなどの関係で帰国しましたが、“ここからの更なる向上が大切“と思って、
私が公私共に盆栽家として人として信頼する、中国常州の王永康先生の所に預けて、“生活費は私が出します。
王先生には住居と食事をお願いします“とお願いして、一年半が経ちました。

雨竹亭の10倍はある王先生の「随園」二人はここで日々、数え切れないほどの盆栽の手入れに従事しています。

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一年中、盆栽の手入れが出来る環境。
盆栽家を志す者なら、理想の日々と言える毎日を、彼らは怠る事なく過ごしています。

週に一度ほど、“会長、見て下さい“ と、仕事をする前の樹と針金施術をした後の姿を数多く送ってくれます。
70代の老翁・王先生は、何も言わずに、我が子のように彼らの仕事ぶりと技術の向上を見定めながら、扱う樹の内容と作家としての技術を授けてくれています。
日本の木村先生・中国の王先生。
交流のある二人は、本人達が言うようにまさに“義兄弟“のような盆栽を愛する老翁達です。

私には若き中国の盆栽家友人として大倉という所に孫程輝さんがいます。
商売ばかりが目立つ中国盆栽界(日本も似ていますが・笑)で、“この人は本当の盆栽業を作れる人“と思った人物です。
例えれば、ある日、私と久しぶりに彼の所で会う機会がありました。
当日、彼から連絡があり、
“森前、申し訳ないが、日程を明日にしてくれないか。実は昨日、悪天候で私の大切なお客様の盆栽が、強風で棚から落ちて鉢が割れてしまった。急ぎ弟子達と向かっているので“ と。

盆栽家は、愛好家あってのもの。
この姿勢こそが何よりも大切なのを私達も修行時代に身に付けました。

この孫さんの所に数年前から黒松の名樹を預けています。
培養から芽切りなど、“友人だから気にしないで“と、料金も取らずに守ってくれています。

ここへ先日、ハオ君とツァオ君を王さんの許可をもらって、手入れに派遣しました。
日本で習得した技術。
帰国して王先生の所で磨いた技。

私が思っていた通りの仕事を彼らはしてくれました。

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“商売を考えるな、ひたすら盆栽と向き合え、そうすれば自然に人は集まってくるから“
そう教えて日々応援しています。
コロナなんて、早く消えて、昔のように海を渡って当たり前のように往来したいです。
盆栽を愛する仲間に、国も国境もありません。
若い二人と、もっと“次なる幕開け“を語りたいです。

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