先日、『WABIチャンネル』の動画撮影をお願いして、名匠木村正彦先生のアトリエに終日お邪魔しました。

普段からお付き合いのある先生、動画撮影に対しても快く応じて下さいましたが、
まさかここまでの対応をして下さるとは思っておらず、
あらためて盆栽人としての先生の人柄と盆栽に向き合う“生き方“と言える姿に感銘を受けました。
私がお願いしたのは、五葉松の素材、盆中で半世紀を超えているでしょうが、
愛好家があまり手をかけずに“持ち崩した“樹で、直近の業界オークションで、誰も買い手が付かず、僅か1,000円で落札したものです。
“どんな価値の樹でも、愛情を注いで作っていけば、それなりの姿となって応えてくれる“
そんな結論が欲しくてお願いしたのです。

しかし、木村先生は私の期待を佳き意味で裏切る程の“木村マジック“を披露してくれました。
普段は、名品の改作や、創作に使うアトリエで、1,000円の樹に向き合った瞬間、
先生の目には、金額や樹の優劣など微塵も感じられない姿勢になられたのを身を糺して拝見していました。
冷房もないアトリエ、暑気の中、先生は4時間かけて、宛ら“醜いアヒルが、白鳥へ“となる技を惜しげもなく披露されたのです。

“その樹はここをどうにかすれば、5年10年後は、見違えるようになるよ“ いとも簡単に仰いました。
“この方は本当に不世出の盆栽人なんだ“と、心から感じた瞬間でした。
1ヶ月ほどで、手入れの完成、最終的な飾った姿を、前述の『WABIチャンネル』でご覧頂けると思います。
私はこの『1,000円の名樹』をある意味で、羽生雨竹亭の“守り樹“のひとつに迎えようと思っています。
皆さんも、是非『WABIチャンネル』を見て下さい❗️
WABI CHANNEL
(YouTubeに飛びます)