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盆栽歴49年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 盆栽庭園


先日、久しぶりに長野県小布施町の鈴木伸二さんの園に伺いました。
いつ見ても、“こんなアトリエ庭園があったら“と想わせる、素晴らしいシーン❗️
内外のお弟子さん達の律した動き、入り口から名樹の庭園までの息を呑む完成度とレベル!
応接展示室の“美しい“と表現すべき設えと内容。

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これ程までの完成度を見せる彼のアトリエは、
若き頃から苦難の道をたったひとりで駆け上がった彼が、心の中で描いた“理想“そのものなのでしょう。

還暦を迎えた彼、もう三十年を超えるお付き合い、“ここからの夢は“と尋ねると、
“盆栽を守り作りながら、自分がそうあったように、若い人達を育て導きたい“の言葉。

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さて、ここから彼と人生の“第三幕“をどのように開くものか?楽しみです❗️
それにしても、すべてが完璧で美しいこと❗️
羽生も見習いたいです💧

【大徳寺芳春院「中秋の名月」❗️】

9年29日、遅めの中秋の名月、今年は京都大徳寺にいる日となりました。
これほど美しい名月、初めてかと思います。

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隣接する修行道場から聞こえる鐘や笏丈の音、それ以外は何も聞こえない静けさの中の盆栽庭園。
京都市内の灯りも届かないここは、まさに“月明かりで本が読める“❗️

堂宇の屋根に光る月、星空の灯りに照らされた庭園、こんな幻想的な景色は、一生の内そうはないと思います。
ひとり静かに仰ぐ月、盆栽と禅林、贅沢の極み!
申し訳ないくらいです‼️

和尚様にお願いして、来年は中秋の夜、お世話になっている方々と、“夜咄の盆栽観賞“をしてみたいです❗️
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【待ち遠しい秋の気配“  大徳寺庭園❗️】


例年以上に30度を超える残暑が続く毎日💦


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その中でも芳春院盆栽庭園は、少しずつ展示の内容と飾りが、秋色になっていきます。

色付きには程遠い今、まずは床の間や室内飾りに、掛け物や水石を使って、

少しだけでも、近づく秋を感じてもらおうと、設えました。


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庭園内「通玄庵」には、五葉松の文人樹。

江戸期名筆、長澤蘆雪の「雲月図」。

幽玄な静けさに、瀬田川虎石のくず屋石。


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展示場は故高木礼二翁遺愛の五葉松。


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山野草飾りは珍しいサワヒヨドリ、去年から名前が分からなかった山草でしたが、

我が芳春院常駐番のナベさんの朋友が、天才的な山草博士!

写真を送ると一発で種名を教えてくれました❗️

まさに令和の牧野富太郎‼️

今年は十五夜も九月の末、秋の気配もその分遅いようです💦

【台風から樹を守る‼️盆栽家の使命❗️】

台風7号が近畿地方を直撃横断しました💦
大徳寺芳春院盆栽庭園は、盆栽界の代表的な名樹や、上杉謙信・徳川慶喜・伏見宮・など、
歴史的人物にゆかり深い樹々も多く庭園にあります。
国風展出品樹ですら、“小さく“感じる庭園💧

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超大型の盆栽達を直撃が予想される台風から守る為、通常担当の1名に加えて、羽生本店から応援部隊を京都に向かわせました。
15日通過予想の中、交通事情が間に合う14日午後に羽生を出発して、同17時着、
事前に現地担当者が、この庭園独特の遮光ネットをはずし、
応援到着後、普段は4名で下ろし込む盆栽達を、“火事場の馬鹿力“ で、2人で馬力をかけて守りました❗️

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葉物などの“雑木類“は、強風に葉が“揉まれる“と、葉先が焦げてしまいます💧
出来るだけ室内に取込み、台風の通り過ぎるのを、“寝ずの番“で守ります。
盆栽家は、自然には勝てません💦 
だからこそ、盆栽達を必死に守る為には、すべてをその時間に充てます。
“何事もなく通り過ぎてくれ“  出来るだけの防備をした上で、祈る気持ちで通り過ぎるのを待つばかりです。

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風が止み、台風が行き過ぎると、ホッとすると同時に、棚や石柱に盆栽を戻さなければなりません。
“樹を守る!“ この想いで、必死に片付けている時はいいのですが、炎天となった庭で、休園の看板を外すまでに、元の姿に庭園を戻す作業!
これがキツイなんてもんじゃありません。
“どうやってこの樹を僅かな人数でこれだけ片付けたのだろう?💦“ 
こんな気持ちで汗かきながら戻します😅

数百年の“命“、私達の一度の気の緩みが、その時間を無駄にしないように、努めます。
台風!強風! 
大っ嫌いです‼️

【“夏空“ ❗️ 京都大徳寺の盆栽達・ガンバレ❗️】

1200年の都!なんと37度❗️ 

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西に見える大文字山にも夏雲が湧いては消える毎日です💦
“夏帽子“をかけた盆栽達もあと1ヶ月の、朝夕に吹く“秋風“を待って酷暑を頑張っています。

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井戸水で水をかけている盆栽庭園、
この時季は全部を掛け終える前に、井戸が干上がる事多く、30分ほど待ってまたかける日々です🥵

それでも庭内の樹々達は、自然の中で必死に生きています。

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埼玉県羽生の私達の本庭は、連日38~40度‼️  
同じ暑さでも何処となく京都北山の地は、
埼玉とは違い、“耐え易い猛暑“❓です!
朝の腰水、夕方の葉水、杉苔の夕水掛け、
追いかけてくる庭内の雑草を取りながら、夏の過ぎゆくをジッと樹々と耐えています❗️

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