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盆栽歴45年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 盆栽庭園

【1ヶ年の工事】

来年11月の開園を予定している大徳寺盆栽庭園の基本工事が始まりました!
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芳春院・竜泉庵 の南面・如意庵の西面・そして織田信長の墓所「総見院」の北面に位置した、大徳寺の中央。
特に盆栽庭園は 総見院の格調高い土塀を背面にした庭になります。
庭園内の展示処・小座敷・などの建築がいよいよ竣工です。
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ここは芳春院が永く所領されている土地で、ご住職のお考えで 500年を超える大徳寺の歴史の中で、初めての盆栽庭園を創られることになりました。
不肖 私がその任を託されましたが、あまりの責務、幾度もご辞退を申し上げたのですが、結局和尚様のお気持ちに沿う事になりました。
“私は 基礎を創り 預かるだけ、次の守り人への姿をまとめて、50年 100年 の盆栽庭園となる職方” という想いを心に決めて お手伝いする事にしました。
隣接する竜泉庵は、昭和初期に大徳寺の徳高い名僧の隠居所として造られた数寄屋造りの名建築。
ご住職は ここの改修を同時に進められています。
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芳春院を守りながら ご自身の代(23代)で、片桐石州公の墓所であった「高林庵」を再興されただけでも 大変なご苦労だったのに、
大徳寺宗務総長というお立場になられた中、竜泉庵の改修や、盆栽庭園の造営など、禅僧としての生き方そのものを間近で拝見して 唯々 頭の下がる事ばかりです。
来年の秋、盆栽を運び込むまで、私は建築・作庭・の脇役に過ぎませんが、出来るだけのお手伝いをさせて頂くつもりです。

【百年後のために】

30年来のお付き合いをさせて頂く、臨済宗 大徳寺派本山 京都「大徳寺」内の塔頭『芳春院』
400年前、戦国大名の雄、前田利家公の妻「おまつ様」により建立された名刹です。
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当代(23代)ご住職・秋吉則州師より “山内の私の預かる地に盆栽庭園を作らないか”と、お話を頂いたのが、丁度一年ほど前でした。
茶の湯に所縁深い名刹、しかも場所が大徳寺山内の上座中央部分の約500坪。
「分不相応な事、ご遠慮すべき」と思案して、お話を頂いて十日程後にお伺いした時には、
既にその地は 生い茂っていた杉や桧、雑木の一切が綺麗に伐採されて、更地の姿になっていました。
「君がやらないなら、白砂の枯山水にするだけ、やるかやらないかを決めてくれ」
このお言葉に、私の還暦を過ぎた中での人生の次なる役目を想い、「承ります」とご返事しました。
どんな風になるのだろう、どうしてゆけばよいのだろう、と 正業に励みながら、ここへお伺いする機会の度に、
ご住職にご挨拶しても「まあ、何から何までそう考えすぎるな、少しずつ相談しながら進めよう」こうおっしゃるばかり。
大観展も幕を閉じ、晩秋の名残の紅葉に覆われた芳春院を訪れれば、庭園の門周りを大工さん達が忙しくなさっていました。
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ここから、百年残る盆栽庭園が始まります。
私がここをお預かりするのは僅か10年ほどでしょう。
でも、そこから営々と盆栽の素晴らしさを伝える庭として「つなぎゆく」第一歩をお預かりすることになります。
来年の秋、多くの皆様にご披露するまで、このブログで幾度か進行をお伝えします。
15歳で禅僧になりたかった小僧が、盆栽の道を歩く事でご縁を頂いたこの地。
私はもしかすると、ここに至るための自分や今までがあったのかと 仏様に手を合わせる思いです。
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