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盆栽歴45年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 盆栽庭園


11月も間もなくすぎる中、盆栽庭園も最後の紅葉に、庭のもみじも、盆栽達も競う彩りをみせています。
“北山時雨“が降り始める季節、訪れる冬の前、樹々達は今年の秋の終わりを謳い上げるように鮮やかな色を輝かせてくれています。

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そしてそんな中でも、美しい翠を湛える松の盆栽達。
これから訪れる凍てつく京都の冬、その中に見る松や真柏、松柏類の“常盤の緑“は、命の力強さを感じさせてくれます。

コロナが静かになってきた今、訪れて下さる方々も増え、庭園や各盆栽達の説明に追われる時が多くなりました。

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でも、初めて“ホンモノの盆栽“をご覧になる人達に、その素晴らしさを伝えている時間、私は大好きです。
ここで、そんな事をずっとしていられたら、どんなに豊かな毎日でしょう!
雑木盆栽の葉落ちの季節、のんびりしていると、冬前の枝先の“抑え切り“のタイミングを失ってしまいます。
相変わらずの慌しい毎日です!

【秋本番の庭園展示入れ替え❗️】

彼岸の季節、秋風が心地よい京都大徳寺。
酷暑を耐え抜いた庭園の盆栽達も、夏飾りの役目を終えて羽生培養場に帰るもの、
新しく庭園に飾られるもの、“中秋から錦秋“までの芳春院盆栽庭園は、
老大樹・枯淡の盆栽・造形的な景趣の作品・等々、多種多様な盆栽達に“衣替え“されました。


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4人がかりでないと運べない大型盆栽が多い庭、手入れも含めて羽生から2名、常駐1名、私と応援の京都古園、大溝さん。
合計5名でヘトヘトの3日間でした。
自分でも、メリハリの効いた庭園飾りになったと納得しています。

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まだまだコロナの影響で、訪れる方も少ない大徳寺。
でもそれも良しと思っています。
この庭園を預かる時、“生涯の仕事“と心に決めていました。
初めの1~2年、静謐な盆栽庭園も良いものです!
それに、その中でも来園下さる方々と、ゆっくりお話をする刻の良き事!
5年、10年、そしてその先、この庭はいつまでも続くのです。

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50年後のここは、私にも見られませんが、その中の1年、その中の1日を預かった事だけでも、盆栽人としてありがたい刻だと思っています。

【椎野宝樹園の今!

“若手盆栽業の一方の旗手“と謳われた、神奈川県秦野市「宝樹園」椎野健太郎氏。
抜群の行動力で培った全国的な情報ネットワーク、海外勢との巨額取引、
コロナ以前の椎野さんを取り巻く業容は、対中国を中心とする圧倒的な流通市場での存在感を示していました。
名門「大樹園」の一門という正統派の彼、開園当時よりよく知る私は、彼の本来の姿を見てきました。




久しぶりに訪問したこの前、“あっ、変わった!“とまず思いました。

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見事と言える整備された塵ひとつない庭園と棚場、松柏から雑木まで幅広く、
一つひとつによく手入れが施され、彼自身も室内で名樹の手入れに勤しんでいました。
“会長に以前言われたように、盆栽を作っていかないといけないと、この頃つくづく思います“ 
彼の言葉はそのまま園内に満ち満ちていました。

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“激流のような業界の商売はどうだい?“と問いかけると、
“嫌いじゃないですけど、やっぱり樹を作っている方が自分らしいですね“と、苦笑いしながら答える彼は、
何処かひとつの刻を突き抜けて、自身の持っている元々の盆栽観に似たものを語っているように感じました。
“ここからが、彼の本領の長い刻が始まる!“ 誰もが当たり前に思う、自分の棚場とお客さん、
そして“10年作れば良いものになる“とした、盆栽人の基本的な価値観。
慌しい商売を共にしている頃から、彼が他のバイヤー的な思考者ではない事は分かっていました。


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年上として、失礼を覚悟で言えば、今ここにいる彼こそが、本当の椎野宝樹園だと思います。
反面羨ましく、反面“ガンバレ!“と応援したい、“いい男“です!


青空の下、桧の伐採 庭園から比叡の眺め❗️
日照時間の極端に少ない晩夏からの9月。
久しぶりの青空はやっぱり良いものです♪

芳春院に隣接する古刹大仙院。
庭園からちょうど比叡山を仰ぐ方向に立っていた桧の高木3本。


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盆明けに業者さんが入り、枝の切り落としから、最終的に木そのものの伐採が行われて、
盆栽庭園から古都の守護山・比叡山がくっきり見えるようになりました。

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芳春院ご住職と大仙院尾関老師が相談されての結果と伺っています。
感謝です❗️

残暑こそ残る今ですが、彼岸も近づくにつれて、朝夕の山内の空気は“秋“を感じるものになりつつあります。
中旬までには、強い陽射しから盆栽を守ってくれていた遮光ネット設備を解体して、いよいよ庭園も秋本番の盆栽庭園へ向かいます。
コロナ感染で、訪れる観光の方々も10分の1程の京都。
ご住職には「来園の少ない中、庭を守るのに苦労をかける」と労って下さいますが、
私は生涯の仕事と位置付けているので、
「和尚様、どうぞ気になさらないで下さい。
10年30年50年と続ける覚悟でお預かりした庭。
1年2年でどうこう考えていません。
コロナは早く収束してくれると良いですが、この盆栽庭園をどのように守ってゆくか?
すべてが経験と思う中の1年目、のんびりと1年目が流れてゆくのもいいものです」
と申し上げました。
こんな中でも、日々、僅かでも訪れて下さる若いカップルさんもいます。
そんな方々と交わす会話は、日々盆栽業でクタクタの私に、忘れかけている昔の“あの頃“、
誰もお得意さんがいなくて、出会う人達みんなに“盆栽はお好きですか?“と声をかけていた頃を思い出たせてくれます。


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私はそれでもこの庭園は盆栽達と仏様を守って、皆さんの来園を毎日待っています。


大観展の打合せを兼ねて、長野県の鈴木伸二さんの所へ赴きました。

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入口から盆栽の棚場、応接室、回遊する何気ない所まで行き届いた盆栽ワールド!
とにかく綺麗です!
塵ひとつ落ちていない!
盆栽をどれだけ美しく見てもらえるか?そんな彼の考えが庭内に満ちています。

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名木からささやかな草物まで、どれを見ても“いいなあ“と思えます。
恥ずかしがり屋で、応対の苦手な彼、普段から一般の来園者が入らないように、入口はしまっているそうです。


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これだけ静謐に綺麗にしておくには、仕方がないですね!
5,000坪(16,500m2・25亩)を有する我が家、どんなに頑張ってもこんなに綺麗には出来ません!
それでも、そこを目指して頑張ります!

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