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盆栽歴42年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 講演


【盆栽庭園40周年!】

アメリカの建国200年を記念して日本盆栽協会から53点の盆栽が海を渡って40年。
今回の記念に3点の盆栽を寄贈したことにより、式典に呼ばれました。
高橋貞助・上田秀一・小口賢一・小渕恵三 各先生、
名だたる方々の寄贈された盆栽は、植物園の皆さんの努力で、とても元気です。
3年前に訪れた時に贈った古谷石の葛屋が、私の名前でパビリオンに展示して頂いているのを見て
「人に何かを贈る時は、自分の名と名誉を贈りなさい」と 若い頃教えて下さった古老大家の言葉を思い出し、
これに従っておいて良かったと思いました。

大徳寺芳春院ご住職よりお預かりした色紙「樹石是禅」を 植物園にお届けして、
3点寄贈の感謝状を頂いた時、式典に招待された全米の盆栽水石関係者100人の内、
半数がアメリカの良き友人達であることを見て、初めての訪米講演から15年、
感慨深いものがありました。
盆栽協会岩崎理事長たち日本からの皆さんと、先達が遺してくれた足跡に感謝しました。

特に、アメリカ東部の盆栽文化発展に生涯を注いで下さった、
香風園吉村酉二師の肖像が、学芸員の部屋に飾ってあるのを見て、
深い尊敬と微力でも自分もいつかは「盆栽水石文化の伝道者」になりたいと
非力浅学を顧みず思いました。

50周年の時は私も68歳、出来ればその頃私の夢でもある拙著「盆栽の心・水石の心」を携えて、
この地に訪れたいと願っています。


【ニューヨーク・ワシントン】

2年ぶりにアメリカに来ました。
今回は今年の春に ワシントン国立植物園内にある盆栽庭園に
私の所蔵する盆栽を3点寄贈したことで、式典に所蔵招聘された事で 計画しました。
40年前、日本から建国200年を祝って贈られた盆栽達、
40周年の式典を前に羽生の庭からワシントンに届けた盆栽。
振り返れば41年前、修行3年目の年にアメリカへ行かせてもらえる機会がありました。
直前になって17歳と8ヶ月という事で、単独渡航が中止になった事を思い出します。
そして今回、植物園全体を管理するアメリカの財団理事長の招待で式典に行く事になったこと。
"人生は不思議な巡り合わせだなあ"とつくづく思いました。
渡航に先立ち、ニューヨーク盆栽会より「途中の日程で講演を頼みたい」
との依頼があり、旧友達の誘いを断るわけもいかず、
ニューヨーク・ロチェスター・ワシントンの行程を作りました。
途中、毎年お世話になっている愛好家のダグラス邸にお邪魔して、
お手入れのお手伝いもする事になり、日頃中国での手入れに苦労をかけている白石君と森山義彦君を、
将来の経験と記憶の為に、同行させました。
旅の途中ですが、ダグラス邸の素晴らしい盆栽庭園と道すがらの景色をご覧下さい。


【命の大切さ・ひとりじゃない!誰もが助けられ生かされていること】
 
雨竹亭のある羽生市で、小学生やご年配の方々への盆栽講座をボランティアで始めて、もう5年になります。
先日、羽生市立南小学校6年生との盆栽講座を開きました。
3度目になる講座ですが、毎年6年生全員に体育館で2時限(午前中全部)を使って、
盆栽・将来への夢・生き方・命など、どちらかと言えば樹の作り方や育て方よりも、
盆栽を通して人が感じたり、教えてもらえることを伝えています。
真柏・五葉松・楓・小品棚飾りなど、内面性が違う盆栽を飾って
11〜12才の子供達と楽しい時間を過ごしました。
羽生は環境の良い田園住宅地です。子供達もとても素直で、私の様な学も無い年寄りの話を真っ直ぐに聞いてくれました。
人が水をあげることを忘れたら、何も言わず100年を超える命が静かに消えること、
良い樹の姿こそ、天然の厳しさの中で創られること、
皆んなも自分ひとりじゃ日々何もできないこと、多くの大人や友達がいつも見守っていてくれること。
私は盆栽を通して子供達に少しでも"生きることの素晴らしさ"や
"自分以外を思いやる事の大切さ"を少しでも伝えられればと願っています。
これからも、小学校だけで年4回、ご年配方の教室が年3回、続けていこうと思います。
 


【埼玉県行田市桜ロータリークラブ講演】

先日 ご懇意にしている愛好家の依頼でロータリークラブの講演をさせて頂きました。
私に出来ることは、盆栽や水石を隣において様々な自分の日常や出来事をお話しするだけです。
今回は4月の世界大会に出品する真柏を飾り、この大会が日本の盆栽界にとってどれ程大切なものかを伝えて、
併せてそこで「盆栽と水石を世界遺産登録へ!」という活動の発信についてお話しました。
地域や社会に尽くされる方々に、少しでも盆栽界の現状と未来を伝えられればと願っています。

真柏は彫技による舎利やジンの芸ではなく、自然の風雪が創り上げた天然の姿を持つ数少ないものです。
僅かな枝姿で幽玄な相を現しているのも真柏盆栽の真骨頂と言える樹です。
使われている鉢は宜興紫砂泥で特注した扇型で、
"古典と現代的モダン"を融合させた作品として私なりに気に入っているものです。
海外・特に中国での多くの真柏盆栽を目にする今ですが、
こんな日本ならではの美意識で作出された盆栽を訪れる多くの皆さんに観て頂きたいものです。

 
【若きアーティストの卵達との煌めくひととき! 】

私が顧問を務める武蔵野美術大学盆栽部の特別講演が8日同大学にて開かれました。 

学部を問わず部活のひとつとして、100人近いメンバーがいることを聞いてびっくり! 
美術を志す若い方々が盆栽に対して深く興味を抱いてくれる事は何よりも嬉しいものです。 
完成名木の展示・観賞・解説。
そして真柏を教材にしての学生とプロの競演。
何よりも伝えたかったのが、日本の美の源流が、自然や千年の時をかけて育まれた"用の美"にあること、
そしてこれからの日本を作られていく皆さんに"日本人が持つ繊細な感性こそが、
次の時代に世界に対して最も大切なもの"である事を伝えたかったのです。 

担当の原 教授から「美大も女性が過半数」で、盆栽部も参加者の7割が女性だった事に、
驚きと共にこれからの私共盆栽界が考えるべき「社会に広げる盆栽の多様性」を改めて考えさせられる刻となりました。 
でも、やっぱり若さというものは素晴らしいですね。
何ものにもとらわれないみずみずしい感性、そして汚れのない素直な表情の煌めき、
何か自然な若葉を見ているようで、私自身心が洗われる楽しい講演でした。 

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