立春の雪模様の中、間もなく開催される『国風盆栽展』と『日本水石名品展』、
そして上野グリーン倶楽部での『立春盆栽大市』の準備で、てんやわんやの毎日💦
でも、そんな時だからこそ、羽生の応接展示室に、少し静かな“松の床飾り“をしてみました。
赤松の五幹の木立、古くは大宮盆栽町の名園、九霞園初代、村田久造翁が作出した樹。
長く京都北部舞鶴の愛好家が持って、最近まで大阪の大家愛好家の棚にあったものです。
古感見事な幹肌、疵気ない木立の様は、まるで長谷川等伯の名画「松林図」から抜け出てきたような錯覚を覚える樹です。
近代日本画の大家、橋本関雪の「月の図」
蕭々と冷気を纏った風が席中に吹く想いが感じられます。
樹と画、共に精神的な“厳しさ“があります。
そばには、木彫の蘇東坡像。
どこか漢詩の世界にいるような一席です。
もう一つは、五葉松の根連り。
幾本もの幹立ちが、風に靡くように生い立っています。
ひとつの根から生まれた木立、まさに“何処かにある原風景“を思わせてくれます。
掛物は、幕末期の名筆、田中日華の「雪月花」。
“描き表装“という、よく見れば、表具仕立てに見えるすべてが、画家によって書かれたもの!
月下の雪や花びらは、降り下りる中で、いつの間にか消えています。
季節の移ろい、儚い美に込めた“もののあはれ” 日本の美意識の結晶ですね❗️
こちらの席は室全体で飾り、脇床には、加茂川の伸びやかな大型山型石。
古感素晴らしいこの石は、京都“洛中“の旧家の蔵深くに、長く眠り続けていたものです。
“松風吹く月下、淡雪とも散り花とも見ゆる儚さ、仰げば何も変わらない山並の姿“ ・・。
花物や季節を彩る盆栽達も良いものですが、こうした松の美を湛える飾りは、やっぱり“王道の盆栽飾り“と言えますね❗️
さあ!国風展(上野の売店の方が大変💦)の準備が、ギリギリまで続きます‼️