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盆栽歴43年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 中国


【藤川・森山 腹心の弟子と共に】

3月26日より、名匠木村正彦先生は、
若き頃岩崎太蔵氏に導かれて訪れた中国盆栽界の依頼で、“最後の海外実演旅行”に出発します。
中国を代表する盆栽愛好家団体「江蘇盆景協会連盟」の主席であり、
同国を代表する愛好家、張 小宝 氏の招きによるものです。
公演に先立って先日 張氏の広大なコレクションがある常熟市に赴きました。
山東省で山採りされた“日本ではもう不可能”と言える真柏(約300~500年)の素材の中から数点を選びました!
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当日27日は、午前中木村先生の独演を、世界各国から訪れた盆栽家が見守る中進められます。午後は、同じく張氏の所蔵される五葉松の大根連なりを、
各国代表チームが、それぞれ実演する時、日本チームの素材として改作をします。
特殊な道具だけでも50~60キロをみんなで中国へ運び、
“木村マジック”の本領を見せたいと思っています。終了後またその姿をこのブログでご紹介します!
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【失われた 古渡盆器の再現・次代への遺産として】

泥物盆栽鉢の頂点・中国江蘇省宜興県の窯場『宝山』に “失われた古渡盆器再現” 
そして これを良心的価格で 日本盆栽界に紹介する活動を開始する為、半年振りに訪れました。
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以前にもコンテナ2台分を羽生に運びましたが、まずはプロ専業者の皆さんに
使用されている胎土や洗練された古渡を踏襲した『宝山』の作品の素晴らしさを伝えようと紹介したところ、
蔓青園さん椎野宝樹園さん達、活躍目覚ましい人達に殆どが売れてしまって、市場に送り出す分がなくなってしまいました。
先達の盆栽界が伝承してきた名器の多くが、海を渡って作られた中国に渡った今こそ、
10年後・20年後 の日本盆栽界の為に『次代の名器』を 日本にもたらすのが、私の仕事だと思うようになりました。
18歳の時、修行先の竹風園で大量の宜興紫砂を親方が誂えて、必死に全国を売りに歩いたことが思い出されます。
私が今紫砂盆器を発注しているのが、当時の宜興紫砂陶磁公司を前身とした会社『宝山』で、
何人か当時のことを知る人がいる事も不思議な縁です。
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18歳で宜興鉢に出会い、38歳で独立して、20年後の今、次代の盆栽鉢をその地で作っている・・・
人生はほんとに不思議な巡り合わせだなあ、と思います。
2月8日からの国風展売店(上野グリーンクラブ2階)のエスキューブの店にもこれらは飾られます。
是非ご覧下さい。
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【実用と失われた古盆を求めて】

数年前から 訪れて、盆栽鉢「広東」の 新しい実用品を模索する中で、出会った人達と 次なる扉への相談に訪れました。
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「華南軒」は、広州1番の骨董街の中でも、盆器の目利きとして名高いオーナーさん。
エスキューブの中国姉妹店「楊凌雨竹亭」社長の宋さんとの旅です。
ここ佛山市は中国で「古鎮」という呼び名で言われる“現地の歴史と文化を残した地区”です。
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久々に伺った華南軒は、相変わらず“何処にこんなに古鉢があるのか?”と思う程の品数でした。
「貴方が来ると聞いたから、一生懸命集めたよ」と、商売上手も相変わらずでした!
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オーナーの好みと私の欲しい物に微妙な差はありますが、日本の盆栽界に持って帰りたいものも多かったです。
丁度、この地に着いた頃、日本の羽生本店から“コンテナが届きました”と連絡。
昨年集めた古作・新作が国風展や植え替えに間に合うように届いたのです。

佛山の骨董街でひと通りの買付を終えて、一時間半の車程で、郊外の山間にある劉さんの窯場に着きました。
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昨年の国風展売店で「均窯袋式楕円」を再現して、話題となった窯です。
「広東の本当の実力を次の時代に残したい」と、30年前教職を捨てて窯の再現に尽くした古窯復活の恩人です。
今回も次にどんな鉢の再現をしようかとの打合せでした。
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“こんな釉薬鉢があったら”と日頃から脳裏に描いているものを劉さんとあれこれ話して来ました。
秋には また “本物の新作”が日本に届くでしょう。

中国との盆栽の商売、圧倒的な資金力と購買力で、夥しい数の盆栽が海を渡っています。
私達 専業者はその恩恵に預かっていますが、“売るだけの仕事”より、
この中国で日本盆栽界の未来の宝を探したり、作ったりして、それを持ち帰れたらと 始めた仕事です。
いつか自分が作った鉢が多くの愛好家の名木に使われるなら、この中国でのストレスも報われると思っています。


【国風賞級の名木群と逸材の山!】

上海から2時間程の中堅都市 常塾。
アパレル産業の立志伝中の人、張会長は70歳。
小学校も行けない境遇からその人望と努力で、財閥と呼ばれるまでになられた方。
盆栽愛好家としてそのお人柄から、日本で言う関東地方全体の協会会長をなさっている。
所有される市内中心地のビルの屋上に約1000坪の盆栽庭園を設けられ、
500点を超える大型名樹が管理されています。
常駐の手入れ師4名、見事な管理と手入れがされていて、
日本にあったなら多くの愛好家が息を飲む程の作品が列をなしています。
利害も投資的感覚もなく、只々 盆栽が好きで集められています。

来年の3月には木村正彦先生とお弟子さん達が、張会長の誘いで 
江蘇省の大イベントにデモンストレーションに参加される予定で、その打合せも兼ねて伺いました。
日本の愛好家の方々、プロの方々にも 
この中国最高レベルのコレクションをお見せしたいくらいです。


【圧倒的な素材と将来・ここから生まれる未来の名木達】

中国江蘇省常州市(沿岸部最大の園芸市場を擁する400万都市)の 王永康さんの庭は、
未来の名木と言える盆栽の素材で満ち溢れています。
日本は 山採りの素材は枯渇状態ですが、王さんは10~15年前、
中国山採りが規制される前に、500~1000点の原木を中国全土から各地を回り手に入れました。
その樹を少しずつ 時間をかけて幹を割き、大枝を曲げ、10年計画で真の姿へと導いています。
日本はそれなりの素材を入手すると すぐに人が鑑賞できるように仕上げていきますが、
王さんは「ひとつの樹の在り方を無理せずゆっくりと対話しながら」を創作基本としています。
同じ盆栽家として羨ましい限りです。
もし、私があと2年若かったらこの地で何年かひたすらに創作に取り組みたい気持ちです。

日本の若きプロ志望の人達は、先入観に囚われず、
この盆栽の大地に一度は訪れて、本当の盆栽家の在り方を観てみるべきだと思います。

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