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盆栽歴49年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 中国


『日中農林水産物貿易発展協会』

先日、都内「日中友好会館」で、日本と中国の間の様々な農林水産物の円滑な流通を促進するための、
諮問協議を目的とする社団法人が設立され、その記念式典が開催されました。

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2年前まで農林水産省の事務方トップであった、枝元真徹元事務次官を会長に迎え、
農水省・外務省の数多くの審議官や局長連、その他、歓談の刻を頂いた駐日中国大使館公使の宋耀明先生、
東大農学博士で中日青年促進会々長の張煜先生、官民合わせて100名を超える要職達が、この協会の発展を祝いました。

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盆栽の海外購入熱は中国を筆頭に年々倍増の勢いの中にあります。
しかし、その殆どが、植物検疫や通関など、“非正規“での流通と輸送で行われているのが現状です。
日本側の“売れれば良い”と言う意識、中国側の“運べれば良い“と言う意識関係が、却って正当な市場形成を遅らせているように思います。

私達も、海外への販売の恩恵を受けているのも事実の中、国内での販売の後の事は関与しないと言う、都合の良い図式の中にいる事も事実です。
しかし、中国も“高度経済成長“を成し遂げた今、かつての日本がそうであったように、
混沌とした市場環境は、徐々に整備されて、コンプライアンスに則った流通形態が熟成していくと思います。

様々な両国間の課題や改善すべき問題点は、当然あります。
だからこそ、このような官民が協議を重ねる環境作りの一端としてのこの協会のような諮問・審議を重ねる組織が必要なのです。
“どうしたら、両国の盆栽文化を円滑に向上できるのか?検疫を伴う流通をどの様に円滑な姿に出来るものか“ 
こんな事をここから数年をかけて創出するのが、この会の目的です。

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盆栽界では、私がボードメンバーに選ばれ、ここから微力ながら、
農水省や外務省の方々、そして両国で活躍される、事業体の方々と意見を重ねるつもりです。

それにしても、予想以上の農産物・水産物に関する官民の要職が一堂に集いました❗️
この産業界的集合の中で、盆栽業など、“大海のイワシ1匹“みたいなものですが、
将来の盆栽業界のためになる事ならと、勉強のつもりで末席を汚しています💦

いつの日か、日本と中国両方に、盆栽の検疫基地を造り、その流通ルートを利用すれば、誰もが自由に安全に、盆栽を販売輸送出来る。
これを夢見て頑張ってみます‼️


【盆栽を愛する若者達に国境はない❗️】


2ヶ月前、4年ぶりに訪れた中国。

今年も日本盆栽大観展で海外審査員に指名された、張小宝先生への招聘状の伝達お届けをした後、

我が“中国の兄“と言える盆栽家、王永康先生の「随園」へ赴きました。

70歳を超えて尚、中日の盆栽文化に寄与される王先生、広大な盆栽園には、

相変わらず“どこまでどれだけあるのか!“と、ため息の出る規模と内容。

羽生で3年間の盆栽技術研修をして、名匠木村正彦先生からも、

“あと数年日本で学べば、本格の技術者になれる資質“と評価された、趙(ツァオ)君と郝(ハオ)君も、

帰国後、更に技術を高める為に、王先生の所に居ます。

久しぶりに会った2人、何より元気そうな事が嬉しかったです。

毎日、盆栽の事だけ考えてこの広い庭の中で暮らす事、若者にとっては、様々に体験したい事もあるでしょうが、

私がそうであったように、学びの時代を振り返れば、“あの頃が何も考えずに盆栽と向き合っていた一番楽しい思い出“になるはずです。


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“森前、頼みがある“ 王先生に1人の若者を紹介されました。陳君、22歳。

先の2人ともう2年ほど、この随園で一緒に盆栽を学んでいるそうです。

ハンサムでいて、凛々しい眼差し。

“この子を森前の所で学ばせてほしい“ 本人の強い希望だそうです。

趙と郝、私がその将来を期待する2人と過ごし、王先生に“行きなさい“と

認められた子、今、陳君は羽生で雨竹亭のスタッフと毎日一緒に、すべての作業を共にしています!

“この子はホントに盆栽が好きなんだな“と、傍でいて感じます。


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長くはいられない環境。

日本にいる間に伝えられる事にも限りがあります。

何よりも私は、盆栽に携わる日本のプロの考え方、日常の社会での礼節を伝えたいと思います。


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どんなに技術があっても、どんなに裕福でも、“人としての優しさと豊かさ”が一番大切という事を。

ポケットの中の自動翻訳機が、大活躍の毎日です💦


コロナ禍の前年秋、木村先生達一行と中国真柏山採りの現地視察に出向いて以来、

その後のコロナ禍もあって、4年と言う時間を海外に出かけませんでした。

雨竹亭オリジナルの盆器も在庫が底を付きはじめ、その制作現場との打合せもあって、久しぶりの訪中となりました。


まずは私の中国とのを開けてくれ、木村先生と共に日本で3年間見守った若者2人、郝(ハオ)君と、趙(ツァオ) 君を、

手軽な盆栽の商売人にはならずに、真の盆栽家となるよう、屋敷内に住まわせて下さる、王永康先生の所へ伺いました。

70歳を超えて今なお、中国盆栽界の良心として多くの後輩に慕われる王先生。


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伺った時も、黒松の逸材中の逸材を、友人の台湾名匠と見事な改作をされていました!

2万坪の庭内❗️

数えきれない程の真柏・黒松・五葉松の将来性高い所蔵樹達。

“4年経てば、日本の皆さんにも高い評価をしてもらえる樹になればと、

樹の将来を見据えた捉え方は、私達日本の盆栽業も見習わなければと、痛感しました。


もう一つ、11月に京都で開催される、43回日本盆栽大観展の世界から3名選ばれた、

海外審査委員として、アジア地域を代表する、常熟市の張小寶会長への表敬と、大観展審査委員の招聘状のお届けです。

愛好家として、人徳者として、中国盆栽界の頂点に立つ張会長。

その盆栽コレクションは、4年ぶりに見ても、圧倒的な名樹群❗️


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しかも、日々スタッフの方々への指示で、満点と言える管理状態と樹造り❗️

自身に関わるすべての人達に対する、真摯な思いやり。


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国を超えても、社会制度が違っても、盆栽を愛する人達のは、ひとつの願いの中にある事を感じました。

社会やそこに暮らす人達が安寧で幸福であることです。

何十回も訪れて来た中国ですが、こうして長い期間を経ても、多くの事を教えて頂いたように思います。

さて、明日からは、盆器の旅の始まりです❗️

【圧倒的な規模!】

8月1日・日本と同じ位の猛暑の北京へ、日本代表としてこの博覧会に赴きました。
北京郊外の延慶という地、ひと昔前までは、この地域で最も貧しい所だったとか。
会場の広さは、日本の規格では表現できないくらいのもの!
約45,000坪!
その中でも盆栽パビリオンは、中心に位置していて、
建築だけでも世界の建築家がコンペでも開いて作ったのかな?と思わせるくらいの素晴らしさ!
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約500席の出品盆栽は多種多様。
古典的な名木から、庶民への提案型の室内装飾用・そしてこの国ならではの、
古い時代から受け継がれた各地域に根付いた「○○派」と称される独特の樹相を示す盆栽達。
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私は『日本から両国行政機関の正規ルートによって中国に名木を運んだ唯一の日本人』として、顕彰を込めて招待頂きました。
(旅費まで出してもらって来るなんて、何故かこそばゆい感じです。笑)
世界の国々のパビリオンが個性的な建築物で立ち並ぶ中、盆栽パビリオンは その規模と来場者数において、他を圧倒していました。
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こうして中国の巨大な祭典に訪れれば訪れる程、“世界に冠たる日本の盆栽”と、あと何年胸を張って言えるのだろう?”と思ってしまいます。
でも、こんな事を重ねているからこそ、日本人と日本の盆栽だから伝えられることがあると信じています。
鉢映り・席の構成・手入れの最終仕上げの完璧さ・・。
日本人だから伝えられる「何か」を私は 見つけるつもりです。

【日本の名盆栽 初の公開!】

先日 中国最高峰の盆栽愛好家・張小宝 氏 の依頼で、8月の北京園芸万博に展示される盆栽の手入れ進行をお伝えしましたが、
仕上がった7点の作品をご紹介します。
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「日本の名盆栽を!」という意味では、あと10点位 飾りたい思いですが、会場や運搬の都合上、この選出となりました。
今回、予定をやり繰りして お手伝いさせて頂いたのは、中国では 名盆栽を入手されても、
その後の手入れに対して どちらかといえば「元気ならば良い」という風潮があり、
日々の細やかな枝々の間に至るまでの鋏や整姿に、丹精をかけないところがあります。
盆栽は 手に入れてからのたゆまぬ手入れがされてこそ、その美しさが増すものです。
他の美術品と違って、命あるもので、この積み重ねが樹格向上とするのです。
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張先生に至っても、以前より名匠木村正彦先生と伺った折も、これを強く伝えていましたが、今回の訪問手入れで、ようやくその意味を理解して下さったようです。
各作品のビフォーアフターをご覧下さい。 

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