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盆栽歴44年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 中国

【中国西安地区「楊凌」我が中国第一歩の地!】

日本盆栽の中国初の展示施設として8年前に 奇跡の輸送の末に開館した「日本盆景館」。
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ここ数年は現地スタッフに管理を任せての運営ですが、久しぶりに訪れれば、
ここへ基地を作るまでに起きた数々の苦労、そして今の私の対中国での活動を走馬灯の様に思い出します。
ここ「楊凌現代農業示范園区創新園景区」は、農業特区。
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その幾つかのパビリオンのひとつがこの日本盆景館。
水質に苦労し、遮光に悩み、2500平米の巨大な室内展示設備。
今は私が日本から運んだ盆栽達が、只々健康にこの地で生きて行くことを願うだけです。

この楊凌の地から日本に来て盆栽を学ぶハオ君とツァオ君、
そしてここで盆栽を守りながら、いつかは2人の後を追いかけて日本で盆栽技術を学ぶ夢を持つジャン君。
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彼らに少しでも技と「記憶」を残してあげたくて、以前よりこの楊凌に置いてある大型真柏の枝接ぎをみんなでしました。
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私の時代には世に出なくても、この子達が成長した時、「あの時・先生と作った樹だ」という記憶が残ってくれれば、私の盆栽人生の旅に花が咲きます!
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【充実したギャラリーの盆栽群!】

1年ぶりに エスキューブ雨竹亭の提携公司「楊凌雨竹亭園芸公司」が経営する西安ギャラリーに訪れました。
何年もかけて政府の許可を得て中国へ運んだ盆栽達は、
このシルクロードの玄関である 遠い昔の大唐國の都「長安・現在の西安」で、健やかな日々を過ごしていました。
高騰を続ける中国盆栽市場は、高額品の名木を求める富裕層から平和でささやかな“豊かさ”を謳歌する中間層へと移行して、
日本円で5~15万円のものが 需要に追いつけない状態になっています。
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西安のギャラリーは、本来の日本の盆栽をご覧に入れて 理解して頂くためのステージです。
今回 このギャラリーで大切にしていた 五葉松の大樹が、劣化して本来の姿を残さない程の状態になりました。
現地スタッフは 「ダメになった」と心を痛めるに留まっていましたが、
私は同行させた小林と、この楊凌から研修に来日して大変な日々の努力をしている2人の若者で、樹の新たな姿を求めて改作に挑みました!
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伝えたかったのは、ひとつの形ある命が、ひとつの時代の姿を終えても、
“生きている”というなによりも大切な事にもう一度目を向けて、残された樹の可能性によって、新しい盆栽としての姿が描き出せるか?
自身の今までの経験と感覚で、蘇らせてあげることです!
たとえそれが今までの価値観と違うものであれ、盆栽としての命を繋ぎ、時代に数百年の命宿る樹を遺し伝えることなのです。
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枯れた枝や幹を剥きながら削りながら、「頑張れ!新しい君となれ!」と願って作業しました。
今回出来る作業には季節としての限界もあるので、次なる姿の基本を創り上げるに留まります。
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秋冬に各枝捌きを加えて、春にはその姿に合う鉢合わせをして初めて生まれ変わるのです。
この道程も 盆栽として素晴らしいと私は思っています。
まるで人の人生の様です。
挫折や苦悩を経験した人だけがみせる心の深さ!
盆栽も園芸的に理想を求めた名木から、不幸な時間を過ごして 形を失ったものが、そこから盆栽自身の生きる力で新たな造形を生み出す!
そしてその姿は見飽きないものなのです!

【歴史を感じる盆栽に感動!】

中国江蘇省への盆栽視察の帰路、初めて上海植物園に行きました。
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10年の訪中、何十回も上海に立ち寄りましたが、盆栽・盆器・の交流が忙しくて、
中々この歴史ある有名な場所へ来ることが出来ませんでした。
50年ほど前、恩師須藤雨伯が訪中した際、「とても大きな庭木のような盆栽がたくさんあった」
と言う言葉だけが記憶の中にあり、
“どうせ 公共体が陳列してある盆栽の名前だけの下らないものだろう”と先入観が、私の中にあり、今まで訪れる機会を作らなかったのが真実です。 
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しかし、今回 この目で見て、その場所に立って、そこにある半世紀をゆうに超える鉢中で培養された盆栽達の姿を見ることで、
私の考えは 実に愚かで身勝手なものかを知り、己に恥じるばかりでした。
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行き届いた管理・ひとつひとつの樹が その「個性」を尊重されて その樹だけが醸し出す「姿」を見事に表現していました。
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中国の盆栽界と交流する前、“盆栽は圧倒的に我が国日本が優れている”と自負していた自分が、
広大な大陸に育まれた盆栽文化を 西は西安・貴州・北は北京・煙台・南は武漢・重慶と旅を広げることで、
私が15歳より学んできた盆栽は、その深さと歴史の長さ・そして歴史の大河のような広がりという点で、中国に学ぶものが大きい事を知りました。
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その見聞の時を経た中で、この上海植物園を訪れたことが何よりも良かったと思います。
盆栽という私にとって人生哲学を教えてくれる道は、
日本も中国も包み込む自然が人と寄り添って創りあげた“東洋の大いなる文化”なのだとこの上海植物園が教えてくれました。

【南京で感じた「盆栽人のあるべき姿」】

スタッフ総勢8名を連れての中国 盆栽手入れの旅の中、南京に出向いた折、
以前より交流のあった 中国著名盆栽家 芮先生の自宅に招かれた。
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市内の中心部にある自邸、盆栽の棚を作って楽しむには、勿体ない程の立地。
所狭しと置かれた盆栽は、その種類もサイズも多種多様。
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飾り映えするものもあれば、名も知れぬ素材も。
屋上には石付に使う葉物の材料の育成まで。その中でもやはり目を引いたのは、大型真柏の数々。
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“こんな素材が日本にあればなあ”と、同行した木村正彦師門下、森山義彦の弁。
そして何よりも記憶に残ったのは、芮先生のお人柄。
決して驕らず、所蔵品をひけらかしもせず、唯々 微笑みを持って応対下さっていた。
「私の所をこうして訪ねる盆栽を愛する方々は、私はそのすべてを歓迎します」・・。
想像を絶する所蔵量の鑑賞石を含めて、40年余り一切 手放す事をされず、ひたすらに愛好の道を歩まれている。
こんな邸宅に息づく盆栽達は本当に幸せだと思います。
別にビジネスをするでもなく、盆栽や鑑賞石の歓談をするでもない。
趣味の来客に対して“無償の歓待”をして下さる。
不思議にここで拝見した盆栽達は 何処か穏やかな表情をしているように見える。
また、この「楽園」に“ 遊び ”に来たい。

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【木村正彦先生の 名作の維持管理の使命】

中国某大都市に 多数所蔵されている日本の名木を、
私と木村正彦先生の高弟 森山義彦氏・エスキューブスタッフ2名、
OBとしてまもなく宮城県多賀城市に新たな盆栽園を開く加藤充氏・そして羽生で技術の習得に励む西安の2人、
西安からの応援2名、総勢9名で、5日間で約80本の植替えという 刻の中にいます。
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日本から遠くこの大陸に多くの盆栽が渡っていますが、中国には 愛好家に対してのアフターメンテナンスのシステムがありません。
どちらかと言えば、プロとされる商売をしている人たちが自分の目と力を誇示して、威張っている感じです。
特に高く売れる事には頑張るのですが、その後の手入れや巡回サービスなど、
儲からない事は 超高額品を買ってくれない客とは 面倒くさがってしないという状態です。
訪れたお客様の所は、スタッフの方々の日頃の管理も素晴らしく、日本の盆栽を大切にしてくれています。
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中には木村正彦先生の名作と言える真柏もあり、先生の弟子である森山義彦氏の同行で、手入れ製姿・植替えを行いました。
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盆栽に生きる日本人の 姿勢を語ることなく、仕事で見ていただこうと、スタッフと朝7時〜夜7時まで、泥だらけで 頑張っています。
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この地で生き続ける盆栽達の為にも精一杯の仕事をして帰るつもりです。

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