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盆栽歴44年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 展示会

【さいたま市盆栽美術館で開催!】

10月25日より約1ヶ月のロングランで、
名匠木村正彦先生の盆栽家としての歴史と作品を紹介する企画展が、さいたま市大宮盆栽美術館で開催されます。
先生との打合せで、お宅に訪問した時は、丁度明日 美術館用のパンフレット撮影の為に、
作品の最終調整の手入れをされているところでした。
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「毎週9点の入替だから、今から手入れの進行予定が大変だよ」
と笑顔でいらっしゃいました。
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名作『登龍の舞』(真柏)から直近の大作『神威』(一位)まで、
圧倒的な作品群が、盆栽美術館に陳列されます。
「老成」という “老いてなお見えてくる真実”に 今も日々真正面から向き合う姿は、
真の盆栽家のあるべきものと 胸を打たれます。


【古老名人達の本領!】

舩山秋英先生の叙勲を祝って友人達が開催した祝賀展は、
現代数寄屋建築の名亭「八芳園・壺中庵」全館を使っての平成最上の展覧でした。
招待客のみの半非公開の様な展覧でしたが、次代に伝えるべき内容だったと思い、特に秀抜な4席をご紹介します。


イワシデの席
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名匠 山北松月・松田恭治先生の作出による、イワシデの雅樹。
自然な株姿の古幹に数十年の鋏作りが物語る枝味の素晴らしさ。
日本盆栽界が捉えるべき雑木盆栽の美が集約された作品です。
格調高い床の間に合わせてかけられた「水墨山水」は、江戸期大家 狩野探幽の筆。
樹と掛物だけで充分に席中の風趣を醸し出していますが、場面の広さを考えて、
“留め飾り”として、この景色を壊さない 双鹿の添を配されました。

瀬田川石の席
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山水景情石の真骨頂と言える石相を持つ瀬田川石の賓石。
配する水盤は薄造りの中渡均窯の中でも釉調に静けさを漂わせる“吹墨”の均窯。
掛物は横山大観筆「東海の朝」。
祝賀の意を込めての目出度さを現出した水石飾りの“引き算の美”を見事に具現した一席。

赤松の席
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老樹の相見事な赤松。
静かな月の掛物との取合わせは、定法。
右に設えた、呑平水盤での蓬莱山の取合わせが心憎い。
閑雅な印象の赤松飾りに、蓬莱図を水石で取合せることで、祝賀の一席とされた。

ノウゼンカズラ(凌霄花)の席
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夏の儚い花姿が印象深いノウゼンカズラは、徒長しやすく蔓性ゆえに、盆栽仕立てが難しい。
花色も里の種よりもひと色濃く、暑季の中、ひときわの目を惹く。
水面に映る「水月」の図は、主木の観を見事に扶けている。
添えの一木彫りの苫屋舟が、塗床ゆえ “素置き”で配されたことで、席面全体を水面に見立てたものとなった。
花物盆栽で涼を呼ぶ好例。


【美術館ならではの 格調高い展示!】

日本水石協会との共催の形で、毎年恒例となっている大宮盆栽美術館の水石展が開催されています。

後期展(13〜15日)は、私の監修担当。
5席の “平飾り”・3席の床の間飾りで構成されています。
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盆栽に興味を持ってこの美術館にいらっしゃる方々の殆どが、水石をご覧になるのが初めての方。
“河原にある石”が 美術館の床の間に飾られている事に、初めは不思議そうな目で見ていた人たちが、
学芸員さん達が分かりやすく書いた解説などによって、見終わる頃には、納得の表情を浮かべられているのが、微笑ましかったです。
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14日に「盆栽アカデミー」の文化講演会で『水石の歴史と文化』をテーマに午前午後2回にわたって、講座を開かせていただきました。
古代から室町期の「東山文化」による盆石の誕生、江戸期の大名・茶人・文人による熟成、
そして明治からの「水石」という表現への変遷を出来るだけ丁寧にお話しさせて頂きました。
若き頃、片山一雨先生・高橋貞助先生・村田香樹園師・吉村香風園師・小口賢一先生・福島茂夫先生・等々、
数え切れない多くの皆様に盆栽・水石の文化をご教授頂いたあの頃を思って、微力でも次代へ繋ぐ役目の少しでも出来ればと、
勉強のつもりでこれからもお手伝いしてゆきたいと思います。
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【舩山 秋英 先生 叙勲・内閣総理大臣賞 受章記念 展覧祝賀会】

7月5日 都内屈指の名庭「八芳園」を舞台に、“1億円の五葉松”として知られる 
舩山会長の盆栽の昨年の日本盆栽大観展での、内閣総理大臣賞受賞と、
先生がこの春 天皇陛下より長年の正業による社会への貢献を讃えての叙勲「旭日双光章」を受賞されたことを、
友人達との盆栽水石研究愛好会「玄虹会」の有志が この五葉松を中心に、展覧会形式で祝いの飾りを不詳 私の企画で開催しました。
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当日は、盆栽界の頂点の面々が、皆 祝賀にいらして下さいました。
特にこの祝賀展は、自身が開くのではなく“朋友の信”を第一とする、私のお客様達の総意で開催されたことだと思います。
内閣総理大臣賞をとっても、叙勲の栄誉を授かっても、普段と何も変わらない舩山会長。
お側で 出入り方を努めて 十数年の時が経ちますが、どれ程の事を教わったか 数えようが無いほどです。
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木村正彦先生・小林國雄先生・友人の鈴木伸二氏・同じく内閣総理大臣賞作家 浅子隆敏氏
そして世界大会を指揮した 日本盆栽協会前理事長 福田次郎先生は、木村先生と同じく 私と40年のご指導を頂く方です。
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岩崎理事長・大嶋理事長・内海理事長・竹山先生・等々、私的な祝賀会にこれだけの錚々たる方々が集うことは、普段はありません。
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各飾りの席の気品、訪れて下さった方々の盆栽人としての美しい立居振舞。
恩顧 舩山会長へのほんの僅かな恩返しが出来たような気がします。
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レベルの向上⤴︎⤴︎⤴︎❗️】


日本盆栽協会 東北協議会でもある恒例の盆栽展。昨年の福島開催に続き、今年は岩手県花巻市!

60余席の見事な展覧でした。

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地元岩手を代表する同業 大町氏の薫陶よろしく、真柏・一位の国風点クラスの名樹が揃う壮観なものでした。

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私も大変お世話になっている福島の舩山さんは、特別出品の扱いで昨年の世界大会にも陳列した五葉松の逸品を

金屏風の前に2席飾られ、大町氏の同輩 長野県の井浦氏が作風展で内閣総理大臣賞を受賞された真柏と共に、

会場の格調を一層のものとしていました。

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小店OB加藤充君や銀座店長 島田君らがお世話になっている多くの方々との挨拶を済ませて、和気あいあいの懇親会を楽しみました。

“東北は温かいなあ”とつくづく思う1日でした。

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