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盆栽歴45年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 展示会

【後期展へ!】

令和初の国風盆栽展も 前期展が終わり13日から後期展となります。
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今回は 宮内庁より名樹「君が代」と 尾張焼の名器が出陳され、花を添えています。
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私見ではありますが、今回の展示は この数年の中で一番レベルの高いものになったと思います。
それぞれの樹の完成度・樹格・古色・久しぶりに “さすがは国風展 ”といった感です。
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大型名木の部門でも最高賞の「国風賞」は、比肩する樹が多くあり、中品部門・小品部門に至っては、私から見れば どれもが国風賞でした。
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後期展では、羽生雨竹亭の盆栽教室に通う 小学校6年生の清水ちえりちゃんが、史上最年少で国風展に入選しました!
受験で大変な中、一生懸命手入れをして見事に夢を叶えましたので、皆さんも是非ご覧になってください!


8日から開催される「国風盆栽展」 
私達エスキューブも 例年通り 上野グリーンクラブで併催される『立春盆栽大市』に、会場二階に最大ブースを設けます。
あと数日の今、飾る盆栽達の最後の仕上げ準備に追われています。
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今年は コロナウィルスの関係で、購買欲の強い中国愛好家の来日が、昨年比で10~20%にとどまると予想されます。
各同業者も“どんな動向になるものか?”と、成り行きに不安を隠せませんが、私は ある意味で この状態を良しと捉えての機会と思っています。
恥ずかしながら、日本盆栽業界は 昨今 中国人の盆栽買付の動向に振り回されているように見えます。勿論 商売ですから 誰を相手としても頑張ることは良いのですが、「中国人はどうなのかな」
・・この言葉をオークションでも普段でも何処でも聞きます。
“ 私達はブローカーなのか?盆栽業として園を預かるプロなのか?” 日本の大切な愛好家の方々を蔑ろにしている感が 私にはずっとあります。
愛好家と語り合い、共に盆栽に対して向上する姿、修行時代から それこそが盆栽園を営む者の在り方と思って来ました。
今回の国風展売店は、色んな意味で、私達プロに 「自分達はお客様とどの様にあるべきか?」を 改めて振り返るものになってほしいと願っています。
勿論 国を問わず 海外各国の方々が、日本の盆栽の素晴らしさを楽しみにいらして下さることは大歓迎です。
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プロよ! ブローカーならず!盆栽園の主人たれ!


水石協会の名誉会長として、また 日本水石名品展の会場として、私達 拙い水石協会の後盾となって下さる明治神宮。
今年はこの社が鎮座されて100年の年となります。
奇しくも今年は水石協会が誕生して満60年、名品展も第60回の記念展となります。

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白黒の写真は、この明治神宮が造られる時の地鎮祭の写真です。
100年前、ここは点在する松原があった土地だったのです。
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100年祭を奉祝して、水石協会は、6月に神宮の社の中「正参道」に118mの舞台を造り、約100点の名盆栽を奉納陳列をさせて頂きます。
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盆栽をご神域に仮設の舞台を作っての展覧は、神宮創建以来初めての事、私達も身の緊まる想いです。
先日、新年の参賀が一段落された神宮文化部の皆さんへ協会としてのご挨拶に伺い、盆栽奉納展示をする正参道大鳥居を仰いで来ました。
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ここは100年前、全国からの有志達による「献木」で生まれた“人と自然が創り上げた杜”。
まさに盆栽に対しての人の心と同じものが宿した聖地なのです。
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小林理事長と二人三脚でやって来た水石協会も、8年目。
明治の杜に見守られて、頑張ってみます。
勿論、愛好家のご出品、専業者の皆さんのご協力があればこそです。どうかみんなで見守って下さい!


京都の「慶雲庵」一般財団法人「京都国際文化振興財団」の収蔵庫から先週お預かりしてきた名器を鈴木伸二氏に預けて、
以前より財団が所蔵していた宰相吉田茂が愛した盆栽・ヒマラヤ杉を、国風展に特別出品する為の 鉢合わせの植え替えが行われました!
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京都に盆栽美術館を概観する予定の財団、その準備室長として 将来の館長となる鈴木伸二さんと、二人三脚の日々。
国風展には 財団として この盆栽と岸信介元首相旧蔵の菊花石「菊衣」が出品されます。
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盆栽は 鉢映りで こんなにも品格が出るものかと、あらためて鉢との取り合わせの大切さを実感しました!

【小品盆栽の大展覧!】

京都行きの予定がうまく合ったので、40年ぶりの雅風展を参観に行きました!
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秋の京都の盆栽展『大観展』と同じ 平安神宮前の「みやこメッセ」
当時は二階で開催されていた雅風展も、今は爆発的に増えた小品盆栽愛好家のおかげで、大観展と同じく一階会場となっていました。
小品盆栽となると“アマチュアレベル”の私から見れば、どの席も只々頭が下がる程の見事な丹精!
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樹種の構成・鉢合わせ・樹作りと持込み・・どこから見ても すごい!のひとこと!
近年は海外、特に台湾・韓国・中国の愛好家やバイヤーの人達による 作家小鉢の爆買いが凄いそうです。
私が小品鉢を扱っていたのは40年近く前、まだ二十代の駆け出しの頃、
銀座三越の店で 小鉢流通業界の長老話であった 杉浦國夫先生の指導で、
東福寺・湧泉・竹本・香山・真葛・小野・など、今では美術館行きの品々を日々一生懸命 商いをしていた頃です。
当時 5~10万だった湧泉が 秀作となれば50~100万と聞いて、時代の格差を感じるばかりです。
近年は 新作に近い絵付作家小鉢が 工芸美術として海外で大変な人気との事。
残念ながら私には、盆栽を入れて派手さの出てしまう絵付小鉢がなぜそんなに人気なのか?わかりません!
小品盆栽も、小僧の頃に教えを受けたのは「手のひらに載る程の中、
たったひと枝に持ち込んだ絵心深い味を楽しむ、商売にならない極上の趣味世界」と諭されたもの。
今の「大樹の相」を基本とした樹姿とは全然違うものでした。
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私にとって小品盆栽は、丹精と持主の愛情の結晶であって、商売の対象には見えないのです。
やっぱり 昭和の時代に小僧を経た、古い盆栽屋なんでしょうかね!

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