雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴42年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 展示会


【一休禅師「真珠庵」秘蔵の盆石 初公開!!】

2月10日~13日まで東京都美術館で開催された「第4回日本の水石展」は
同じく美術館で開かれた第91回国風盆栽展と共に大盛況の中無事に閉幕しました。
今回は京都大徳寺 真珠庵 より、正親町天皇ゆかりの盆石が特別出品され、
500年近い歴史の産物を初めて帝都で披露する機会となりました。
明治神宮・さいたま大宮盆栽美術館などの特別出品の他、一般出品の中にも
紀州徳川家所縁の古谷石・明治の画家 山元春挙遺愛石など、
レベルの高さでは他展の追随を許さない本展らしい名石の陳列となりました。

海外からの出品石も年々その内容が素晴らしくなり、
水石が世界の趣味となっていることを痛感する舞台にもなっています。

展示石を一堂に収録した図録は限定ながら、既に販売しています(1部3000円)。
ご要望は協会本部はもとより、エスキューブでも承ります。


【国風展売店に出現した118点の奇跡の一括展示販売】

2月9日  国風展後期第2部・日本の水石展  この2展の飾り込みが行われた夜、
警備施錠がされた上野グリーンクラブ「立春盆栽大市」で、
1台の搬送トラックが横付けされ、2階一角に大量の名品が搬入陳列されました。
『美術盆器名品大成』の所載品・貴重盆器登録品・悠雅盆器登録品など、"盆栽界の宝"と言える各種鉢類です。
尾張焼献上鉢・献上薩摩焼蘭鉢・東福寺・湧泉・平安香山・水府散人・小野義真・竹本隼太・大日本幹山・一陽・真葛香山等々、
総数118点の名鉢群は、地下で静かに交渉され、満を持して一挙に公開されました。

「一括商談中につき、お手を触れぬようお願い申し上げます」
と吊り札が保安布紐と共に貼り出され、翌日10日朝プロ業者をはじめ、
来訪される趣味家の度肝をぬく陳列となりました。

これは、国内有数の大コレクターが生涯を費やして蒐集に努めた珠玉の名品達で、
"散逸してしまえば二度とこれだけのレベルと数が集まることはない" 
ことを憂いたプロ有志が協力して一括で購入できる方を探し、
情報が漏れることに細心の注意をして企画したことだったのです
(ヤキモチやバラし売りを望む人達のトラブルを避けるため)

9日夜に飾られた118点は、10日の夜 横付けされたトラックにその全てが積み込まれ、
翌11日の朝にはこの24時間余りに繰り広げられた名鉢大展覧が、まるで白昼夢だったのかと思わせる位に
何事もなかったように元の盆栽展示販売のブースとされていました。

一括購入の相手先や、金額など、グリーンクラブ内には余熱のように噂話が流布していますが、
たった一夜、信じられない程の名鉢群が蜃気楼のように出現して消えたことは、事実としてお伝えします。
いつの日か、エスキューブ雨竹亭も協力してこの一群が公開されることを願っています。


【館内最大ブース!約150点の精選の数々】

第91回国風盆栽展に併催された上野グリーンクラブ「立春盆栽大市」
通称 "国風売店 "に小店は例年通りクラブ本館2階に17軒分のブースを使った特設売店を開きました。
業界最大にしてハイレベルなこの催事に際しては「エスキューブ雨竹亭」の精選品を陳列させて頂きました。

貴重盆栽・古渡盆器・重要水石 など
"今"のエスキューブが皆様に提供できる姿そのものが展示されているといっても過言ではありません。
毎年、この場所に飾り販売をさせて頂いた数々の盆栽が、
数年先の国風展に入選出品されている陳列品すべてが "お薦めの逸品 "です。

特に今回は更に出店スペースを拡大して 2年の研究開発を費やして出来上がった
中国広州の釉薬鉢「石峰雨竹」製  盆器群の初窯作品披露
同じく中国宜興紫砂「宝山」製  精選盆器群 の陳列を初めてさせて頂きました。
特に「均窯の再現」に挑んだ石峰鉢は、蔓青園・鈴木伸二氏・浅子隆敏氏・小林國雄氏など、
プロ作家の方々にその釉薬と器型の完成度を絶賛頂きました。

"失われた技術の歴史"を再び蘇らせる事は試行錯誤の繰り返しで、
40度を超える再興した窯場で何度試作に失敗したものかを思い出します。
開発費やかけた時間を考えるとけして採算がとれるとは言えませんが、
納得のいく最高の再現が出来れば、古渡盆器が激減し、
盆栽そのものも大型化して器型を崩さずやや奥行きを持った鉢の必要があった中、
10年後、20年後にこの鉢を多くの愛好家や作家の方々が
国風展などの大舞台に当り前に使って頂ける事を夢見た作品が、完成した事だけでも嬉しいものです。
国風展への行き帰り、是非グリーンクラブ本館2階にお遊びにいらして下さい!


【400年の「刻の封印」を解いて 初公開!一休禅師の寺  大徳寺「真珠庵」盆石!!】


2月に開催される「第4回日本の水石展」の特別出品が決まった"幻の名石"が間もなく公開されます。
1月7日、京都 紫野  臨済宗大徳寺派 総本山「大徳寺」内にある『真珠庵』に
山田宗正ご住職を訪ね、展覧図録の詳細打合せをさせて頂きました。
正親町天皇の皇后様の化粧殿を移築した真珠庵内の書院「通僊院」に
他の文化財と共にある唐物盆石は、名石「末の松山」などと同じく、
室町時代の東山文化の名残を色濃く残すものです。

真珠庵創建以来、この石が庵外に持ち出された事は、記録にありません。
今は図録・ポスター・ハガキなどの撮影も済み、雨竹亭の「観音堂」内で静かに公開の刻を待っています。
歴史上の名石は数多くあっても、当時よりその場面を変えずにそのまま鎮座してある石はこの石のみと言えます。
400年以上前の文化人達が眺めた石中の景色は、今の私達と違ったものだったのでしょうか?
応仁の乱で塵芥となった都に再建された名刹、その時からこの平成への長い歳月、この石は真珠庵に眠り続けたのです!
2月の公開をお楽しみに!


【井浦さん  お父さんの形見で受賞!】

グリーンクラブの第42回作風展は、長野県須坂市の勝樹園 井浦貴史氏が、
昨年逝去された「真柏山採りの父」と謳われたご尊父の遺品で見事 大賞を受賞されました!

私も十数年来の友人で 亡き先代にも大変よくして頂きました。
以前、満を持して挑んだ真柏名樹で"無冠の三位"となった時、「自分の実力不足です」と
謙虚な姿勢を貫いた彼の栄誉を本当に心からおめでとうと言ってあげたいです。

三十代の技量高き盆栽家が、衆目の評価を得て活躍される事は、
還暦の足音が近づく私達の年代から見ても、とても嬉しい事です。
先日、共に中国の旅をした木村正彦先生も賛助出品で、
得意の真柏石付きを展示されていました。
76歳にして精力的な創作活動には頭が下がります。
もうひとつ、大徳寺「玄虹会」でいつも素晴らしい自作の盆栽を披露される矢内先生の出入り方である、
大溝さんが初出品、文人部門で初受賞!

お二人とも大徳寺での仲間であり、五葉松文人も内容素晴らしく、
後輩の栄誉に心温まる日となりました!

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