雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴43年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 展示会


【美術館ならではの 格調高い展示!】

日本水石協会との共催の形で、毎年恒例となっている大宮盆栽美術館の水石展が開催されています。

後期展(13〜15日)は、私の監修担当。
5席の “平飾り”・3席の床の間飾りで構成されています。
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盆栽に興味を持ってこの美術館にいらっしゃる方々の殆どが、水石をご覧になるのが初めての方。
“河原にある石”が 美術館の床の間に飾られている事に、初めは不思議そうな目で見ていた人たちが、
学芸員さん達が分かりやすく書いた解説などによって、見終わる頃には、納得の表情を浮かべられているのが、微笑ましかったです。
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14日に「盆栽アカデミー」の文化講演会で『水石の歴史と文化』をテーマに午前午後2回にわたって、講座を開かせていただきました。
古代から室町期の「東山文化」による盆石の誕生、江戸期の大名・茶人・文人による熟成、
そして明治からの「水石」という表現への変遷を出来るだけ丁寧にお話しさせて頂きました。
若き頃、片山一雨先生・高橋貞助先生・村田香樹園師・吉村香風園師・小口賢一先生・福島茂夫先生・等々、
数え切れない多くの皆様に盆栽・水石の文化をご教授頂いたあの頃を思って、微力でも次代へ繋ぐ役目の少しでも出来ればと、
勉強のつもりでこれからもお手伝いしてゆきたいと思います。
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【舩山 秋英 先生 叙勲・内閣総理大臣賞 受章記念 展覧祝賀会】

7月5日 都内屈指の名庭「八芳園」を舞台に、“1億円の五葉松”として知られる 
舩山会長の盆栽の昨年の日本盆栽大観展での、内閣総理大臣賞受賞と、
先生がこの春 天皇陛下より長年の正業による社会への貢献を讃えての叙勲「旭日双光章」を受賞されたことを、
友人達との盆栽水石研究愛好会「玄虹会」の有志が この五葉松を中心に、展覧会形式で祝いの飾りを不詳 私の企画で開催しました。
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当日は、盆栽界の頂点の面々が、皆 祝賀にいらして下さいました。
特にこの祝賀展は、自身が開くのではなく“朋友の信”を第一とする、私のお客様達の総意で開催されたことだと思います。
内閣総理大臣賞をとっても、叙勲の栄誉を授かっても、普段と何も変わらない舩山会長。
お側で 出入り方を努めて 十数年の時が経ちますが、どれ程の事を教わったか 数えようが無いほどです。
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木村正彦先生・小林國雄先生・友人の鈴木伸二氏・同じく内閣総理大臣賞作家 浅子隆敏氏
そして世界大会を指揮した 日本盆栽協会前理事長 福田次郎先生は、木村先生と同じく 私と40年のご指導を頂く方です。
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岩崎理事長・大嶋理事長・内海理事長・竹山先生・等々、私的な祝賀会にこれだけの錚々たる方々が集うことは、普段はありません。
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各飾りの席の気品、訪れて下さった方々の盆栽人としての美しい立居振舞。
恩顧 舩山会長へのほんの僅かな恩返しが出来たような気がします。
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レベルの向上⤴︎⤴︎⤴︎❗️】


日本盆栽協会 東北協議会でもある恒例の盆栽展。昨年の福島開催に続き、今年は岩手県花巻市!

60余席の見事な展覧でした。

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地元岩手を代表する同業 大町氏の薫陶よろしく、真柏・一位の国風点クラスの名樹が揃う壮観なものでした。

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私も大変お世話になっている福島の舩山さんは、特別出品の扱いで昨年の世界大会にも陳列した五葉松の逸品を

金屏風の前に2席飾られ、大町氏の同輩 長野県の井浦氏が作風展で内閣総理大臣賞を受賞された真柏と共に、

会場の格調を一層のものとしていました。

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小店OB加藤充君や銀座店長 島田君らがお世話になっている多くの方々との挨拶を済ませて、和気あいあいの懇親会を楽しみました。

“東北は温かいなあ”とつくづく思う1日でした。

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【玄虹会展に込められた、日本文化の美意識】

第10回展となる「玄虹会展」・ 盆栽水石文化に深い造詣を持たれる趣味者達が集い、
日頃の愛好の成果を、同朋と“感嘆相照らす”心で、
更にもうひとつ奥深い“向こう”に見える美と人間性を高める同好会の展覧として、毎年1回 開催されています。
通常は、この会の趣意を理解下さる京都名刹「大徳寺」塔頭『芳春院』のご住職のご好意で、同院で春秋どちらかで行われています。
今回は、秋展が続いた数年から春展へ移行する間の年として、
京都国際文化振興財団『慶雲庵』理事長・田中慶治様が所有する 名亭での披露となりました。
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「わらびの里・霞中庵」戦前の資産家が、京都の山里に“隠れ家”的な数寄屋建築を残されて、
戦後長く料亭として使用されていたものを、正業の関係で田中氏が引き受けたものです。
下足番を備える外門に掲げられている「霞中庵」の扁額は、横山大観の筆・しかも篆刻は北大路魯山人! 
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門をくぐり、庭内を進むと、深山渓谷を想わせる素晴らしい庭。
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山間に溶け込むように作り込まれた樹々・石組・苔・そして 平安の頃から歌われた「音羽川」が庭内を流れて、
その斜面を清冽な音を立てて流れる滝姿の妙。
渓谷の傾斜地に築かれた数寄屋建築は、各部屋ひとつとして、同じ趣向は無く、一室一室がまるで工芸品のよう。
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半世紀を超えてこの「隠棲の栖」を保存された歴代の所有者に頭が下がります。
展示の中身をご紹介する前に、この霞中庵が私に教えてくれた“飾り”に潜む美の源流が、
日本の美意識の根幹と言える「影あればこその光の美しさ」を伝えたいと思います。
最近の盆栽水石の展示会・展覧会は、会場形式が主流です。
時代の流れで、これも仕方がありません。
誰もが参観しやすく、搬出入が便利なのは当然の利です。
しかし、日本の盆栽界が創出した美は、盆栽だけの世界で生まれたものではなく、
古くは室町期に発生した「東山文化」の中で、御伽衆・連歌衆の手によって誕生した室礼による書院飾りにその起源を見ることが出来ます。
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ひとつの空間、直射の無い“間接光”の部屋に現出される、人と空間と対峙する実像。
そこに「幽玄」という、言葉には表しづらい「韻」を 感得するに至ったのです。
今回の「霞中庵」における盆栽水石飾りも、その本流と言える在り方を、見事に表現したと言えます。
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照明では響きを示さない仄暗い室の中に浮かび上がる玄なるもの、ただ自然の造形物や園芸創作があるのではなく、人のその時の心の在りようが、そこに感じる小宇宙なのです。
今回は総論を写真と共にお伝えして、次は幾つかの席について申し上げます。


菖蒲咲く明治の杜、日本各地より精選された名石が、一堂に集う「日本水石名品展」も、
58回の展覧となりました。

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特別出品の『豊公由来唐石』『甲斐武田家由来盆石』などを筆頭に、

精神性深い雅石・涼を呼ぶ水盤石など、神宮社務所講堂と本殿東廻廊に六十余石の圧巻の展覧です。

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先週の「奉納盆栽展」に引き続きのこの催事は、訪れる海外からの大勢の方々を魅了しています。

(明治神宮は都内屈指の観光地としてNO1の名所です)
盆栽作家として、海外にも知られる 春花園 小林國雄 理事長をはじめ、

鈴木伸二氏、蔓青園 加藤崇寿氏、そして国風賞受賞愛好家の方々も、水石家として 名を連ねています。

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10日までの大展覧、名品を無料で観賞できる絶好の機会です!

ご覧下さい!

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