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盆栽歴47年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 展示会


1月も下旬となると、国風売店用の商品の準備で気忙しくなってきます❗️
秋や暮に仕入れた樹を手入れをしたり、鉢や角度を直して、多くの愛好家の皆さんの目に留まるように“お化粧“仕上げに追われます💦

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木村先生門下の森山さん・春花園門下の養田さん、一人前の腕を持つ皆んなの応援を得て、
大型の五葉松から真柏古木、五葉松の鉢合わせ、等々💦 
毎日が戦争です🪖‼️

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それでも、“この樹はこんな鉢合わせ“と思って、馬力を入れて仕上がると、胸がスッとします。
また、森山さんのように、“芽起こし“の美しい仕上げ仕事をすると、
まるで“寝起きの娘さんが、晴着を着ているよう“に様変わりします❗️

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キリがないほどの量❗️
それでも、樹と向き合って、姿を変えたり、鉢を園内を歩き回って探したり・・
意外とぐっすり眠れるから、体も心も一番合っているのかなとつくづく思います。

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盆栽を作ったりイジったりだけの日々なら、どんなに楽しいか❗️


間もなく“盆栽界の祭典“と言える国風盆栽展の季節になります。
修行時代から数えて50年近い盆栽歴、国風展はいつもその年の業界の頂上とされる展覧です。

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十代の頃、国風展の会場管理(水掛け等)で、緊張しながら
真柏名樹「昇天の龍」の隣に半日じっと監視員として立っていた頃が懐かしく思い出されます。

当時の国風展は盆栽界の隆盛期もあって、100点以上の作品が、選考で落選となる事多く、
修行先でもお客様の国風当落で一喜一憂した事が昨日のようです。

現在は盆栽協会の会員数も半減して、出品応募も昔の半分!
それでも選考審査で出品枠を超える席数部分は落選の憂き目にあいます。
愛好家の皆さんは、どれもが丹精と愛情を込めた盆栽達。
誰もがどれもが、入選して飾ってあげたいのは、業とする私達の変わらぬ想いです。

先日も、海外の出品選考申込みをされた愛好家から“私の樹は賞がつくか?“と言われ、

“国風展は日本盆栽界の祭典、入選することが望みで、賞というものはありません。
しかし、
その中で特に優れたものだけ、国風賞と言う栄誉が与えられるのです“
と答えました。

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最近は国風展も多くの出品を受け入れる為に、前期後期の二部制になり、それに伴い、
国風賞も複数(実際には前後期で5~6点)受賞するようになりました。
愛好家の皆さんが、国風賞受賞となれば、お喜びになる事は当然です。
扱い業者としても鼻の高い気持ちはあります。
ただ、最近は年をとったせいか、昔の事を思い出します。
盆栽倶楽部(現在の上野グリーン倶楽部)で売店の設営準備をしている中、美術館での国風賞の結果が急ぎ知らされた時です。
“今年は該当樹無し!“  この記憶は今も忘れません。

どれもが立派で素晴らしい盆栽達、その中で頂点と言える樹を選ぶ事は難しいと思います。

今は亡き大宮盆栽村の草創期の尽力者、九霞園初代、村田久造先生の老成された時の言葉が思い出されます。
「森前君、私のように年をとると、どんな樹を観てもみんな素晴らしく見えてしまうのだよ。盆栽にはひとつひとつの“貌・かお“があるからね」
近年、国風賞をとることに目標を持たれる方と業者が多くなったと思います。
勿論、作品が高い評価を得る事は嬉しいものですが、自然の造形である盆栽には多種多様な“貌“が確かにあると思います。
選考とは人が成すもの、何処かで優劣を決めなければならない事はわかるのですが、それに血道を上げる様となるのは見づらいものです。

昔、栃木県の古老盆栽大家と謳われた、石川義雄先生という方がいらっしゃいました。
いつの国風展だったか思い出せませんが、野梅のとても古い名樹を出品されました。
古渡烏泥の名鉢に普段より納められて、“これが本物の盆栽だ!“と、私も唸ったものです。
国風賞にはなりませんでしたが、売店にお越しになられた時、私の店の前をお通りになった時、
“先生、素晴らしい梅を拝見しました。ありがとうございました“と申し上げると、

“嬉しいね!ありがとう。君のその言葉で5年くらい長生き出来そうな気がするよ“と、仰って行かれました。
多くの盆栽の名木を愛蔵されるだけでなく、そのお人柄、立居振る舞い、流石な紳士と憧れる方でした。

商売を考えれば、国風賞はお客様が喜ぶ有り難いもの。
しかし、賞というものが、まるで盆栽の優劣、愛好家のレベル評価になる事だけにはなってほしくありません。

ひとつの盆栽を見つめる心、盆栽を楽しまれる方、そのものが清廉な紳士淑女と評価される世界、
業者としても及第点とは言えない私が言える事でもないのですが、
こうして50年近く、盆栽界のお陰で生きてきている私が最近想う独り言です。

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それでも、今も国風展売店に飾る樹を鉢合わせをしたり、枝姿を直したり、楽しさと“買ってくるかな“の想い両方の相変わらずの私です💦



立春盆栽大市・国風盆栽展・日本の水石展開催、及び出店のお知らせはこちらから↓
雨竹亭ホームページ


京都市内岡崎公園の“みやこメッセ“で、盆栽界の二大展覧のひとつ、日本盆栽大観展が開催されました。
コロナ禍で、海外の方々が来られなかった昨年、一昨年とは違って、今年は多くの海外勢が初日から来場されました。
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内閣総理大臣賞は、大川功氏の真柏巨樹❗️
未公開の圧巻の存在は、他を圧倒するものでした。
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歴史ある“国風盆栽展“とはひと味違って、業界団体の主催するこの展覧は、盆栽水石の様々なジャンルを幅広く楽しめるものです。
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特に展示の飾り方のレベルを競う“大観展賞“などは、名樹を単独で鑑賞するのみではなく、
そこに表現された“自然観“や、世界観を伝えるもので、盆栽水石の愛好家の美意識を高めるものとして、私なども素晴らしいものだと思います。
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行き届いた手入れの樹々、掛物と合わせた調和の美、大観展はいいですね❗️


25日より京都市みやこメッセで開催される『第42回日本盆栽大観展』の会場内で、
日本盆栽協同組合主催による、日本ウクライナ友好チャリティーオークションが開催されます。

ウクライナの首都キーウと京都市は姉妹都市。
大観展の主催者のひとりでもある京都市を通して、収益金のすべてを、
戦禍で苦労されるウクライナの人々の僅かでも役立ててもらおうと、企画されました。

私も企画者のひとりとして、木村正彦先生・小林國雄先生など、
盆栽界を代表される交流ある皆さんに声をかけて参加出品を集めてみました。

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27日、日曜日の午後2時、進行役を務めて挑みます。
もし、京都大観展にお越しの皆様が居ましたら、是非参加して下さい。

盆栽界が寄与できるものは僅かです。
でも、“貧者の一灯“と言う言葉もあります。

ひとつの種から、ひとつの苗木のような樹から、すべての盆栽達は名樹への道を歩みます。

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私達の灯す光は小さいですが、それが集まればやがて大きな太陽にもなります。
日々水をかけなければ、死んでしまう盆栽達。
日本人はそれを弛まぬ心で守り続けてきました。
盆栽は平和な日々の中にあってこそ人々の心を癒してくれます。

平和の象徴、“BONSAI” で、世界がひとつになれますように!


日本水石協会との共催の形で、毎年大宮盆栽美術館で開催される本展。
今年も私共がお手伝いとなり、床の間飾りを含めて、美術館に“夏飾り“を設えました。
真・行・草・の3種の床構え、美術館らしいモダンな展示ブース、
それぞれの場面が持つ
イメージを大切に、お世話になっている愛好家の方々にご協力頂きました。


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“真の床“は、静岳石の雄大な台座石。
「白雲抱幽石」の禅語は“黄檗禅三筆“のひとり木庵。
格式の高い様式の床、脇書院・付書院など、石の持つ世界観と共鳴出来る道具合わせが重要です。

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行の床には、渓谷の景色を現す力強い伊予石。
明治の明治の日本画大家・山元春挙の大胆な構図の瀑布(滝)。
墨部分のみで清冽な水飛沫を見事に表した名画に滝下の渓流を想わせる石姿。
水石夏飾りの真骨頂の席。


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煎茶文化に端を発した、盆石の文房飾りを再現した珍しい席。
棚も名工鈴木節斎、水石三点は、“天・地・人“の趣意を持っています。



企画展「山水涼景~水石の世界」】
さいたま市大宮盆栽美術館HP
https://www.bonsai-art-museum.jp/ja/exhibition/exhibition-8110/

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