“水石を文化として美術館で“と言う水石界の大願。
それを実現したのが、11年前に開催された今も続く、東京都美術館での「日本の水石展」、
今年からその名を改めて「第61回日本水石名品展」となったこの展覧です❗️
水石という、盆栽からすればマイナーとされる水石。
これが美術館と言う大舞台で続けられるのか?とい
う不安を一掃するように、
小林國雄理事長の旗の下、事務局長の私も10年の間、まさに“駆け抜ける“ように、
毎回“来年は何を首座に持ってこようか?“と思案しながら走り続けました。
名石「黒髪山」から、伊達家「鎌倉」小堀遠州「重山」そして信長由来の西本願寺「末の松山」
今では海外からの愛好家の定着、出品、そして年々増えて来た来場者の方々と若い層の注目❗️
ありがたい事です。
昨年就任された長沢新理事長は、四半世紀、水石協会を“縁の下の力持ち“で支えてくださって来た“影の功労者。
朴訥な性格の氏ですが、真の水石への慧眼深く、実直な旗頭として、
私も今回から総括理事としての立場で、相変わらず図録解説などの実務を預かっています。
10年の刻をかけて築いた『日本の水石展』の重み。
しかし、水石界には『日本水石名品展』という、協会発足以来からの展覧会があります。
三越本店、盆栽倶楽部(現・上野グリーンクラブ)そして近年の明治神宮社務所講堂。
神宮は、協会誕生の時より、会長職を宮司様にお願いして、今の社団法人になってからは、名誉会長をお願いしています。
毎年6月には『奉納盆栽水石展』が、参拝される世界の方々を魅了して、日によっては展示している本殿回廊が、人だかりで盆栽が見えないほどになるのが常です❗️
その中、長沢新理事長の地道な努力で、美術館の「日本の水石展」が、60年続く「日本水石名品展」への名称変更の許可がおりました。
小林前理事長が尽力されて定着した「日本の水石展」を千穐楽にして、歴史と共にある旧来の名跡にするか?
私達役員は悩みましたが、長沢新理事長の“先人達が築いてくれた歴史を100年100回展にする為に“という想いに、小林前理事長が“いいと思うよ“の漢気❗️
こうして今回の『第61回日本水石名品展』は開催されました❗️
“河原にある石が美術館に飾る芸術?文化?“と、学芸的な立場の方々から揶揄された11年前を思うと、
水石に対する、愛好家の皆さんも含めての“思い“が、ここまで導いてくれたと思います。
レベルも往時の日本水石名品展の絶頂期を凌駕する程になりました❗️
“帝都の美術館で水石展“
いつまでも、あの頃の開催に賭けた苦労を忘れずに、愛好家の方々に寄り添って、この文化を守り広めたいと願っています。