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盆栽歴47年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 盆栽


第96回国風盆栽展がコロナ禍の中、感染対策を尽くして開幕になりました。

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2部制の展示で、8日~11日13日~16日に分けて、3百数十点の選考を経た名品が、東京都美術館に飾られます。
1部の展示品の中で、特に優れた盆栽に与えられる「国風賞」は、
糸魚川真柏の老樹ともみじ樹品種「清玄」の大樹、そして見事な棚飾りの小品盆栽でした。

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甲乙付け難い逸品の数々、特に中品盆栽のレベルの向上が目に付きます。
そして、中国の愛好家の方々からの出品が一段と増え、真柏の名樹群は、過半数が中国の方々でした。
今回より審査基準もより精度を高めたものとなり、鉢の吟味などは、
日本盆栽界が本来より重視していた“古樹には古鉢を“の教えを継承したとても良いものだと思います。

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松柏盆栽に対して、雑木盆栽の入選が少ない事も残念で、少しずつでも、多種多様な盆栽が出品される事を願っています。


国風盆栽展の会期等、詳細はこちらから↓↓
https://www.bonsai-uchikutei.com/news/article/855.html


第96回国風盆栽展と合わせて、日本盆栽協同組合(日本の盆栽業者のメイン団体)が主催する
上野グリーン倶楽部の「立春盆栽大市」が、国風展と併せて開催されます。
搬入日、全国の盆栽業の逸品の数々が上野に集結しました。

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ここに飾られて新たな愛好家の蔵品となったものから、次の国風展に出品される樹もたくさんあります。

エスキューブ雨竹亭も、今年も館内・屋外・共に最大のブース。

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ここから10日間の業界最大の祭典が始まります。
コロナ禍の収まらない今、お客様に“是非いらして下さい“と言うお声もかけづらい中、
それでも“大手“と言われる私達は、訪れる方々の為に、選りすぐりの盆栽達を陳列しています。

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外出のしづらい現在、盆栽を自宅で楽しんで頂くキッカケにして下さればと願っています。


立春盆栽大市の会期など詳細情報はこちらからご確認ください↓↓
https://www.bonsai-uchikutei.com/news/article/855.html


オミクロン感染の不安ある中、年に2回の水石協会オークションは、上野グリーン倶楽部で無事に開催されました。

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例年にないほど、各地での業界オークションの多い今年。
国風展前を締めくくる形で開かれた内容は、予想をはるかに超えて、速報値で総額1億円台となる成果でした。
特に国外への流出で現存数が激減したと言われる“古渡烏泥“の屈指の名品の登場には、場内が騒然とし、そのビットに固唾を飲んで見守る空気でした。

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会場には私と共に水石協会を守る春花園小林理事長、そして“盆栽界の至宝“と言える木村正彦先生、
共に京都盆栽財団「慶雲庵」を支える鈴木伸二氏。

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春節を前に、中国バイヤーの方々もひと休みの中、どんな時でも、盆栽も水石も盆器も、目利きの目に止まる名品は、声の競り合いになります(笑)
感染対策を徹底しての開催、それでも何事もなく終了できた事にホッとしています。



寒気の強い今年の冬。

羽生や大徳寺でも、暮れから新春にかけて何度も雪模様になりました。
積雪が多くなれば、雪害もあり苦労しますが、“細雪“と呼ばれる静かに降る雪は、
なぜか?まわりの“音を消して、“静けさの美しさ“と言うものを強く感じさせてくれます。
盆栽に帽子のように被る雪、静の中に佇む盆栽達。

自然が織りなす景色は、私達に色々な世界を見せてくれますね!





先月、月刊『近代盆栽』に独占取材の形で掲載されて、“日本にひとりで200点を超える山採り真柏の逸材群を今も持っている人がいるのか!“と、
全国の噂になった、宮城県松島の高橋邸に、雨竹亭OBの地元の加藤君と伺いました。

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伺った時も、ひとつの真柏の手入れをハウスでされていました。
使い慣れた道具やご自身の居場所。
愛好家ならではの雰囲気に羨ましくもなりました。

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昨夏、加藤君の案内で圧倒的なこの真柏群を見て、木村先生を伴って数点の整姿仕上げをお願いしたのが、昨日のようです。
あれから公開に向けて高橋さんも300坪の巨大ハウスの中に、真柏を展示できるように設備を進めています。

ただ、気になるのは、こうして誰もが見た事のない素材群を公開した時に、売買を求める人達が、こぞって訪れる事です。
半生をかけてすべてを山採りされた高橋さんは、ご自身の真柏を手放す気持ちは今はありません。

入口に「売買目的の訪問は固くお断りします。写真や動画の撮影は、基本的に禁止します」の札をかける事を薦めました。
中国関連のバイヤーさん達も、本国の資産家の方々の依頼で、少しでも良い盆栽を手に入れたい気持ちはわかりますが、
人生を投じて作出された方が、趣味で多くの方々と交流したいと願ってここまでたどり着いた事を理解して下さい。

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しばらくは、日本にはこんな刻をかけた愛好家もいるんだなと思ってあげて下さい。
3月中には一般公開の予定です。
楽しみにしていて下さい。

因みに、庭園名の“もろや“の由来を伺えば、地元で真柏や杜松の事を“もろ“と呼ぶそうです。
飾り気のない高橋さんらしいなと思います。

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