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盆栽歴42年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 盆栽

【木村正彦先生指導のもと、蔓青園・森前・椎野宝樹園 実演!】

日本盆栽協会 福田理事長・木村正彦先生 を筆頭に、
中国江蘇省で開催された「日中盆栽家文化交流会」に招待され、式典と実技講演をしました。
石付真柏の制作でしたが、
何とか木村先生に合格点を頂く出来映えとなってホッとしました。
蔓青園加藤さん・宝樹園椎野さん・アシスタントとして木村先生の修行を終えて間もなく
羽生の隣の加須市にアトリエを構える九州出身の森山君を加えた"連合チームジャパン"で挑みました!

郵送で先着させておいた揖斐川石が割れてしまっていたので、
現地協会の張主席の石を使わせて頂きました。
材料の真柏は昨年私共の西安楊凌に運んでおいたものを1200キロかけて現地に運んだものですが、
石をお借りした関係で西安に持ち帰るわけもいかず、総勢9名が宿泊・食事・送迎の接待を頂いたので、
結局贈呈することになってしまいました。
文化の友好は出費がかさむものですね~(泣笑)


【古希を過ぎても衰えぬ"作り手としての情熱と感性"を尊敬!】

日本を代表する盆栽作家 木村正彦先生との長年の夢だった中国盆栽旅行に出かけました。

今もお忙しく活動される先生の僅かな刻を頂いて、
私がこの6~7年の間に見た"今の中国盆栽界"のほんの一部だけでもお見せしたいと半年前からお願いした旅を叶いました。
十代で小僧に入った頃からお付き合いを頂いた木村先生ですが、
こうして日本の現場を離れてのご一緒する機会は初めてでした。
旅の合間に先生が見せた"盆栽作家の真の心"は私に多くのことを再認識させてくれました。
特に上海から西に1200キロ以上内陸に位置する陝西省西安に広がる「西安唐苑」が現在所蔵し、
未来の大型真柏名樹への作出を手掛けている一群は、木村正彦先生をしてもその圧倒的な存在感に驚嘆されていました。

「来て良かったよ」この言葉を頂いた時は、長旅の中でも私に気遣いさせまいと気丈に振舞われる先生が、
今でも創作の意欲と飽くなき探究心に溢れていることを教えて頂きました。
「日本の若いプロの人達も"まだ見ぬ見知らぬ世界"を肌で感じる為に、みんなで見に来られるといいね」
と世界の盆栽界の真の胎動を体現されていました。

始皇帝墓に近い秘匿の山々に1000年の時を超えて眠り続けた"神宿る"程の古樹達。
山から降ろされて5年、ここから更に3~5年の後には真柏と言う盆栽樹種の概念すら変えてしまう程の存在。
日本の盆栽界が今後どの方向へ向かえば良いのかを教えてくれている様な気がしました。


【老境の中に描く 季節の楽しみ】

40年のお付合いを頂く愛好家、小林二三幸様より季節の盆栽便りが届きましたので、
ご本人の了解を頂き、お紹介させて頂きます。
写真の日本建築の座敷は、小林様が大手企業の重役を退いて
「晴耕雨読 盆栽三昧」の日々を過ごす為に、10年前より旧家を改築して作り上げたものです。

今回はまさに "秋"! 
山蔦の老木が濃淡の深紅の彩りを見せる最高のタイミングです。

「月に落雁」の掛け軸は、"遠見の景色"で席の季節と広がりを扶けています。

脇床の鋳胴の人物像は「養老」。
今回は養老に固執せず、蒔や柴を取りに来た杣人が、山中で憩うひとときの情景を物語っています。
主木を引き立て、季節の興趣を喚起させ、ものの想いを深める・・
当たり前のように設えるこの席に、小林様の熟練の"見せぬ技"が潜んでいます。
脱帽・脱帽

 
【若きアーティストの卵達との煌めくひととき! 】

私が顧問を務める武蔵野美術大学盆栽部の特別講演が8日同大学にて開かれました。 

学部を問わず部活のひとつとして、100人近いメンバーがいることを聞いてびっくり! 
美術を志す若い方々が盆栽に対して深く興味を抱いてくれる事は何よりも嬉しいものです。 
完成名木の展示・観賞・解説。
そして真柏を教材にしての学生とプロの競演。
何よりも伝えたかったのが、日本の美の源流が、自然や千年の時をかけて育まれた"用の美"にあること、
そしてこれからの日本を作られていく皆さんに"日本人が持つ繊細な感性こそが、
次の時代に世界に対して最も大切なもの"である事を伝えたかったのです。 

担当の原 教授から「美大も女性が過半数」で、盆栽部も参加者の7割が女性だった事に、
驚きと共にこれからの私共盆栽界が考えるべき「社会に広げる盆栽の多様性」を改めて考えさせられる刻となりました。 
でも、やっぱり若さというものは素晴らしいですね。
何ものにもとらわれないみずみずしい感性、そして汚れのない素直な表情の煌めき、
何か自然な若葉を見ているようで、私自身心が洗われる楽しい講演でした。 

 
【秋の盆栽展のさきがけ! 木村正彦先生の作品に感動! 】

東京の秋の盆栽展の第一弾として、上野グリーンクラブで開催された「東京展」「瑞祥展」に伺いました。

久しぶりに拝見する瑞祥展は、ひとつの樹種で行われる盆栽展という
他には例を見ない樹形の多様性の楽しみがありました。

同時に開催された東京支部主催の「東京展」は
さすが帝都の長い盆栽趣味の歴史を思わせる幅広い展示で、
"愛好家と出入り方専業者"のあり方に感心させられるものがありました。 
びっくりしたのは名匠木村正彦先生が、東京展にご自分の作品を自身の出品として参加されていたことです。
最近は私共との交流や国風展などの扱い手入れがほとんどで、
公の場に作品出品をされることが少ない先生です。
齢を重ねての作品作りに取り組む姿勢に頭が下がります。 

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