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盆栽歴42年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 盆栽


【大改作の末、風雅展に初公開】

世界盆栽大会で一世を風靡した「Funayama Collection」。

本当は飾られた樹々は、コレクションのごく一部です。
今回 第7回 風雅展 に舩山さんが出品された真柏、
2年前四国高砂庵 岩崎大藏先生のコレクション全品が羽生に届いた時、
"2~3年作れば世に出せます"と言う私の言葉を信頼して下さって、この2年間作ってきました。
未完ですがおよその樹姿も仕上がったので、風雅展の正面床の間に飾り、
新たな姿で披露させて頂きました。
銘もまだ無く鉢合わせも百点とは言えませんが、またひとつ未来に遺す作品が作れたと満足しています。

2017年5月27日から行われた風雅展
(すでに終了しています)


【銀座雨竹庵 盆栽ワールド! 14日まで!】

銀座にこの春オープンした"和"のテイストをコンセプトの総合複合施設、
ギンザシックスにある蔦屋書店は、全国に展開する同書店の旗艦店。
ここに私共 銀座雨竹庵が"本物の盆栽"をレンタルで提供させていただいていますが、
"盆栽のコンセプト展示をしましょう!"と言う蔦屋書店さんからのご依頼を受けて、
14日まで まるで大英博物館の中にあるブックライブラリーの様な空間に
小店精選の盆栽群を展示させていただいております!

趣味・文化・教養・・そこにボンサイ。静かな図書空間に「人格」に似た存在感を持つ樹々達が「よく来たね!」と迎えてくれます。
期間中、ぜひ覗いてみて下さい。

我が水石協会理事長・小林國雄先生 る創作エネルギーに脱帽!】

世界大会の余熱冷めぬ中、私も事務局長を務める 
日本水石協会主催の歴史ある展示「日本水石名品展・明治神宮」の 
出品審査会・撮影会が、理事長邸宅でもある「春花園盆栽美術館」で 行われました。
久しぶりの理事長邸、世界大会に飾られた黒松「雲龍」も 本来の居所に帰って元気そうでした。
"森ちゃんのお陰で、世界大会・日本の水石百選 も、上手くできてありがとう"
と、相変わらず、上下もなく、ご自分の思ったことを平らに仰る"大好きな"方でした。
驚くのは 庭に溢れるほどの 大型盆栽達です。
ほとんどが、手に入れた姿からご自分の創意を加えた「小林芸術」へと変貌していました。
"俺は樹を作っている時が一番幸せなんだよ" 
本当にこの方は、樹と語り合ったり、喧嘩したり、慰め合ったり・・・
盆栽家、ただひとりの「孤高の作家」なんだなとあらためて思いました。
私と11歳違い、69歳にして、創作意欲は私以上です。
一緒に撮った写真の通り、私はこの"ヤンチャで、わがままで、涙もろくて、人情深い" 作家の、
クシャクシャの笑顔が大好きです。
ああ、また上手にコキ使われそう!!(笑)


【九州島原地方に眠り続けた"未完の大樹"大施術!】

先月、九州島原地方、松原の"植木の隠れ里"から、未公開大型黒松を羽生に運びました!
オーバーサイズの樹を何とかシンボル的なものへと、
改作施術の名手二人を招聘して、未来の大樹への第一歩に挑戦しました!

抜群の荒皮性の幹、立て返しの無い幹筋、改作可能な枝付き、
初めて行った島原で出会ったこの樹は、高さ2,5m!!
樹間の切り返しと枝角度の修正が大切なポイントです。
寺川穂積氏・森山義彦氏、二人とも私の仕事をいつもサポートしてくれる仲間たちです。

寺川氏は八雲蔓青園出身、単身オランダへ渡り苦労の末、数百人の顧客を現地で掴みながらも、
日本国籍の子供達のために"日本人のアイデンティティーを失って欲しく無い"と言う思いで帰国しました。
以来10年、その改作技術は私の目で見ると、国内三指に位置する作家だと確信しています。
特に"曲げるのは無理だろう"と思われる太さの幹や枝を技術の粋を駆使して変貌させる"職人技"は天才的です。
森山君は私の娘と同い年ですが、名匠木村正彦先生のもとで6年の修行を終えて、
間も無くこの羽生雨竹亭から10分の所に盆栽園を開園します。
真摯な手入への姿勢は、誰もが見習うほどの真面目さです。
いずれは日本有数の盆栽作家になるでしょう。

"曲がらずの枝"にきつくラヒィアを巻き、中に芯銅線を抱かせ、鉄棒をテコに一気に思う角度へ導く。
頭部の処理が見えた所でこの樹の将来はまとまりました!

圧倒的な中国勢の購買によって、国風賞クラスの名木が海を渡る時代、
本来日本盆栽界ではその価値を見出さなかったものが、評価される・・
このサイズの樹が両国の要望を叶えてくれると思っています。
ここから2~3年で枝葉の繁茂によって、大型荒皮性黒松の大樹が生まれます。
味わいある座敷飾りの文人盆栽・国風展向きの名木など、
時代に伝承したい樹々を残しながら、正業と友好に努める・・エスキューブは毎日が"挑戦"の日々です。


【『1億円の松・天帝の松』と 未公開大樹!旦那さんと歩んだ10年の結晶・感無量!】

半年以上前、世界盆栽大会の実行委員会で「舩山さんを大会の特別ブースに推薦したい」との内示を頂き、
ご本人と相談を重ねて 今回の「舩山コレクション」の展示内容・設営デザインを仕上げました。
舩山会長と私の予想をはるかに超える方々に2人で歩んで来た10年の作出を見て頂くこととなり、
先日無事に福島の邸宅にすべての作品を戻した今 "やって良かった!"の気持ちでいっぱいです。
普段から私が描く物事に"あんたがやりたいならやればいい"と
すべてを任せて下さる会長のお気持ちに答えられればと、非力浅学の中、
"どのように仕様を作り、どの様に見せたらよいだろうか?"と思い悩む日々もありました。

前庭の代わりに枯山水風のモニュメントを手前に、大樹の飾りは壁面風の並びの中央に破風屋根の床造り。
敢えて数百点に及ぶ古渡を中心とする名鉢群は出陳せず、唯一鍋島侯爵家旧蔵の色鍋島の文化財級の大皿2点のみ。
あとは盆栽の持つ存在感でまとめてみました。

展示された樹々たちが見えぬ程の観客、会長はただ微笑むだけで4日間奥様とずっといらしてくれました。
出入方としてこの4日間は、言葉にはならない "ほんの少しの恩返し"をさせて頂いた出来事に思えました。
これからも舩山会長との二人三脚は続きます。"今度はどんなことがあるだろう?"。
盆栽を通して人生の中で得られる"何か"がまた起きることを願って。

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