雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴43年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 盆栽


【初めての整姿作品を初めての植え替え!】

西安雨竹亭で楊凌の盆栽パビリオンを2年間守って来てくれた、郝君と趙君。
昨春3ヶ月の研修を日本で過ごし、12月より3年間(当初は1年のビザ・延長願いを出して更に2年)
故郷に帰ることも出来ないのを承知で、私の庭「羽生雨竹亭」に住込みで勉強しています。
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43年前、貧乏で布団も用意出来ずに、バッグひとつで小僧に入ったあの頃の自分を思い出します。
日々、8時前からの庭内の掃除、あとは19時〜20時位まで、雨竹亭の慌しい毎日を、言葉の壁を越えて必死に頑張っています。
「ハオ!ツァオ!」と呼べば「ハイ!」と駆けてくる姿は、私たちの世代の修行時代を彷彿とさせてくれます。
冬の間しか松の針金掛けは勉強できないよ!と、12月に与えた五葉松も
2人して眠い目を擦りながら、時には仕事の終わった深夜に励んでいました。
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国風展の忙しさの終わった中、2人の仕上げた五葉松の植替えを指導しました。
教えることに専念して、なるべく自分の手でやらせてみました。
“針金がキツかったり、いじりすぎたりで、いくつか枝が痛むかも”と予想していますが、
その姿をこの庭で見ながら経験を重ねる事も大切なことです。
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2年後の作風展に若手部門でこの樹を挑戦させてあげたい!
そんな事を思いながら、終わってみたら、深夜12時でした!


【創作意欲は国風展終わっても変わらず!】

国風展も無事に終わり、合同チームで展示した作品の引き取りと、お礼に木村先生のお宅へ訪れました。
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海外からの来訪者で賑わった国風展中ですが、一般の方々がご覧になれる庭の棚以外に奥に
非公開の先生の創作中の多くの作品がある棚場があります。
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国風展出品の作品を“ヒートダウン”させている温室には、将来の名木達が並んでいます。
76歳の今も毎日 作品作りに情熱を注ぐ先生の精神には、頭が下がります。
足元の棚には、見事な舎利幹に僅かな枝を伸ばす真柏がありました。
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「この樹も 2~3年経てば、立派な盆栽になるよ」と、先生は いつも“明日”の盆栽を見つめています。
羽生に2000点の盆栽達と暮らす私も、もう一度先生の姿勢を見習って、
ひとつひとつの盆栽を見つめ直そうと思いました。


【国風展 売店 3回入替! 売上レコード更新!】

久し振りに 陣頭指揮で挑んだ国風展売店「立春盆栽大市」。
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昨年より展示ブースを広げて、他店の “売れない中でブースを広げるなんて”との 陰口など気にせず、
全力で展開企画から練りこんで、前日のバイヤー取引日・初日~2日間、中間期間展示、
そして未公開の「上杉謙信公伝承の盆栽」を中心とした最終展示。 
海外からの『黒船』と呼ばれる買付け! 国内愛好家の皆さんから見れば、複雑な思いがある事も当然ですが、
現状の盆栽市場は この海外勢の購買によって相場が確立されている事も事実です。
はじめの3日間はこのバイヤー中心の市場買いで仕入れが出来る盆栽を“これでもか”と言うくらい並べて対応しました。
初日からは展覧にいらっしゃる本来の愛好家の方々の為の“本物”と“味の良い樹”そして雅味ある水石・古鉢、
来場される旧知のお客様達、歓談しながらの“品定め”は、国風展売店の昔ながらの姿です。
『日本の水石展』が開幕された国風展後期展は、盆栽の歴史的名樹の通説を覆す500年の伝承を持つ
 “伝説の盆栽” 上杉謙信公の「一位」を中心とする 日本名木群の一堂展示。
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3回の夜間特別入替をご理解頂き、許可下さった組合方にも感謝しています。
おかげさまで、私が手掛けた過去の国風展売店の売上レコードを更新することが出来ました。ありがとうございます。
海外との対応・交渉、日本愛好家の方々への私共がしなければならない業者としての役割と責任。
この2つの目的を無事に遂行できたと思います。
でも、「奢るもの、久しからず」の 言葉を胸に、ささやかな愛らしい盆栽をじっとご覧になっている初心者の方を、
寄り添う気持ちで少しずつでもその楽しみをお手伝いすることが、何よりも大切だと言う事を、スタッフに伝えてゆきたいと思っております。
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【エスキューブ雨竹亭 最大ブース】

日本盆栽界 最高峰の展覧「国風盆栽展」が開幕しました。(2月16日まで)
これに併せて 日本盆栽業界の大手が勢揃いする『立春盆栽大市』が、
上野グリーンクラブ(小僧時代から関わる私には東京盆栽倶楽部と言ってくれた方が馴染みいいのですが)でスタートしました。
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小店も毎年この本館の2階に大市最大ブースを開設させて頂いています。
海外からの盆栽熱の波で、市場の動向(価格帯)が微妙に変化する中、
本来の愛好家の皆様にお楽しみいただけるイベントブースになるよう心がけてみました。
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欲張りなもので、名樹も飾りたい、名鉢、名石、風雅な盆栽、等々、
お見せしたいものが限りなく、いつも“とりとめの無い”雑多な品飾りになってしまいます(笑)
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クラブの目の前の 銀座店の支店「池之端店」も、クラブの行き帰りにお楽しみいただければと、
エスキューブ最年長の古美術界出身の山下さん(古渡り!)が、お越しをお待ちしています。何はともあれ、盆栽界の祭典、観るも買うも 楽しんで下さい。

【売店用盆栽 手入の嵐‼︎】

国風盆栽展に併催される上野グリーンクラブでの大盆栽市
小社も例年通りに2階定場に、最大ブースを設けさせて頂きます。
12月・1月の 流通売買が 予想以上に多く、同展売店用に準備していた盆栽の半数が、ご成約! 
さあ、品物が足りない!と言っても、急ぎ仕入れをすれば高く付くし、
雰囲気の良いものは先に売れてしまっている! 思案の末、よし!
皆んなで未完の盆栽の手入れと、植え替え鉢合わせをすることにしました。

総点数1000~2000点の鉢を保有しているのですが、いざ鉢合わせをしようと思うと、中々ピタリときません。
毎年のことですが 鉢合わせは 本当に頭を痛めます。
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それでも 盆栽と向き合うこの時間は、不思議に 意外と一番楽しい時間かもしれません。
多くの皆さんの前に飾られる時、「ほんのすこしでも、“おめかし”をしてあげたい」
この気持ちが、樹といつのまにか対話をしているのでしょう。
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勿論 その中には、次代の盆栽作家の頂点へ行くこと間違いなしの、鈴木伸二先生の作品もありました。
私が30年ほど前に彼に紹介したものです。
縁あってつい最近 羽生に来ましたが、どこが悪いわけでも無いのですが、“気に入らない”・“納得にまで至らない” と言った感じでした。
“何がいけないんだろう?” しばらく自問自答している間に、何となく答えが見えてきて、新たなる改作 へと踏み切りました!
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盆栽は自分の心の中にある世界を求めて、一心不乱にに対峙して創作している時が、一番ですね!

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