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盆栽歴44年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 盆栽

 
私を信頼下さる愛好家の方から新木の頃より15年近くお預かりしている真柏達が、
ようやく完成の段階に仕上がりました。
ご本人はもうご高齢でご自宅に持ち帰り飾る事も叶わず、
この子達も私の所でこれからも誰にも見られる事なく、国風賞クラスと言われながらも静かに日々を過ごしています。
昨年増設した羽生第三培養場も相変わらずの盆栽の数ですが、
写真のような名樹もあれば、名もなき素材樹もたくさんあります。 

最近この仕事も40年を過ぎた頃からは、
そのすべての樹々達に対して"同じ想い"を強く持つようになりました。
「私はこの子達を守る、この子達と共に生きる」
そんな気持ちが何よりも大切だと、口には表せない位の自分がいる事に気付きます。 
盆栽が私に教えてくれる事はキリがありません。
60になっても70になってもきっとそうだと思います。
「いのち」って何だろう?
と自問する自分に苦笑してしまいます。 


【鈴木伸二氏から15年の時を経て木村正彦先生へ】

真柏名樹として有名な「丹頂の舞」が私のもとへ来て15年の歳月が経っています。

幾度かの"鋏作り"を繰り返し、
全体として"面で捉える姿"となっている今を更なる樹相へ変貌させる為に、
名匠木村正彦先生に協力をお願いしました。
この樹が北の大地北海道に生きた頃、
山採りから盆栽界にもたらした本郷十郎先生、
石付きの姿から現在のまさに"丹頂鶴が折り佇む姿"に導いた鈴木伸二氏、
そして今回繁茂する枝姿を空間優美の施術で更なる品格へと昇華させた木村正彦先生。
名匠達がその技によって受け継ぐ名樹は、
羽生雨竹亭で新たな刻を過ごして行きます。


【北の大地でのレベルの高さに脱帽!】

北海道水石連合会の大水石展に伺った時、同じ札幌市民ギャラリーで開催されていた盆栽展!

初めて拝見した北海道の盆栽展でしたが、国風展出品作品や風情ある季節の盆栽など、
愛好家の皆さんのレベルの高さにびっくり(失礼いたしました)。
極寒の季節の管理や楽しみを考えるといかに盆栽がお好きで楽しまれているか、
頭が下がる思いでした。
展示スタイルも清潔感満点!
いいですね!
愛好家の心が会場全体に満ちていました!


【樹冠切除!角度変更!  見せかけの大樹から真柏名樹への変貌!】

昨年春、四国高砂庵から羽生雨竹亭に移動された盆栽群の中にこの樹はありました。
天然山取りの圧倒的な舎利芸はあるものの、枝葉を全体に伸ばし表面的な樹相で仕上げられていたものです。
日々共に暮らす中で、「この樹はこうありたい!」と言う答えに辿り着き、
大改作に挑むのに1年を超える時間がかかりました。
樹冠を切り落とし、右手の天然至芸の素晴らしさを魅せる
舎利芸を強調する"左流れ"の樹となるよう、施術しました。

この状態で来春まで無理せず培養に努め、
左右の舎利芸と乗り出しを浮き立たせる鉢合わせを思案したいと思っています。

うずもれた名樹を晴れの舞台へと導くのは、盆栽家のいちばん楽しい仕事です!


【究める匠の技! 美術館級のコレクション】

軽井沢店入替の合間に脚を伸ばして「世界盆栽大会」の打合せを兼ねて、
長野県小布施町の鈴木伸二氏盆栽アトリエまで伺いました。
相変わらずの"完璧な"手入れと管理状態!
すべての盆栽家の手本とすべき庭園だと思います。
"あの樹がこんなに素晴らしくなった"と感動するものばかり。
次代の頂点に立つ、既に名匠の域に入った彼のこれからも楽しみです。

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