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盆栽歴43年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 盆栽


【圧倒的な素材と将来・ここから生まれる未来の名木達】

中国江蘇省常州市(沿岸部最大の園芸市場を擁する400万都市)の 王永康さんの庭は、
未来の名木と言える盆栽の素材で満ち溢れています。
日本は 山採りの素材は枯渇状態ですが、王さんは10~15年前、
中国山採りが規制される前に、500~1000点の原木を中国全土から各地を回り手に入れました。
その樹を少しずつ 時間をかけて幹を割き、大枝を曲げ、10年計画で真の姿へと導いています。
日本はそれなりの素材を入手すると すぐに人が鑑賞できるように仕上げていきますが、
王さんは「ひとつの樹の在り方を無理せずゆっくりと対話しながら」を創作基本としています。
同じ盆栽家として羨ましい限りです。
もし、私があと2年若かったらこの地で何年かひたすらに創作に取り組みたい気持ちです。

日本の若きプロ志望の人達は、先入観に囚われず、
この盆栽の大地に一度は訪れて、本当の盆栽家の在り方を観てみるべきだと思います。


【圧巻の逸材は "神の手"木村正彦先生へ!】

先月来 木村正彦先生と 共同で入手した 北海道からの山採り素材群。
最後に
"これが完成したら、木村作品の頂点・真柏 登龍の舞 を越える名品になる"
と確実視される一位が、到着しました!
うねり上がる幹は、どのように生きてきたらこんな姿になるものか、想像を越えるものです!
木村先生は「無駄な舎利やジンを取り除いて、この樹の本質を呼び出すことがまず大切」と仰います。
この樹の為に北海道一群輸送があったと言っても過言ではありません。
ここからの追跡取材は1~2年かけて『月刊近代盆栽』が、独占で行います。
名匠の技の限りを尽くした傑作の完成が楽しみです!


【真柏・書 で 『風神・雷神』】

日本盆栽大観展の特別企画展示(京都国際文化振興財団)で、
盆栽と書による巨大展示が行われました!
『風神・雷神』と名付けられたこの展示は、盆栽作家 鈴木伸二氏の作品でもある 真柏の持つ 神秘性と 、
絵画や書など、芸術活動で多くの作品を生み出した 表現者 片岡鶴太郎氏の
まっすぐな直視力で創出された 「風神」「雷神」で 構成された 9メートルに及ぶものでした。
演出デザインをこの展示企画のオーナーである京都国際文化振興財団(通称 慶雲庵)から、
全権を任された身として"どんな展示デザインが良いものか?"知恵熱が出る日々でした。
施工を担当した大観展の装飾設営担当業者でもあるフジヤの坂川さんの協力を得て、
琳派の表現を基調にした 豪奢な感じの設えとなりました。

巨大な展示スペースを、たった2点の樹と石で表現する初めての展示仕様は、
観客の皆さんの注目を頂いたようです。
演出によってその表情を変える盆栽。
これからも色々な挑戦を続けたいと思います。


【1億円の五葉松「天帝の松」受賞 ‼︎】

京都の秋を彩る「日本盆栽大観展」

今年の最高賞は 4月末に さいたまアリーナで開催された「世界盆栽大会inさいたま」で
『舩山コレクション』の特別ブースの主飾りに横山大観の名画と共に出品され、
訪れる観客の驚きと溜息を呼んだ 五葉松 銘『天帝の松』でした。
東北 福島の地で、五葉松を愛する舩山氏と無名のこの樹を、
この舞台に運ぶまでの思い出が蘇ります。
私も舩山氏も 盆栽展での "賞レース"的な活動には興味がありませんでした。
それでも 何も運動もせず、ただ審査の方々に委ねた結果に頂いたこの受賞は、
ありがたいものと 感謝しています。

近日の間に福島の住み慣れた舩山邸の庭に戻しますが、
しばらくは もう外に出さず、静かで平穏な日々を樹に過ごして貰おうと思っています。


【木村正彦先生と共同取得!】

北海道 帯広地方から 蝦夷松・一位・真柏 など、
百数十点の盆栽群が羽生に届きました。
1ヶ月前、木村正彦先生からお話を頂き、
一緒に買い付け交渉をする事になったものです。
おひとりの愛好家が、
半世紀近い歳月をかけて育んだ「山採り」素材がすべての一群。
10 t ウィングトラック3台には、明日にでも国風展に出品出来る完成度の高いものから、
時間をかけてでも、将来の盆栽界に伝承させたい素材まで、幅広いコレクションでした。
特に 2mを超える 原生そのままの姿を維持する蝦夷松は、
他に類例を見ることのない感動を得るものでした。
既に盆中で、50年の刻を過ごした老樹は、どんな舞台に飾る事が相応しいか、
夢を唆る作品です。
北の大地で深山から人の世界に降ろされた「自然界の命」、
懸命に守り伝えた旧蔵家の心を、多くの盆栽家に橋渡しをするのが、
私どもの役目のひとつです。

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