雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴44年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 盆栽


【雑木盆栽の素晴らしさ! 蘇る『昇天の龍』】

大観展の関係で久し振りに大宮盆栽村の竹山先生の所へ伺いました。
IMG_7893
IMG_7892
雑木盆栽の名手と謳われた芙蓉園。
ひとつひとつの樹の手入れの行き届いた状態に感銘を受ける程でした。
そして日本盆栽界を代表する名樹 真柏『昇天の龍』 
培養を考えての竹山先生の慧眼で、長く大振りな葉組になっていたものが、
鋏技による“透かし切り”が施されて、往時の姿へ蘇りつつありました。
IMG_7889
若き頃、国風盆栽展で若衆として展示品の警備と水掛け当番となった時、私の持ち場はこの昇天の龍の所でした。
1日この樹の前に立ち続けて、舎利幹や樹姿の隅々を眺め続けたあの頃を思い出し、
50年という人生にも近い時間をひとつの盆栽園で守り続けられる名樹の今を感慨深く拝見してきました。
IMG_7890
IMG_7891
盆栽人としての人生で、どれ程の“本物”と出会い、その樹と共に入られるでしょう?
昇天の龍もいずれは竹山先生から次のこの樹に相応しい盆栽家が受け継ぐ時が来るでしょう。
その時も竹山先生が 内に秘めた“受け継ぐ心”を大切にして頂きたいと願っています。
IMG_7894


【愛樹 真柏二点 会場に!】

春の叙勲で旭日双光章を受章された 舩山会長。
長いお出入りをさせて頂くお客様の、ご正業での活躍による栄誉は、私事の様に嬉しいものです。
IMG_7787
IMG_7790
300人を超えるお祝いにいらした各界の皆様の前に、会長と共に十数年をかけて
未完の樹から仕上げた真柏二本が、会場飾られて、今日の祝賀を共に祝っていました。
IMG_7789
IMG_7788
初夏に東京白金「八芳園」で盆栽界としての祝いをさせて頂いた時、
駆けつけてくださった福田次郎元盆栽協会理事長が、秋の叙勲を受章された報せが先日届き、
こうして盆栽の世界に携わり国や文化の為に尽力される方々を傍に拝見する事で、
あらためてこの世界の為、お客様の為に精進しようと思いました。
また、アトラクションとしてマリンバの演奏がありましたが、奏者は舩山会長の愛孫 花菜さん。
IMG_7791
IMG_7792
東京芸大在学中で 既に海外公演などの活動をされて、文部大臣賞も受賞されています。
十代より 正業に励まれ、ご苦労の末に県を代表する業界法人となり、ご子息に社長を譲られ、お孫様は芸大生としてご活躍。
日本人事業家の鑑と言える舩山会長、これからも私は会長の盆栽を守りながら、会長の足跡について行こうと思います。

【小林國雄理事長の審美!】
来春の東京都美術館「日本の水石展」床の間飾りの追加撮影の為に、春花園 小林國雄理事長の所へ伺いました。
目に飛び込んで来たのは、名亭「啓雅亭」の座敷床の間に飾られていた真柏。
IMG_7716
IMG_7717
流麗な舎利幹・天ジン・無駄は枝を省いた空間有美・豪華な樹相の真柏が多い現代、久し振りに心にグッとくる“本物”を拝見しました。
雨竹亭への割愛をお願いしましたが、「こんな樹が好きでしばらくここで眺めていたいんだ」と上手に断られてしまいました。
“面から線へ”。
小林理事長が以前より盆栽に対して提唱してきた美意識、
こんな樹を見るとプロとして“何を良しとして伝えるべきなのか”を改めて考えさせられます。
IMG_7720
IMG_7719
IMG_7718
他の部屋の室礼飾りも素晴らしく、遮二無二駆け続ける『木下藤吉郎』だと思っていた理事長は、
いつのまにか利休と精神的茶道美を追求する『太閤』へと盆栽作家としての昇華を重ねていました。
及ばぬまでも私も私なりに頑張ろう!
IMG_7715

【羽生に到着!】

九州八女山麓の古い歴史を持つ松の産地、

この地で明治の初めには人の手で手入れが始まった五葉松達が、ようやく羽生に到着しました。

IMG_7682

1年前に交渉して入手して、“根巻き”による樹の樹勢安定を図り、安全を確認しての輸送でした。

友人の庭師を頼んで、大型トラックから下ろし、鉢入れをスタッフみんなで1日がかりで行いました。

IMG_7681

IMG_7680

見上げるような大きな松、“こんな大きなものが盆栽になるのか?”という方々もいます。

勿論 日本元来の座敷飾りの盆栽とは一線を画すものですが、間も無く還暦となる私は、

自分の寿命を遥かに超えるこの松達を眺めていると、普段 世間を生きてゆく為の疲れがどこかに行ってしまうように感じるのです。

IMG_7679

IMG_7678

“すごいなぁ、よく生きているなぁ、元気だなぁ”と。

ここからこの子達も羽生の一員の仲間入りです。

時事刻々と自然の中に生きてゆく姿を有り難く眺めながら、“どう生きるべきか”を 教えてもらおうと思います。


【さいたま市大宮盆栽美術館】

10月26日から約1ヶ月の長期企画展示としてスタートした 木村先生の作品展。
IMG_7582
先生と美術館からの依頼で 館内展示と図録に所載する 拙文を書いた私、初日を避けて2日目に美術館に伺いました。
木村先生との連絡で、美術館にはいらっしゃらない日だったのに、
駐車場に着いたら、先生がわざわざ来て下さっていたので、恐縮の限りでした。
IMG_7581
この盆栽美術館として、館内全体を“ギャラリー”的に照明を落として、
外光を遮断した仕様は、今回の作品展に対して効果的だったと思います。
IMG_7583
IMG_7584
普段先生の庭で拝見している樹々達が、木村正彦と言う作家の作品である事を強く印象つけられる展示、
ご一緒に拝見しながらいつものように冗談を交えての笑顔の談笑。
IMG_7586
先生の自宅に戻ってからのひと時も“この方が世界の木村?”と、あらためてそのお顔を見てしまうほど、変わらない姿。
先生のご理解があって、この作品展終了後に開催される「日本盆栽大観展」の私の大ブースに、
先生の作品から抜粋した数点を、作家の作品として販売も含めて扱わせて頂く事になっています。
「森前さんに私のこの種の作品の評価はお任せするよ」と言われて、プロとして、その扱いに深い責任を想うものがありました。
「作家の作品としての盆栽の評価と流通」これからの盆栽界に 大切な在り方を示す機会と
頑張りたいと思います。
多くの皆さんにも 私が企画構成する 木村先生の作品展示、大観展での観賞を是非お待ちしています!
IMG_7585
IMG_7580

↑このページのトップヘ