雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴44年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 盆栽

【羽生に到着!】

九州八女山麓の古い歴史を持つ松の産地、

この地で明治の初めには人の手で手入れが始まった五葉松達が、ようやく羽生に到着しました。

IMG_7682

1年前に交渉して入手して、“根巻き”による樹の樹勢安定を図り、安全を確認しての輸送でした。

友人の庭師を頼んで、大型トラックから下ろし、鉢入れをスタッフみんなで1日がかりで行いました。

IMG_7681

IMG_7680

見上げるような大きな松、“こんな大きなものが盆栽になるのか?”という方々もいます。

勿論 日本元来の座敷飾りの盆栽とは一線を画すものですが、間も無く還暦となる私は、

自分の寿命を遥かに超えるこの松達を眺めていると、普段 世間を生きてゆく為の疲れがどこかに行ってしまうように感じるのです。

IMG_7679

IMG_7678

“すごいなぁ、よく生きているなぁ、元気だなぁ”と。

ここからこの子達も羽生の一員の仲間入りです。

時事刻々と自然の中に生きてゆく姿を有り難く眺めながら、“どう生きるべきか”を 教えてもらおうと思います。


【さいたま市大宮盆栽美術館】

10月26日から約1ヶ月の長期企画展示としてスタートした 木村先生の作品展。
IMG_7582
先生と美術館からの依頼で 館内展示と図録に所載する 拙文を書いた私、初日を避けて2日目に美術館に伺いました。
木村先生との連絡で、美術館にはいらっしゃらない日だったのに、
駐車場に着いたら、先生がわざわざ来て下さっていたので、恐縮の限りでした。
IMG_7581
この盆栽美術館として、館内全体を“ギャラリー”的に照明を落として、
外光を遮断した仕様は、今回の作品展に対して効果的だったと思います。
IMG_7583
IMG_7584
普段先生の庭で拝見している樹々達が、木村正彦と言う作家の作品である事を強く印象つけられる展示、
ご一緒に拝見しながらいつものように冗談を交えての笑顔の談笑。
IMG_7586
先生の自宅に戻ってからのひと時も“この方が世界の木村?”と、あらためてそのお顔を見てしまうほど、変わらない姿。
先生のご理解があって、この作品展終了後に開催される「日本盆栽大観展」の私の大ブースに、
先生の作品から抜粋した数点を、作家の作品として販売も含めて扱わせて頂く事になっています。
「森前さんに私のこの種の作品の評価はお任せするよ」と言われて、プロとして、その扱いに深い責任を想うものがありました。
「作家の作品としての盆栽の評価と流通」これからの盆栽界に 大切な在り方を示す機会と
頑張りたいと思います。
多くの皆さんにも 私が企画構成する 木村先生の作品展示、大観展での観賞を是非お待ちしています!
IMG_7585
IMG_7580

【 盆栽業界屈指のオークション】

半世紀の歴史を持つ、日本盆栽協同組合主催の 定例オークション「水曜会」は、
毎月組合員登録を持つ盆栽業者のみが参加できる 名門オークション。
IMG_7463
年2回(3月・10月)の大会は、私も参加して 全国から集められた秀作盆栽を買い付けています。
IMG_7461
IMG_7460
IMG_7462
今回は約1000点の出品!
お陰様で私もトラック1台分の買付で、取引高1位となりました。
但し、今回の様子を見ていても多少の不安が残ります。
出品作品のレベルが徐々に下がっているように感じられます。
市場に流通する盆栽そのものの数と内容が減少しているのです。
対中国関連の勢いは相変わらずのものがありますが、国内全体の市況はけして上向いているようではありません。
拙い私が言えることではありませんが、業者全体が、
“明日売れるものばかりに傾注して抱えて作る”
と言う盆栽業本来の姿を何処かにおき忘れているように思います。
新たな愛好家の方々への積極的なアプローチや、盆栽展などでどの様なプレゼンが必要なのか?
真剣に考える刻が待った無しで近づいていると思います。
買い付けた盆栽も、少しでも手直ししてより良いものにしてからお客様にご紹介する、
そんな当たり前のことをコツコツと続けたいと思います。


【伝承の為 羽生に到着!】

昨年 世界盆栽大会で、その存在が公開された 絶滅したとされていた
九州八女地方の「祖母五葉松」伝承者である田中家はもとより、
現地では「矮鶏五葉松」で親しまれていたものです。
IMG_7407
IMG_7408
昨春の訪問で この伝承種と田中家とのご縁を頂いた私ですが、
夏の終わりに 久しぶりに当地に訪れ、ご当主と歓談のひとときを得ました。
「苦しい戦後、先代達の想いを守る事だけを考えて、人が馬鹿にしようとも守ってきた事で、森前さんと出会えた。
私も歳をとって樹達の管理も大変になってきた。
世の中に矮鶏五葉松の大切さを伝えてくれた森前さんに、残されたものを託したい」
こんなお話から 羽生に去年の兄弟達が到着しました。
IMG_7362
IMG_7361
IMG_7363
“受け継ぐ心に応えたい” 早速 痛んだ枝を処理して、鉢が割れているものを仮植えして、
さあ、ここからこの山里に眠り続けた老樹達を、檜舞台に登らせる準備に入ります!
IMG_7360



10日5日~8日まで、栃木県宇都宮市 県文化センターで、県内外の名品を集めた「逸品盆栽展」が開催されました!

北関東盆栽組合理事長に我が兄弟子が就任し、依頼もあり雨竹亭を含めて私どものお得意様の名木三点も展示させて頂きました。
初めて訪れる会場でしたが、とても立派な展示室で、

広い空気感の中にまるで美術彫刻を飾るように樹形も様々な樹種豊富な盆栽が飾られていました。

IMG_7351

岩崎太蔵先生が旧蔵されていた五葉松、木村正彦先生に展示前の修正施術をお願いして飾られた玄虹会の寺内先生。

IMG_7353

小泉薫先生旧蔵の名木、赤松文人「観月」を同じく玄虹会 本出先生。

IMG_7354

そして正面を彩ったのは、松柏名樹の大家 舩山会長が珍しく花梨の叢立ちの大樹。

IMG_7352

舩山会長・寺内先生 と共にゆっくりと展覧を観賞しました。
会場に立つと、樹々のそれぞれの「声」が 聞こえて来るような、とても嬉しい気持ちになりました。

IMG_7355

IMG_7356

↑このページのトップヘ