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盆栽歴44年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 盆栽

【圧巻の名木達!】

第93回国風盆栽展。
15歳でこの世界に入って、次の年 49回国風展を始めてみてから、長い時が経ちました。
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会場で水かけ当番をやったあの頃、商売が忙しくてグリーンクラブから美術館へ動けず、結局国風展自身を見られなかった頃。
友人の多くが協会・組合の役員となった今、前期後期共に観覧させて頂きました。
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愛好家の皆さんが、大切に培養手入れした作品、出入り方のプロと入選を心待ちにした気持ち。
名樹の裏側にある人間模様が感じられてしまうのも、プロとして長くやって来た者の性かな?と自分で笑ってしまいます。
それでも、日本盆栽界 最高峰の展覧!
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飾られた木々達は、唯々 有難いばかりの気持ち湧く、日本の宝達でした!
木村正彦先生のご協力で、私のお客様達も9名飾られました。
“もっとこうすればよかった、もっと時間をかけるべきだった”など、
プロならではのお客様より任された身の反省ばかりを感じるものもたくさんありましたが、
国風展が、私達プロにとっては、“次への目標”にもなっています。
来年こそはこうしよう!と思うもの多い機会です。
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【吾妻五葉松「山の神」大改作!】

昨年の国風展売店で、鈴木伸二さんから入手した吾妻五葉松。
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昭和30年代、吾妻スカイライン建設に際して、道路予定地に自生する五葉松の採取が特別に許可されました。
この樹もその時に 下界に降ろされたものです。
根元部分に山採りならではの厳しい舎利芸を持ちながらも、全体として表面的に上手にまとめられている姿。
“ この樹は ちゃんと作るべき!” と思って、まず1年間 培養状態を高める事に専念しました。
厳寒の今、ここが手入れ時!  
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満を持して 大掛かりな枝抜きと基本的な樹形作りに挑みました。
吾妻五葉松の特性と言える “枝が直線的に走る” 嫌味を取り払って、
親幹も差枝も 左へ綺麗に流れる「枝元の作り」を 鉄棒とジャッキを使って進めました。
返しの枝も「鶴鍋」にならないように、元から折れるギリギリの畳み込みをしました。
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友人の寺川さん・スタッフの小川君・の協力を得て、なんとか、1回目の「今」出来る姿を浮かび出させたかと思います。
ここから2~3年の肥培管理で葉組みを増やし、重量感ある「山の神」が 目覚めます!
次の時代に伝承する樹の技。
この樹が盆栽界の晴れ舞台で 王者の佇まいを見せる頃には、私も老成した隠居になっているでしょう。
それでも、こんな仕事がなによりも好きです。
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 【14mの巨大ブース!】

2月9日からの第93回 国風盆栽展。
業界最大最高質の売店・上野グリーンクラブでの「立春盆栽大市」は、私が小僧に入った45年前も 憧れと緊張の場所です。
今年も エスキューブは、この2階の半分を使った 最大ブースを設けます。
商売も勿論ですが、国風展と言う トップクラスの愛好家の方々が集う祭典・店の立ち位置をお見せする“ハレ”の舞台でもあります。
毎年“今年はどんな形を作ろうか?”と 準備段階は試行錯誤の繰り返しです。
特にこの数年は、海外勢の購買が、全体の半数近くになり、
市場全体に流通している盆栽の材料も、徐々に減少しているように思います。
本格派の名木・味わいを大切にした雅盆・名鉢・名石・等々、商材を用意するのに、
業界の仲間と 情報の探り合いの様な日々があります。
大体の盆栽の目安が立った中、その全体を第2培養場の収蔵庫を使って並べてみました。
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“今年はこんな感じだな”って、自分に言い聞かせているようです。
まだこれから、器物関係の割り出しがあります。
6~7日に搬入して、初日前日の8日には、愛好家の皆様にも“事前開放”となります。
今年のエスキューブを ご覧頂く 大型売店、楽しみにいらして下さい。
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【大型五葉松の植替え!】

厳寒の羽生第3培養場。
ここは未完の素材を手に入れて、少しずつ改作や手入れをする作品を生み出す「名樹のゆりかご」です。
今年の改作のはじめに、昨年 九州から運んだ五葉松の大樹、
プラスチックの大きな土管の様な鉢植だったものを、本鉢に入れ替える作業をしました。
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あまりに大きく、手で動かすことが大変なので、昨年買ったフォークリフトで吊り上げての根ほどきとなりました。
(フォークリフトを持つなんて、盆栽屋じゃないと思っていたのですが!)
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ここから切込み・枝作り・を繰り返して、樹齢150年のもう手に入らないクラスの五葉松大樹が盆栽界に登場します。
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こんな盆栽と格闘するような作業をみんなでしている時が、何よりも楽しいものです。
早春から陽春まで、国風展やお客様の手入れ・植替え・を挟んで、盆栽と「命の対話」をする時間が多くなります。
頑張ります!


【同門 加藤君 苦節8年ようやく開園】

私と同門、羽生にも数年勤めて、中国との盆栽交流の創成期だった8年前、
今のように両国の盆栽界の交流が薄かったあの頃、私が開設した西安楊凌の展示培養場をたったひとりの日本人として、
1年間1度も帰国せず、想像を超える苦労をしながら守り抜いてくれた加藤君。
帰国後 故郷 宮城県多賀城市に戻ってまもなく、東日本大震災。
市内を見下ろす彼の家は無事だったものの、町は浸水。
盆栽を広める環境など不可能に近い日々の中、東北各地を手入れで回りながら、
7年の時をかけて新築の住まいと盆栽園の基礎となる庭が完成近くになりました。
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仙台と日本三景「松島」の間、多賀城市は天平の時代からの歴史を持つ古街。
彼の家系は父君まででも23代となる旧家。
朴訥な彼はお客様と手入れに勤しんでいるのが好きらしいが、ここから東北を守るプロの盆栽家として、
私の友人でもある大町氏や藤川氏の指導を貰いながら頑張ってほしいものです。
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今年はこれから日本盆栽協同組合加盟・盆栽庭園の整備など、
やるべき事山ほどですが、夢を見失わず 寝食を忘れる想いで歩いてほしいです。
松島観光・仙台方面にお越しの皆さん、是非一度のぞいてみてあげて下さい。
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