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盆栽歴47年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 盆栽

【小林國雄理事長の世界❗️】

一般社団法人・日本水石協会の社員総会が江戸川区「春花園・啓雅亭」で行われました。
理事長である盆栽家、小林國雄師の自邸です。

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久しぶりに訪れた春花園は、相変わらずの名木巨木に圧倒されるような棚でした。
コロナによる感染者数も全国的に以前より少し落ち着いて、来園される方々もたくさんいらっしゃいました。
二度と出来ないと言われている本格日本建築『啓雅亭』の室内も、各床飾りが見事にされていました。

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理事長自身の著作、“天地人“の最後の巻、“人“は、水石を主人公とするもの。
水石協会理事でもある、ウィル氏による英文翻訳の校正も、
総会終了後にオープンテラスで、役員達で寛ぎながら見守りました。

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74歳になられる中、ここからの盆栽人生を飽くなき探究心で見つめ続ける小林國雄理事長。
集大成の刊行は10月中旬との事です。


展示会の出品樹のご相談で、木村正彦先生のご自宅を訪れました。
月に2~3回、お伺いしていますが、80歳を過ぎてなお、庭内はいつも新たな作品や手入れの樹々でいっぱいです。

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お弟子さんも常時3人、伺った日は、黒松の芽切り作業に追われる日でした。
以前より大切になさっている作品達、初めて拝見する盆栽達、
そして先生の代表作として名高い名樹、真柏「登龍の舞」重厚な作品群の中で、先生はいつも変わらぬ姿勢で盆栽と向き合っていらっしゃいました。

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“これ以外、することないから“・・名匠はいつも同じ答えです。
どれ程の盆栽が、この庭から旅立ったでしょうか。
まさに醜いアヒルの子が、美しい白鳥となって、多くの盆栽人達を魅了しているでしょう。

天才と謳われる整姿術はもちろんの事こと、日々続けられる日常的な季節を的確に捉えた管理作業。
先生の日常は、盆栽の1年に合わせた刻となっています。

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功なり名を遂げてなお、日々を変わらずに暮らされる先生。
人は八十路を越えて、そのように皆できるでしょうか?

老成と言う言葉があります。
歳を重ねて完成されてゆく人格と技量、まさに先生は盆栽人のあるべき姿を物語っています。
しかし、その中でも、“更なるものを“と言う探究心と冒険心。
言い方を換えれば、“童心“のような純粋な盆栽への向き合い方が、木村正彦と言う二度と現れない盆栽家を創り上げているように思います。

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届かぬ目標ではありますが、こうして親しくさせて頂く事で、形を変えて私のような出来の悪い盆栽家でも、夢に向かって歩む原動力にさせて頂いています。
“飽くなき挑戦“の背中を追い求めて。


日本盆栽業界の市場中心的オークション『水曜会』
私が修行時代の43年前には既に業界の“相場“つまり、市場価格の動勢を左右する位置にありました。

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時代も大きく変わり、今の役員の方々の殆ども、いつの間にか、私よりも年下の皆さんになりました。
大会と呼ばれる年に数回の水曜会は、参加者も多く、ものによっては、愛好家の素晴らしい作品が高値を呼びます。

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今回のような通常会も、上下動の激しい流通市場を反映した参考になるものです。
午前中のみの参加でしたが、“欲しいな“と思う黒松なども手に入り、400万程の仕入れとなりました。
ここから持ち帰った樹々を少しずつ手入れと手直しをしたいです。
(中々、時間がなくて、手入れが出来ないのが悩みです💧)

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でも、我が業界の仲間たちは正直です(笑)
売れ筋の種類には声が重なり、作り込むのに数年かかりそうな樹は、しーんとしています(大笑)💦


コロナ禍で、「日本水石名品展」の主会場としてご協力頂く、明治神宮。

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3年の開催が中止される中、日本水石協会では、名誉会長である同神宮のご配慮で、
内陣回廊での「奉納盆栽展」は、この期間も休まず続けて、
今年も神宮の菖蒲の花咲く季節、名樹の数々と協会選抜の名石群を陳列して、
参拝される内外の方々に、日本文化の象徴としての盆栽・水石をご覧頂いています。

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神宮所蔵の五葉松を中心に、京都国際文化振興財団『慶雲庵』より杜松名樹「東濃の杜」、
九霞園旧蔵・伊予滝石「蒼龍」など、少しずつ人が増える都心の聖地を訪れる方々が、感嘆の声をあげておられます。
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6月7日まで展示される本展。
邪気を祓う帝都の杜で、清浄な空気の中に佇む古樹達に会いに来てください。
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【新しい時代の展覧会❗️】

東京立川市にある“昭和記念公園“、国立の盆栽園がある事で知られていますが、
今回2年ぶりの開催となった『春風盆栽展』に友人の鈴木伸二さんからのお誘いで訪れました。

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現代的な解放感ある建築の中に広がる各種展示、著名名樹から子供達への盆栽のアピール、
そして鈴木伸二さんが企画した「九頭龍の舞」と銘打った、真柏9点が競演した象徴的な展示。

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一般の方々に盆栽の素晴らしさを伝えようとする主催者の熱意が、見事に表現されたとても印象深い展覧でした。
盆栽展と言えば、どちらかと言えば、マニアックな上級者向けの、名品の競い合いが通例ですが、
この展覧は、初めて家族連れで盆栽と触れ合う人達に焦点を当てた“これからの盆栽界が見つめるべき方向性“をピタリと当てたものだと思います。

伸二さんと話しましたが、若い人達、幼い子供達の手をひいたお母さん達、“すごいね!“ や
 “面白いね!“  など、素直な視点での“盆栽との出会い“は、将来に対しての一筋の光にも似た喜びを感じます。
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“森前さんも来年是非参画して下さい“と伸二さんに言われ、また、忙しい日常にムラムラと“楽しい事したい“  という病気が起きそうな1日でした(笑)

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