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盆栽歴43年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 盆栽

【五葉松終了から黒松へ!】

毎年行われる200~300点の春の植替えは、モミジやカエデなど雑木盆栽を2~3月に終えると、五葉松に移ります。
ゴールデンウィークまでこれを続けて、ひと段落の間もなく、真柏・杜松・黒松・赤松となります。
普通盆栽園では 自園の盆栽50から多くても100点、お客様への“出仕事”で50点くらいなのですが、
私どもは 年間で500~800点の盆栽が動き、昨年手入れをして植替えをした樹は、50点程しか残りません。
新しく“羽生の家族”となった樹は、どうしても手入れや植替えが必要なものが多く、
他の仕事をこなしながらも、みんなで夜半まで頑張る日が続きます。
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先日最後となる五葉松の植替えを終了して、いよいよ黒松類に入りました!
杜松の文人樹の作出をして、立ち姿を安定させる為に、“根締め”をしました。
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しっかりとさせる為に「四方竹留め」というプロ仕様の施術で行いました。
四国で以前から予約していた黒松の「秘蔵の逸材」を運び、植替えに入ります。
この樹達もいずれは名木として盆栽界に残る樹にしたいと思います。
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昨年より日本に勉強に来ている中国西安の若者達も、いつのまにか 植替えの助手を出来るようになりました!
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この子達も「名木」にして生まれ故郷で立派な盆栽家になってくれることを願うばかりです!

【『春花園 盆栽美術館』】

今年の明治神宮「第58回 日本水石名品展」の 審査選考と図録撮影の為、
久しぶりに理事長宅でもある「春花園盆栽美術館」に赴きました。
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皐月盆栽の花が咲き始めた邸内は、所狭しと名木群がズラリ! 
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しかもよく見れば 殆どの樹が以前見た時からの手入れによって、少しずつ樹相を変えていました。
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「古希を迎えて 今は樹を作ることが何よりも楽しい時間なんだよ」と 盆栽作家である理事長の偽らざる気持ちのようです。
潤いのある庭と空気、2代目の若き美術館 館長となった神君達スタッフも
盆栽のように少しずつ、成長していることが、心地よい時間でした。
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【現存する樹齢250年の祖樹!】

昨春 『世界盆栽大会inさいたま』で公開して3点1億円の展示でマスコミを賑わした、
絶滅したと言われていた五葉松「祖母五葉(地元では矮鶏五葉松)」。
鋏造りで百年を超える枝持込は、“ 環境の変化に耐えられるか?”との声もありましたが、
羽生に残した祖樹クラス2点は、1年半を過ぎる中、とても元気にしています。
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芽吹の季節を迎えても、僅か5㎜程しか芽も伸びず、“やはり四国産の宮島五葉松とはまったく違う品種”である事がよく分かります。
九州で苦難の愛育によってこの祖樹群を守り続けた田中家にも顔向けが出来ます!
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【『緑風展』舩山会長の正面展示席】

日本盆栽協同組合主催の『新緑風展』ポスター用 展示品を同組合 大嶋理事長・石井理事 に依頼されて、
福島県著名愛好家としてご懇意にさせて頂いている舩山会長にお願いしました。
同展正面飾りに相応しい一席を用意するにあたり、
会長の溢れる盆栽・美術コレクションの中から取合せをして、写真の席飾りを設えてみました。
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貴重盆栽のこの吾妻五葉松は、長く福島地方で愛培されたものを、
舩山会長が10年ほど前に受け継ぎ、私と二人三脚で現在の姿に仕上げたものです。
独特な樹相は、他に見ない景色を示しています。
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取合せの水石は、本邦初公開のもので、静岳石としてはその姿・大きさ・共に稀有なるもので、波頭を思い浮かべる様から『沖波浦』の銘としました。
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掛け軸には、舩山会長が盆栽と同じように愛好される日本画の名品コレクションから、近代日本画の大家、横山大観の名画を使用しました。

『残雪見ゆる霊峰の麓に広がる満開の桜・松の翠と共に日本の春を象徴している。
眼下に生きる老松の豊かな翠と生き抜く姿・遥か海原には 波頭見事な大自然』

展覧会の正面を飾る 王道の飾りは、いつ見ても胸のすく思いです。

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今回の木村先生を中心とする中国実演公演の旅の最後に、私も含めて同行の藤川さん森山君と共に、
安徽省まで5時間の高速道で、「神仙棲む絶景」と謳われる『黄山』へ行き、
木村先生のキツイ登坂を心配しながら“黄山松”の原生地へ辿り着きました。
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私も初めての黄山でしたが、ロープーウエイの上に広がる天空の山水世界に息を飲みました!
そして この日に78歳の誕生日を迎えた木村先生の体力と目の前に広がる絶景、
そこに生きる黄山松を見る少年のような眼差しに、“ああ、この人は本当に樹を愛して行きて来たんだ”と尊敬にも似た感動を覚えました。
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「藤川君、森山君、あそこの樹をよく見てごらん!どうやってあんな場所で何百年も行きているんだろう?
枝の“仕上がり”を見てごらん、下枝の処理などいらないほど、無駄な枝姿が無いよ!
ああいう樹を作らなきゃダメだよ。よーく見ておくんだよ」
愛弟子達にかける言葉のすべては、次の日本の盆栽界を託す子達へのメッセージにも似たものでした。
江蘇省盆景大会・実演公演・張主席邸・楊貴生大コレクション・昆山 孫邸・王永康邸・そしてこの黄山。
一週間に渡る旅で得たものは、それぞれに違うでしょうが、盆栽界に生きる者として、記憶に残る者となりました。
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