雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴43年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 園内

【春うらら!爛漫の春姿の庭・盆栽!】

いよいよ日本での28年ぶりの「世界盆栽大会」がさいたま市で始まります。
エスキューブ雨竹亭も記念開催の「日本の盆栽水石至宝展」(28~30日・さいたまアリーナ)で、
20mに及ぶ特別企画ブース(4席の内、3席担当!)や 
お得意様の盆栽水石床の間飾り(A席×19席!)など、昼夜を問わずの大準備で臨んでいます!
海外からの羽生雨竹亭本店への来訪見学も多く、
アメリカ・イタリア・ドイツ・韓国・台湾・中国など、連日その応対が大変です。

新緑の雑木盆栽・藤の美しさが際立つ花物盆栽・そして変わらぬ緑を湛える松や真柏の松柏盆栽。
庭も席飾りも "ようこそ!日本の盆栽へ!"です。

世界、特にアジアがキナ臭いニュースばかりのこの頃、
日本人がどんなに自然を愛して日々たゆまぬ愛情を注いで生きているかを是非見て頂ければと願っています。


【"明けぬ春"の中に・・樹々に潜む「春」の姿】

国風展の大騒ぎの名残りも過ぎ、弥生3月桃の節句となれば、
盆栽園の床飾りも「春」の飾りが主人公になります。
新春に手に入れた貴重盆栽の姫沙羅の名樹を初めて飾りました。
新芽の美しさはもう少し後ですが、黄金色に輝く幹肌は
幹中に瑞々しい潤いを蓄えた春の姫沙羅ならではのもの!
"相飾り"の山椿の惜しむ花姿が、惜春から陽春へと移りゆく季節を物語っています。
雨竹亭の応接は、多くの訪れる皆様に愛育している樹々をご覧いただく為に、
その時々の盆栽の美を展示しています。
本飾りの脇には中品の真柏と金豆の2点。
両方とも来年の国風展に出品出来る樹筋です。
日本の自然・季節・鉢映り、掛け軸や各種添景道具の取合せの深さをお楽しみ頂くのも雨竹亭の良さだと思っています。
季節の盆栽美をお楽しみにいらして下さい。


【長老達が守り抜いた珠玉の道具類 】

8月28日、上野グリーンクラブで開催された「日本水石協会 夏季大オークション」が、
1億越えとなった事は既にお伝えしました。
この時 私共羽生雨竹亭で落札した各種道具類は100点以上! 
2000万円近い購入となりました。
愛好家所蔵の古石はもちろんの事、普段目にする事のなくなった水盤・卓など、
"ここから次の世代に任せるよ" 
と言われているような名品の数々を斯界発展のために放出して下さった古老の皆様の"声なき声"を思えば、
大切に愛好家の皆様にお世話させて頂こうと思っています。
若き頃、100~200万円で扱ったものが数十万円で手に入る事が良きも悪きも悩ましいところですが、
それぞれが水石界においてどれ程大切な"実用の美"であるかを正統にお伝えしたいと思います。
ひとつひとつに込められた歴代の所蔵者の"想い"を心に刻んで取り扱いたいものです。 


【"真柏という世界観を大切に"三位一体の構成】


私共雨竹亭の月例オークション「天地会」で2ヶ月ほど前にこの真柏を手に入れました。
当時は今の正面の真逆でした!
表裏逆転を手伝って下さったのは、名匠木村正彦先生!
行山の味の良い木瓜型に合わせて、
立上がりから天へ抜ける真柏ならではの"龍"を想わせる舎利芸が活かせたと思います。

真柏は日本の野山や自然に目にふれる所には自生していません。
"何処かで見た自然の一部"と言う他の盆栽飾りの在り方とは違い、
「塵芥届かぬ神仙が飛び交うが如き世界」を飾りの中で表現出来ればと思っています。
今回は"電力の鬼"と謳われた昭和の大茶人でもあった
松永耳庵翁の書「玄妙」を取り合わせました。
金色の台紙に墨色見事に筆されたこの書は"宇宙の根源を見つめる"
という言葉の奥深さがあります。
まさに真柏盆栽にぴったりだと思いました。
添景の水石は四国伊予地方に産する抹香石。
峻険な剣山の姿が真柏が生きる世界と合致しています。
時折、真柏に季節の草物盆栽を添えている席を見ますが、
真柏の持つ"生きるという問いかけ"に厳しさを潜ませながら響き合う取り合わせに努めたいものです。


応接室はこの季節、青葉の「緑陰」を想わせる盆栽がメインになりがちです。
春先に古渡の鉢に植え替えておいた五葉松が少し落ち着いてきたので、
石と書の組み合わせで飾ってみました。

サバ幹の屈曲懸垂するこの五葉松は中型サイズの名品として未公開の一作です。
添えた石はまるでこの五葉松を仰ぐ様な姿の「老師」や「観音」に見立てました。 
額装の書は明治初の"御前会議の列席者のひとり「中山信天翁」"による"自在天"
(自ずから天に在り・始めから天命によってすべては動いている・など解釈は様々)。
やっぱり松柏盆栽の古木の存在感は格別ですね!

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