雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴49年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 雨竹庵


先日、私がナビゲーターを務めるYouTubeチャンネル「WABI CHANNEL」の撮影で、久しぶりに銀座雨竹庵に半日居ました。
25年前、徒手空拳で遮二無二開いた店、怖いもの無しで、経営学ゼロの私が“銀座森前“として店先に立って長い時が経ちました。


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17年前、盆栽と水石しか分からずに走った私の不徳で、多くの方々にご迷惑をお掛けして、
無くなってもおかしくない嵐を、こんな私を“もう一度ガンバレ!“と応援してくださる方々のお陰で、今の雨竹庵として仲間が守ってきてくれました。

店に行くと、当時の佳き思い出、懺悔の思い出、様々な出来事が、走馬灯のように蘇り、
数年前までは、長くても30分くらいしか居る気持ちになれなかった店。


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店先を飾る品々は、海外の方々への手軽なものに変わっていますが、
雨の日も風の日も、必死にこの店を守り続けてきた、現エスキューブ社長の堀越氏のコツコツとした日々が、滲み出ている店となりました。

内装は1階も2階も当時と変わっていません。

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いつの間にか、“新参者“だったこの店も、銀座名店の団体「銀座百点会」でも、
中堅の古さの店となりました(老舗も多く、吹けば飛ぶような私達が比較できる会ではありません💦)

来店の7割を占める海外のお客様達の声の多くが、店先の30~100万の盆栽を見て感動して“持ち帰りたい!“と、毎日仰います。
植物検疫法や手続きの難しさ、現地での管理の不適合など、堀越氏が時間をかけて説明して、残念そうに店を出る日々です💧

もし、盆栽が自由に外国に持って行けるなら、店の売上は年間数億となるでしょう⁉️
それでも、ひとつ1,000円の鉢、道具・書籍、日本でボンサイショップに行った“思い出“だけでも持って帰って頂いています。
明治以来、銀座のレンガ並木と言われた頃から、たった一軒の盆栽専門店。

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街行く人達が、“盆栽!“とびっくりして見て下さる光景。
“盆栽をご存知ですか?“  この言葉をどれほどかけたでしょうか。
あれからの長い時、盆栽は世界の方々が知る日本の文化として認知されました。
若い人達も、“オシャレだね!“  “カッコいいね“ と見て下さいます。
「銀座森前」から「銀座雨竹庵」名は変わっても、心に思うこの店の芯は変わりません。
いつまでも、この銀座で、盆栽と言う小さな小さな灯を守り続けることです。


銀座雨竹庵についてはこちら

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人の流れが戻ってきた銀座。
久しぶりに「銀座雨竹庵」で人と待合せしました。

海外の皆さんが、お土産に持って帰れる水石・道具・添景などを毎日お求めに数多く来店下さる日常にもどって来ました。
前身の“銀座森前“から数えて、もう24年になります。

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この街も私が徒手空拳で店を開いた頃からは、大分変わりました。
何処か“昔の銀座の面影“が消えてゆく気もして寂しい気持ちですが、それだけ日本と海外が近くなったのでしょう。
“和の文化を伝える銀座の商店“が減る中、四半世紀の歴史の“新参者“の私達。
それでも訪れる海の彼方からのお客さま達に、盆栽の素晴らしさを僅かでも記憶として持ち帰ってくれる事を願っています。

多くの海外の方が、“この盆栽を持ち帰りたいが“とお声を頂きます。

植物の検疫と言う大きな壁で、持ち帰れない事を伝えるしかない現状に、忸怩たる想いもあります。
小さな鉢に入っている盆栽が、果たして各国の自然を破壊するような病虫害の危険があるのでしょうか?
健康を維持する為に、日夜消毒をしているのに💧

“文化発信をこれからの日本の産業に“と、お上は謳い上げますが、
5,000~15,000円の盆栽に、数日又は数ヶ月かかる検疫面の諸条件は、理屈では通りますが、観光で訪れて下さる人達には無理です。

ハサミや持ち帰れる盆栽に関連する品々を、せめてもとお求めになる方々をお相手すればするほど、対応が出来ない歯痒さです💦

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それでも、七丁目の小さな店は、間もなく25年目を迎えます。
道ゆく人達の様子が変わっても、街並みが変わっても、銀座に一軒の盆栽専門店は、
今日も夕暮れの街灯りのショーウィンドウに盆栽を飾り、皆さんに“生の盆栽“をご覧頂いています。


非常事態宣言が解除されたばかりの東京。
勿論キチンと“三密“を避けての日常生活が必須ですが、そんな毎日にも「春」はチャンと来ます。
オフィスも店舗も休業が続いた去年の春。
そんな中でも私達「銀座雨竹庵」の盆栽が、
店先・エントランス・窓口・などに飾られる事を喜んで下さるクライアントの皆様!
本当にありがたいものです。
さあ!日本の花木の象徴「桜」の晴れ舞台の季節に入って来ました!


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各所のレンタル盆栽のお得意様達に、一番喜んで頂く花物盆栽です!
一年365日の内、室内に飾ると、その花姿はわずかに1週間。
その為に羽生雨竹亭のスタッフは、残りの350日以上を、“花のない桜“達と過ごして過ごしています。ホントにご苦労様!


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でも、いろんな場面に飾られる桜の盆栽達は、何処でも人気者です。
その花姿を見て、人が一瞬でも優しい心に包まれてくれるなら、一年の苦労は報われます。


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役目を終えて“我が家“へ樹達が帰ってきたら、消毒・植替え・手入れ・等々、また長い1年が始まります。
考えてみれば、クリスマスのモミの木・お正月の松竹梅・みんな1年を1度の時の為に生きています。
私達も、今日、今、この時、が「一期一会」の一瞬と思って日々を過ごしたいものですね。
ありがとう、桜たち。



コロナ災禍の収束が見えない東京。
私共の銀座店「雨竹庵」も、お客様・スタッフの罹患を防ぐことを考え、4月1日よりの休業が今も続いています。
その中で再開した銀座最大のコンセプトビル「GINZA SIX」で、盆栽の展示のお誘いがあり、
7月1日より、ギャラリー会場で大小数々の盆栽をご覧頂いております。
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外出自粛など、人々の日常の生活がままならない中、“盆栽で何か役に立てる事はないものか?”と、思案していた時のお誘いでした。
『夏を感じ、星を想う』きっと有名なコピーライターの方が考えてくださったのでしょう。
日本人は季節を五感で感じ取り、日々の生活の中で自然に接して生きてきました。
都会は本物の自然に触れる機会が少ない所、何気ない“生きる命”を見過ごしてしまう、まさに“東京砂漠”と言う言葉が昔流行りましたが、
今のウィルス災禍は、人が移ろう季節の素晴らしさを忘れ失うようなものを感じます。
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夏を感じ星を想う・・いいですね! 
そんな情緒って、生きてゆく中でとても大切だと思います。
それが、盆栽で皆さんに提供できたら・・。
名もなき小さな命から、数百年を小さな鉢の中で生き続ける命まで、
無機質な都会の中で、ひとりひとり、感じ方は違っても、盆栽から“何か”を想ってくれれば・・とても嬉しいです!
(9日まで展示・小店の銀座店長、島田君が常駐しています。是非見て下さい)


1998年5月39歳の春、明治以来初の盆栽店を銀座に開いて、経営を替えながら23年目の今、
4月1日よりしばらくの間の臨時休業に入ります。
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徒手空拳で初めて、どんな時も銀座の盆栽屋としての扉を開け続けた店。
コロナウィルスの感染予防の一環として銀座名店会の一員として断腸の決断をしました。
東京の災禍がどれくらいで終息するのかわかりませんが、・・ツライです。
家賃100万を超える店を閉め続けなければならないと言う辛さと、
たとえどんなに小さな商いでも、盆栽に興味を持ってくださる人達の「窓」であり続けようと思った店。
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しばらくの間、お客様の応対は羽生本店「雨竹亭」となりますが、
こんな時こそ、自然に触れ合い、空気の澄んだ盆栽庭園で災禍に疲れた心と身体を癒して頂ければと願っています。
歩いて数歩で通り過ぎてしまう店。
それでも人生の3分の一を費やした店。
盆栽達が寒い冬を乗り切って芽生える季節を迎えるように、
一日も早く元通りの銀座、華やいだ街で、いつものとおり「盆栽はお好きですか?」の声をかけたいです。

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