雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴45年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 雨竹亭

【雨竹亭・大徳寺盆栽庭園・体験研修の実施!】

羽生雨竹亭は今、春の雑木盆栽の植替えに日々明け暮れています。
単に植え替えるのではなく、その樹をどうすればより良い樹格になるかを、想定しながらの、
簡単に言えば、樹の将来を決める大切な作業でもあります。
盆栽歴46年目の春、昔ほどの馬力もなくなりましたが、若き研修スタッフ達に、手入れ技術と“大切な捉え方”を伝えながら、植替え・改作に励んでいます。
今年の秋には、日本有数の禅宗寺院・京都大徳寺内に、500年を超える歴史で初めての盆栽庭園を造営します。
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私のような盆栽と水石の世界以外、社会人としても落第点だらけの男、
幾度もご住職に分不相応なのでご辞退を申し上げたのですが、四半世紀のご交誼を頂く現在は大徳寺派大本山の宗務総長を務められる芳春院ご住職のお言葉、
羽生の事や、水石協会、盆栽流通業界に対して、やらなければならない事も多いのですが、
与えられた残りの人生の大部分をこの盆栽庭園が営々と続く仕組みを残すことが、私の役割と心に決めて取りかかっています。

さて、そんな私を取り巻く今ですが、若い盆栽界の将来を担う方が不足しています。
せっかく名刹に庭園を作っても、受け継ぐ者がいなければ、意味がありません。
いろいろ考えた末に、広く門戸を開いて多くの方々に挑戦してもらえれば良いと考えました。
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これより数ヶ月、「盆栽や水石を道として生きてみたい」という思いで、私に応答を頂いた方を、
一度お会いして、1~3週間の実施研修をして頂いてみようと思っています。
皆さんは盆栽・水石と言うと、何かとてもマニアックで難しい印象でしょうが、私も15歳でタオルと歯ブラシしか持たずに師匠に入門した者です。
大切なのは「自分はどのように生きればいいのか?」
そんな事を自問自答している人の方が、身体全体と心でいつのまにか、“何かを探す”事が出来るものです。
羽生には、研修用の個室もあります。
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8時〜18時、庭の掃除から始まって、園内の盆栽水石に関わるすべての仕事を体験してもらいます。
研修中は6日間を1クールとして朝夕の食事代を含めて5万円を支給します(昼食は社員弁当を無料支給)
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3クールを達成出来た人の中から、大徳寺への私のアシスタントを探したいと思っています。
勿論、羽生雨竹亭のスタッフになる道もあります!
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「テッペン」を望めるチャンスが誰にでもある盆栽界です!
問合せ・面談は随時OKです。 
未来の「私」と出会える事を楽しみにしています。 IMG_5898

お問い合わせはこちらから

羽生雨竹亭 
TELL:048-565-4114
Mail: info@bonsai-s-cube.com

※お問い合わせの際は「研修採用のブログを見て」とお伝えください


【名盆栽 紅冬至梅の飾り】

国風展の慌しさの合間に、羽生の床の間を飾る古木。
戦前より盆栽界に受け継がれてきた名樹「紅冬至梅」 昨年天界に逝った盆栽大家・小泉 薫 翁 が、生前大切にしていたもの。
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小泉先生との二十歳の頃からの半世紀近いお付き合いの中で、私の別のお得意様の所有となり
「私が庭におくレベルではないので、森前さんのそばにおいてあげて下さい」と言う現蔵者のお気持ちで、
今年も羽生の庭で楚々とした花姿を見せてくれています。
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松に代表される盆栽、なぜでしょう?梅はその松にも負けない厳とする雰囲気と早春の兆しを現す象徴になっています。
名樹と合わせた「冬朧の月」の掛軸。
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雪空に霞む月は、明けやらぬ春を待っています。
脇には楓の寄植え。
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まだ寒樹の相を見せる木立の数々は、吹く風に肌を刺す冷気が残っています。
人はいつかは『白玉楼の棲人』となります。
還暦を超えると“あの方も逝ってしまった”とため息をつくことが多くなります。
それでも 盆栽は生き続けます。
不思議にその人の面影を残して。
そして徐々に 次の持主の貌へと姿を変えてゆきます。
私のもとにあって、この古樹はいつかは 私のような姿になるのでしょうか?
次なる姿が、故人たちに恥ずかしくないよう、身を律して修練の毎日を送らなければと、非力浅学を恥じるばかりです。
自分より齢を重ねた老樹を見ると、「お前は何でそんなに頑張って生きているのだろう?」と いつのまにか、心が樹に問いかけています。
きっと死ぬまで 問い続けるのでしょうね。


【岐路に立つ 盆栽業界の在り方・売店の格差鮮明に】

日本の盆栽界最大のイベント「国風盆栽展」が8日開幕しました。
これに併せて 上野グリーンクラブでは、国風展に併催した売店「立春盆栽大市」が同時に始まりました!
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北海道から九州まで、全国の有数盆栽園が、同所に出店しています。
今回は「コロナウィルス災禍」の影響で、アジア特に中国からの本展来日が10%まで減少するという異常事態と言える大市となりました。
この5~7年、業界の販路は 大きく中国盆栽界に頼っています。
極端に言えば業界の年間取り扱い高の50%以上が中国と言っても過言ない程です。
特に全国の優良樹が集まるこの催事は、中国客の動向で悲喜交々の数年間だった事も事実です。
しかし、今回は初日を終えた中でも、中国愛好家・バイヤーは 僅か!
「当てが外れた!」と嘆く盆栽園の多いこと!
私の店も 勿論多くの中国からのオーダーに応える数年でしたが、私は以前より 後輩たちに
「どんな時も日本の愛好家を大切に!はじめは小さなお付き合いでも一生のお付き合いの出会いとしての国風展であるように!」
と、目先の商売に囚われて“大切なもの”を見失うことのないように伝えてきたつもりです。
今回は、その姿勢に対する明暗がはっきりと浮かび上がりました。
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おかげさまで、小店は 幅広いジャンルの皆様にお応えで知るような品揃えと、
盆栽教室・国風展出品等の皆様との交流の会「玄虹会」などの活動をさせて頂いている事で、初日も多くのご用命を頂戴しました。
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100軒を超える出店盆栽園、中々 目が開かない(販売が叶わない)店も目立ちました。
私の下で10年の刻を過ごし独立した子も出店を片隅で出させて頂きましたが、当初より
「目の前にいらっしゃる愛好家の方に 自分の“分”をわきまえた素直で丁寧な応対を」
の申し付けに従ってくれたせいか、初日で350万という商いとなったようです。
その子に言いました。
「見てごらん。これだけの店が軒を連ねているが、並んでいる盆栽や品物を見て “これはあの人の店”とわかる店がどれほどあるか?」
大切なのは、売れるなら何でも扱う、ではなく「私の描く店はこんな店です」と、自分と愛好家を繋ぐ 特色が必要だという事です。
どんな店も 全部を叶えられる店はありません。
それぞれの店の色を好まれる愛好家の皆さんが、自分が望む店を選ぶのです。
ある中堅業者が言いました。
「売れないなあ、中国がもっときてくれればいいのになあ」と。
心で思いました。
“ 自分を振り返って足元をもっと見て”と。
16日まで、ここから 日々の出会いが始まります。
お金も物もお客様も、何もなかった20数年前の銀座店を開いたあの頃を思い出します。
街ゆく人が小さな店に入って下さる喜び。
その時かけた 今も同じの言葉を。
「盆栽はご存知ですか? 盆栽はお好きですか?」そこから始まるのです。

【今年の初手入れで 大型名木へ!】

元旦から6日まで、恒例の「新春盆栽展」を開いて、多くのお得意様と楽しいひと時を過ごさせて頂いた新年。
歳の初めの大仕事を、昨年末に入手した巨大な五葉松で始めました!
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九州にあったこの樹は、あまりの大きさで、今までおそらく30年近く、植え替えもされずに大型水瓶に植えられていました。
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人の手で 鉢から抜ける大きさではないので、フョークリフトを使って吊り上げての作業!
根の状態も良く、少し大きめの鉢に上手く合わせることができました!
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樹筋は良かったのに、鉢合わせが盆栽としてお見せできるものではなかったもの、
ここからは 数少ない無傷の丸幹名木としての道を、ゆっくりでいいから歩いて欲しいです!
羽生雨竹亭の応接庭園の門脇にあります。
皆さん是非ご覧にいらしてくださいね!​​

【木村政彦先生の作品を飾って!】

明けましておめでとうございます㊗️
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ご改元初めての新春、神気纏う初春の盆栽はやっぱりいいですね!
羽生の応接室にも新年の飾りをしました。
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埼玉県の大家が長く愛蔵していた五葉松の根連りを木村先生に暮れのうちにお願いして針金整姿をして頂きました! 
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令和の新年、松を皇居の別名「大内山」になぞらえて、“日出処の國”の象徴としての昇る旭、脇には暁光に輝く大八洲(おおやしま)の山々。
当たり前の設定ですが、「松に日の出、仰ぐ山々」これこそが、日ノ本の徴だと思っています!
オリンピック・水石協会60周年・明治神宮100年祭・そして秋には大徳寺盆栽庭園。
私にとって、穏やかな1年、つまり盆栽と静かに向き合う年はいつになったら来るのやら!!
今年も 宜しくお願い申し上げます🤲
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