雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴49年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 雨竹亭

【五葉松終了から黒松へ!】

毎年行われる200~300点の春の植替えは、モミジやカエデなど雑木盆栽を2~3月に終えると、五葉松に移ります。
ゴールデンウィークまでこれを続けて、ひと段落の間もなく、真柏・杜松・黒松・赤松となります。
普通盆栽園では 自園の盆栽50から多くても100点、お客様への“出仕事”で50点くらいなのですが、
私どもは 年間で500~800点の盆栽が動き、昨年手入れをして植替えをした樹は、50点程しか残りません。
新しく“羽生の家族”となった樹は、どうしても手入れや植替えが必要なものが多く、
他の仕事をこなしながらも、みんなで夜半まで頑張る日が続きます。
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先日最後となる五葉松の植替えを終了して、いよいよ黒松類に入りました!
杜松の文人樹の作出をして、立ち姿を安定させる為に、“根締め”をしました。
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しっかりとさせる為に「四方竹留め」というプロ仕様の施術で行いました。
四国で以前から予約していた黒松の「秘蔵の逸材」を運び、植替えに入ります。
この樹達もいずれは名木として盆栽界に残る樹にしたいと思います。
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昨年より日本に勉強に来ている中国西安の若者達も、いつのまにか 植替えの助手を出来るようになりました!
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この子達も「名木」にして生まれ故郷で立派な盆栽家になってくれることを願うばかりです!

【現存する樹齢250年の祖樹!】

昨春 『世界盆栽大会inさいたま』で公開して3点1億円の展示でマスコミを賑わした、
絶滅したと言われていた五葉松「祖母五葉(地元では矮鶏五葉松)」。
鋏造りで百年を超える枝持込は、“ 環境の変化に耐えられるか?”との声もありましたが、
羽生に残した祖樹クラス2点は、1年半を過ぎる中、とても元気にしています。
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芽吹の季節を迎えても、僅か5㎜程しか芽も伸びず、“やはり四国産の宮島五葉松とはまったく違う品種”である事がよく分かります。
九州で苦難の愛育によってこの祖樹群を守り続けた田中家にも顔向けが出来ます!
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【『春の逸品鑑賞会』ありがとうございました】

久し振りの羽生での皆様を招いての展覧会。
天候にも恵まれてご無沙汰している多くのお客様と有難い時間を過ごす佳きイベントとなりました。
2日には名匠木村正彦先生が愛好家の方々といらして下さってビックリ!
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庭の隅々まで ここに生きる盆栽達を“この樹はこう作れば人が見てくれるようになる”
と思って、売れてしまったものの代わりに植替えや手入れをして飾ってみると、またお客様の目に留まって“お嫁に行く”事になって。
日常からひとつひとつの盆栽達と真摯に向き合うことの大切さを改めて知る機会となりました。
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10年前、無一文に等しい所から歩んだ歳月。
庭にある盆栽や、水石水盤・樹鉢・掛軸等々。
このすべてが、雨竹亭の「今」を物語っています。
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展示場にかけられた掛軸も、大観・春草・栖鳳・探幽 等々、
時をかけて盆栽水石の飾りの為に集めた作品、手に入れた時の苦労や思い出、使わずに旅立つものへの愛惜の念。
訪れて下さるお客様・ここを守るスタッフ達・たくさんの『宝物』にもう一度気付かさせてくれる展覧会でした。
ありがとうございました!

 【春の逸品鑑賞会】

ゼロからのスタートで 開園した雨竹亭も、お陰様で10年。
あっという間でもあり、その間に経験させて頂いた出来事を思えば、本当に走馬灯を見ているような歳月でした。
すべては私ども 出来の悪い拙い身に温かいご芳情をおかけ下さった 愛好家の皆様と、
共に正業に励む同業の方々のご支援に他なりません。
感謝の心を込めて久し振りに 雨竹亭で 季節の盆栽・水石飾りを設えて、皆様にご披露させて頂きました。
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重厚な名樹や名石も素晴らしいものですが、ささやかな草物・水盤に合わせることで広がる景色を映し出す景石。
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麗らかな天気の中、この趣味の有難さを私たち自身も感じる機会となっています。
6日までの展覧、雨竹亭の正門は 訪れて下さる皆様にいつも “ 開門 ” しています。
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 【高見の見物(誰も乗ってくれない!)】

木村先生の との中国訪問から帰って、僅かに残った名残の桜を見て、伸び過ぎた枝や害虫が広がる前に、枝打ちをする事にしました。
背の高くなった桜達はもう脚立では届かず、友人の庭師から重機を借りて行いました。
“誰か乗って!”と言ったら、サーっと皆んな引いてしまって、結局数え60の私が箱に乗る事になりました。
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初めて乗った箱ですが、やっぱり機械を使うと仕事が早い!
残った時間で “そうだ!雨竹亭を高い所から撮っておこう!” と思って、色々iPad で撮りました。
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普段暮らしている所からの景色とはまた違う、いろんなものが見えた気がしました。

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