雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴44年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 雨竹亭

【埋れていた古木の植替え!】

昨年の暮れ、九州の山里に数十年の歳月、誰に見られるわけでもなく、古老の手により守られて生き続けた五葉松群が羽生に来ました。
懸命に培養をされていたのでしょうが、盆栽の専門的技術を持った人たちの手を入れるわけでもなく、
荒れた状態での入手だったので、今年の春も芽伸び・つまり根がしっかりと水を上げ始まるのを待って、大掛かりな植替えに挑みました。
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左右180㎝!高さ120㎝という巨大な松は、1t近い重さの石をくり抜いた“鉢”に入った状態で、
根を抜くだけでも人力では難しく、フォークリフト爪を使っての吊り上げ植込みでした。
山砂で植えられていたこの樹は、それでも100年を越す樹齢、鉢合わせをして見付角度を定めて、雨竹亭の庭に運んで見ました。
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昨日まで、第3培養場の"邪魔物''扱いされていた樹が、まるで鳳凰が羽を広げて羽搏く姿となり、前庭の主のような存在感をしめすようになっていました。
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盆栽は、完成した名木だけではなく、このように名も知れぬ地方愛好家の庭の片隅に 静かに生き続けたものから誕生します!
気合いを入れて、十数本 続けざまに植替えをしましたが、やっぱり大きいものばかりでした。
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それでも、無名の老樹を 問いかけるように荒仕事をしている時は、楽しいものです!


「春の観賞会」に合わせて、亭内の盆栽以外の部分も 飾り直しをしてみました。
我ながら“よくもこんなにあるものだ”と、“買い物好き”の自分を笑ってしまいます。
収蔵庫の名鉢・水石・水盤・卓。
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水石専用の展示室。
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中国広東・宜興・で誂えた鉢類。
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手頃なものから名品まで、千点以上の品々。
最近も 国風賞を受賞された古老愛好家のご親族より、蔵品の一括買取を依頼され、盆栽百点弱、盆器 約200点を引き受けました。
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まとめ買いは、もとより嫌いではありませんが、1年も経つと いつのまにかなくなっているものです。
それだけ業者の方々や愛好家の皆さんに御贔屓頂いている証ですね!
それでも盆栽も水石も鉢も、すべての面で 良品の入手が難しくなってきています。
日本の盆栽水石界が、残してきた遺産を 大切に伝え残したいものです!

【花・木立・風雪・・自然の美!】

春の観賞会にあわせて、雨竹亭の床の間に 季節の飾りをしてみました!
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五月雨の様に降りさがる藤の花。
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この季節は花物盆栽の王者です。
愛らしい溜まり石を配して 空に囀る雲雀の姿。
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「揚雲雀」という歌枕にもなる言葉が、画中に表現されているこの掛軸は、大家 小泉 薫先生の旧蔵品。
脇床には ヤマコウバシの寄せ植え。
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作風展にも出品されたこの種の代表樹です。
庭先の藤の花、水景色が身近になる中、空に鳴く雲雀。
里山の林は淡い萌黄色の新緑の爽やかさ。
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遠くに仰ぐ山々の頂には、季節を超えて生き抜く 真柏の厳なる姿。
ひとつの部屋に その時の季節と大自然を表現することは、楽しいものです!

【羽生本店 雨竹亭『春の観賞会』スタート!】

日頃より 羽生本店「雨竹亭」は、盆栽水石を愛する皆様をお迎えしています。
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ただ、いつもは手入れや日常の作業に追われて 庭内全体を“お客様に楽しんで頂く”迄にはなっていません。
毎年春秋の2回、日本の四季の素晴らしさを盆栽が表してくれる時季、観賞会と銘打って展覧をしています。
どうしても本格派?とされる松柏類が庭内を覆い尽くす雨竹亭。
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この時ばかりは、いつも脇役の様な扱いの雑木・花物・草物・も、雨竹亭で晴れの舞台を踏んでいます。
一木一草、すべての命が花開く季節、盆栽と語らいにいらして下さい。
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【1000本の盆栽達 ‼︎】

海外約200点・国内 約100点・愛好家の方々の名木の手入れ・植替え に3月下旬から4月は
「腰に道具」の毎日でした。
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26日からは 羽生雨竹亭「春の観賞会」も有り、この1週間は園内の植替えに手入れ班みんなで追われています。
年間で約1000~1500点の盆栽が動く雨竹亭。
昨年手入れや植替えを済ませた盆栽の殆どが販売されて、新たにこの庭に来た樹達をまた手入れ・・!
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昨秋 九州八女地方から手に入れた 大型五葉松の「鋏入れ」
つまり 全体の強い芽先を透かし切りして、中側の芽が弱らない様にする手入れ。
頭部の仕上げを「枝吊り」したりで、1日かけて何とか仕上げました。
他にも 国風賞4度受賞の大家、小泉薫先生の旧蔵 もみじ『清玄』。
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2年前 譲り受けた時、衰弱していて、木箱植えしたのが良かったのか、樹勢が回復したので、
樹に力を付ける為に伸ばしていた「捨て枝」を払い、往時の姿に戻す作業に入りました。
“この樹は こうしてあげよう、あの樹は鉢映りを替えよう”等々、棚場を歩けば 際限のない仕事の山。
雑木は既に季節が過ぎ、五葉松があと僅かの期間、そこから真柏・黒松・赤松・杜松 と続き、
サツキから椿類へ、6月まで 盆栽との対話は続きます。
日々伸びてくる新芽の芽摘みを毎朝して、水かけ、そこからその日の手入れ。
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当たり前のように過ぎて行く毎日ですが、これを怠らないことが、盆栽を守ることなのです。
でも、好きな仕事。
有難い毎日です。
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