雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴42年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 雨竹亭

【月に緋梅  "紅一点の美しさ"】

国風展・日本の水石展  などで、慌ただしい如月、
ようやく雨竹亭の床飾を心静かに構える気持ちになりました。
三寒四温が近付く中、まだまだ名残の雪模様と盆梅が身近にあります。
昨年手に入れた緋梅の古幹が良き花姿を楽しませてくれる頃となり、
雪模様の空に浮かぶ月の掛物と「静謐な微春」を設えてみました。
太幹の堂々とした盆樹も良いですが、"梅一輪の美しさ"とされるように
一重の可憐な花姿は、この樹のように枯淡の味わいを大切にした自然な枝姿が嬉しいものです。
鉢も花の美しさを強調させるように、渋めの南蛮鉢に移し替えました。
渡辺公観が描いたこの月も、雪空の仄暗い中に浮かぶ情景がとても良く描かれています。
墨流しのような画、枯れ木のような幹枝に凜と咲く緋色の花姿。
全体を一幅の名画を眺めているように心がけてみました。
新春から早春へ、そして間もなく訪れる爛漫の春。
刻々と移り変わる日本の四季を盆栽の飾りにも大切に表したいものです。


【国風展売店に出現した118点の奇跡の一括展示販売】

2月9日  国風展後期第2部・日本の水石展  この2展の飾り込みが行われた夜、
警備施錠がされた上野グリーンクラブ「立春盆栽大市」で、
1台の搬送トラックが横付けされ、2階一角に大量の名品が搬入陳列されました。
『美術盆器名品大成』の所載品・貴重盆器登録品・悠雅盆器登録品など、"盆栽界の宝"と言える各種鉢類です。
尾張焼献上鉢・献上薩摩焼蘭鉢・東福寺・湧泉・平安香山・水府散人・小野義真・竹本隼太・大日本幹山・一陽・真葛香山等々、
総数118点の名鉢群は、地下で静かに交渉され、満を持して一挙に公開されました。

「一括商談中につき、お手を触れぬようお願い申し上げます」
と吊り札が保安布紐と共に貼り出され、翌日10日朝プロ業者をはじめ、
来訪される趣味家の度肝をぬく陳列となりました。

これは、国内有数の大コレクターが生涯を費やして蒐集に努めた珠玉の名品達で、
"散逸してしまえば二度とこれだけのレベルと数が集まることはない" 
ことを憂いたプロ有志が協力して一括で購入できる方を探し、
情報が漏れることに細心の注意をして企画したことだったのです
(ヤキモチやバラし売りを望む人達のトラブルを避けるため)

9日夜に飾られた118点は、10日の夜 横付けされたトラックにその全てが積み込まれ、
翌11日の朝にはこの24時間余りに繰り広げられた名鉢大展覧が、まるで白昼夢だったのかと思わせる位に
何事もなかったように元の盆栽展示販売のブースとされていました。

一括購入の相手先や、金額など、グリーンクラブ内には余熱のように噂話が流布していますが、
たった一夜、信じられない程の名鉢群が蜃気楼のように出現して消えたことは、事実としてお伝えします。
いつの日か、エスキューブ雨竹亭も協力してこの一群が公開されることを願っています。


【館内最大ブース!約150点の精選の数々】

第91回国風盆栽展に併催された上野グリーンクラブ「立春盆栽大市」
通称 "国風売店 "に小店は例年通りクラブ本館2階に17軒分のブースを使った特設売店を開きました。
業界最大にしてハイレベルなこの催事に際しては「エスキューブ雨竹亭」の精選品を陳列させて頂きました。

貴重盆栽・古渡盆器・重要水石 など
"今"のエスキューブが皆様に提供できる姿そのものが展示されているといっても過言ではありません。
毎年、この場所に飾り販売をさせて頂いた数々の盆栽が、
数年先の国風展に入選出品されている陳列品すべてが "お薦めの逸品 "です。

特に今回は更に出店スペースを拡大して 2年の研究開発を費やして出来上がった
中国広州の釉薬鉢「石峰雨竹」製  盆器群の初窯作品披露
同じく中国宜興紫砂「宝山」製  精選盆器群 の陳列を初めてさせて頂きました。
特に「均窯の再現」に挑んだ石峰鉢は、蔓青園・鈴木伸二氏・浅子隆敏氏・小林國雄氏など、
プロ作家の方々にその釉薬と器型の完成度を絶賛頂きました。

"失われた技術の歴史"を再び蘇らせる事は試行錯誤の繰り返しで、
40度を超える再興した窯場で何度試作に失敗したものかを思い出します。
開発費やかけた時間を考えるとけして採算がとれるとは言えませんが、
納得のいく最高の再現が出来れば、古渡盆器が激減し、
盆栽そのものも大型化して器型を崩さずやや奥行きを持った鉢の必要があった中、
10年後、20年後にこの鉢を多くの愛好家や作家の方々が
国風展などの大舞台に当り前に使って頂ける事を夢見た作品が、完成した事だけでも嬉しいものです。
国風展への行き帰り、是非グリーンクラブ本館2階にお遊びにいらして下さい!


【捉え方で表情を変える山採り盆栽の面白さ!】

国風展売店に飾る為に、以前から庭にあった真柏古木の見付・鉢合せを変えてみました。

いつものことですが、鉢合せは決まる時は1発で簡単に決まりますが、
合わないとなると何枚試みても合いません。
2000~3000点の鉢が羽生雨竹亭にはあるのに困ったものです!!
この真柏は以前から両面から見られるので、どちらで作るべきか中々纏まらなかった樹です。

漸く枝の捌きや空間の姿などを総合的に考えて右流れで仕上げる事にしました。
正方の"逃げ"の効く鉢から紅泥袋式楕円と言う量感と"抑え込む力"を持つものに換えてみました。

以前に整枝作業をして針金掛けによって枝作りをした姿から今回の植え替え・植付けで、
舎利幹の前にある左落ち枝の下部分を取り、幹筋の流れと空間を見せるようにしました。

私は「名人」ではないので、時間をかけて樹と少しずつ対話する気持ちで、
"そうか!ここを直せばこの樹はもっと美しくなるかも!"
とはっきり感じてから作業をする事にしています。
上野グリーンクラブ2階に特設されるエスキューブ国風展特設売店で是非ご覧になって下さい。


【"嫁入り"盆栽の化粧仕上げ着々と!】

2月5日〜13日開催の国風盆栽展に併催される上野グリーンクラブ「立春盆栽大市」。
毎年エスキューブ雨竹亭は、場内最大のブースを設けます(15軒分の大きさ!)。
羽生で冬姿で冬眠しかかっていた樹々を"盛装"する仕事が始まりました!
鉢を替えて"衣装直し"や植替えで、角度や見付を変えたり、約50点の「嫁入り前の化粧支度」です。
2000~3000点の鉢在庫を持ちながらも、中々ぴったり!といくものは半分位です。
本当は「冬枯れ」の少し寂びた色味が盆栽の良さなのですが、
近年の愛好家の皆さんは、緑美しい姿を好まれる為、温度と湿度を与えて"色戻し"をしなければなりません。
選び抜かれた樹々達から更に選りすぐりの作品が会場に運ばれます。

却って今の羽生にお越し下さるお客様が一番いろんなものがご覧になれていいかもしれませんね!

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