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盆栽歴45年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 雨竹亭


【岐路に立つ 盆栽業界の在り方・売店の格差鮮明に】

日本の盆栽界最大のイベント「国風盆栽展」が8日開幕しました。
これに併せて 上野グリーンクラブでは、国風展に併催した売店「立春盆栽大市」が同時に始まりました!
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北海道から九州まで、全国の有数盆栽園が、同所に出店しています。
今回は「コロナウィルス災禍」の影響で、アジア特に中国からの本展来日が10%まで減少するという異常事態と言える大市となりました。
この5~7年、業界の販路は 大きく中国盆栽界に頼っています。
極端に言えば業界の年間取り扱い高の50%以上が中国と言っても過言ない程です。
特に全国の優良樹が集まるこの催事は、中国客の動向で悲喜交々の数年間だった事も事実です。
しかし、今回は初日を終えた中でも、中国愛好家・バイヤーは 僅か!
「当てが外れた!」と嘆く盆栽園の多いこと!
私の店も 勿論多くの中国からのオーダーに応える数年でしたが、私は以前より 後輩たちに
「どんな時も日本の愛好家を大切に!はじめは小さなお付き合いでも一生のお付き合いの出会いとしての国風展であるように!」
と、目先の商売に囚われて“大切なもの”を見失うことのないように伝えてきたつもりです。
今回は、その姿勢に対する明暗がはっきりと浮かび上がりました。
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おかげさまで、小店は 幅広いジャンルの皆様にお応えで知るような品揃えと、
盆栽教室・国風展出品等の皆様との交流の会「玄虹会」などの活動をさせて頂いている事で、初日も多くのご用命を頂戴しました。
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100軒を超える出店盆栽園、中々 目が開かない(販売が叶わない)店も目立ちました。
私の下で10年の刻を過ごし独立した子も出店を片隅で出させて頂きましたが、当初より
「目の前にいらっしゃる愛好家の方に 自分の“分”をわきまえた素直で丁寧な応対を」
の申し付けに従ってくれたせいか、初日で350万という商いとなったようです。
その子に言いました。
「見てごらん。これだけの店が軒を連ねているが、並んでいる盆栽や品物を見て “これはあの人の店”とわかる店がどれほどあるか?」
大切なのは、売れるなら何でも扱う、ではなく「私の描く店はこんな店です」と、自分と愛好家を繋ぐ 特色が必要だという事です。
どんな店も 全部を叶えられる店はありません。
それぞれの店の色を好まれる愛好家の皆さんが、自分が望む店を選ぶのです。
ある中堅業者が言いました。
「売れないなあ、中国がもっときてくれればいいのになあ」と。
心で思いました。
“ 自分を振り返って足元をもっと見て”と。
16日まで、ここから 日々の出会いが始まります。
お金も物もお客様も、何もなかった20数年前の銀座店を開いたあの頃を思い出します。
街ゆく人が小さな店に入って下さる喜び。
その時かけた 今も同じの言葉を。
「盆栽はご存知ですか? 盆栽はお好きですか?」そこから始まるのです。

【今年の初手入れで 大型名木へ!】

元旦から6日まで、恒例の「新春盆栽展」を開いて、多くのお得意様と楽しいひと時を過ごさせて頂いた新年。
歳の初めの大仕事を、昨年末に入手した巨大な五葉松で始めました!
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九州にあったこの樹は、あまりの大きさで、今までおそらく30年近く、植え替えもされずに大型水瓶に植えられていました。
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人の手で 鉢から抜ける大きさではないので、フョークリフトを使って吊り上げての作業!
根の状態も良く、少し大きめの鉢に上手く合わせることができました!
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樹筋は良かったのに、鉢合わせが盆栽としてお見せできるものではなかったもの、
ここからは 数少ない無傷の丸幹名木としての道を、ゆっくりでいいから歩いて欲しいです!
羽生雨竹亭の応接庭園の門脇にあります。
皆さん是非ご覧にいらしてくださいね!​​

【木村政彦先生の作品を飾って!】

明けましておめでとうございます㊗️
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ご改元初めての新春、神気纏う初春の盆栽はやっぱりいいですね!
羽生の応接室にも新年の飾りをしました。
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埼玉県の大家が長く愛蔵していた五葉松の根連りを木村先生に暮れのうちにお願いして針金整姿をして頂きました! 
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令和の新年、松を皇居の別名「大内山」になぞらえて、“日出処の國”の象徴としての昇る旭、脇には暁光に輝く大八洲(おおやしま)の山々。
当たり前の設定ですが、「松に日の出、仰ぐ山々」これこそが、日ノ本の徴だと思っています!
オリンピック・水石協会60周年・明治神宮100年祭・そして秋には大徳寺盆栽庭園。
私にとって、穏やかな1年、つまり盆栽と静かに向き合う年はいつになったら来るのやら!!
今年も 宜しくお願い申し上げます🤲
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【雨竹亭のレンタル盆栽】

私が銀座に店を出して1年たった頃、“和食の鉄人” 道場六三郎さんがいらして
「店を新しく作るので、飾る盆栽を売って欲しい」のご要望から、痛んだり管理の難しさ・季節感・などをご相談した結果、
“季節の美しい盆栽を飾るサービス”が始まりました。
都心を中心に22年たった今では、年間4000万円を超えるサービス業になり、
盆栽界という趣味の狭い世界にいた盆栽達が、幅広い多くの皆さんにご覧頂く仕事になりました。
年末は大忙しです!
年間契約のレンタル先に、雨竹亭ならではの「季寄せ盆栽」
つまり宮中などで設えられる松・梅・竹・千両・柚子・福寿草・フキノトウ・等々、新春の目出度さをひと鉢の中に込めた盆栽の製作作業にスタッフみんなで頑張っています。
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盆栽としては、1点ではどことなく物足りない樹達が、ひと鉢の中に組み合わされるで、“醜いアヒルの子が白鳥になる”ような独特の盆栽が生まれます。
場所や大きさ、高さや奥行きなど、1年間お世話になっている所に合った季寄せ盆栽、新春の迎春盆栽として 
多くの方々が 園芸店などで市販されている松竹梅とは違う嬉しい驚きを持って観て下さいます。
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昔は自分で鉢合わせや、流れなど、率先して創っていましたが、今ではスタッフみんなに任せておいても大丈夫になりました。
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“季節を寄せる”と書いて季寄せ盆栽。鏡割りの頃には、役目を果たして庭に帰ってきます。
そして来年までの力を蓄える為に、また元の鉢に戻し植えする作業が待っています!
常しえの栄の徴「松」寒気の中葉も付けずに凛と咲く梅の魁、節目を持ってまっすぐに生い立つ竹、そこに色とりどりの実物花物の“宝尽くし”。
皆さんもご自身の生活に合った「季寄せ盆栽」に挑戦してみて下さい!​​


いよいよ私の大観展特別ブース“最期の展覧”に出発します。
10日間の留守をする羽生雨竹亭。
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それでもこの庭に訪れて下さる内外の愛好家は多く、居ない間の美しさをキチンとしたくて、庭と床の間を飾り替えました。
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「名残の秋」を 美しい紅葉で楽しんでもらえればと、ガマズミの彩り、となりには昨年の国風展に出品した、五葉松の古木。
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いらして下さった皆さんが、“盆栽っていいなあ”という、記憶をお土産にしてくれることを祈って飾りました。
私と一緒に京都まで行く樹達、羽生の庭で帰りを待つ樹々達。
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私にとっては、家族であり、共であり、ある意味私の生き方の形でもあります。

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