雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴47年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 雨竹亭


5月下旬から6月の初め、盆栽界にひときわの華やかさが始まります。
さつき盆栽達が一斉に見事な花姿を見せてくれます。
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さつきは趣味の底辺が広く、“さつきの趣味から始まった“とする盆栽愛好家も多く、
専門のマニアもいれば、丈夫で作りやすく、盆栽の登竜門としての大切な樹種でもあります。

花物として花期の単品飾りが主流ですが、時には床飾りも楽しみたいものです。

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長年羽生で培養してきた「光琳」の花が咲き始めたので、今の季節に合わせた飾りをしてみました。

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美しい真紅の剣咲きと言われる花姿、大樹の相を見せるこの樹に、潤湿な空気感がある今、おぼろな月の天空に翔ぶ一羽の郭公。

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“一閃を翔ぶ“と呼ばれる郭公はホトトギスとして、古来より季節を謳う鳥で和歌や詩文にもよく詠まれています。
ホトトギスの掛物を選ぶ時は、鳥自体が、画中で大きくなりすぎない事が大切です。
鳥の姿が大きければ大きいほど、席全体の景色は“近景“となり、
場合によっては、配する盆栽との大きさによる合わせが上手く行かなくなります。

さつきに花が咲く頃、見上げれば空に線を引くように一羽の郭公が飛んでゆく。
山里によく見かけた自然の有り様も、今では貴重な景色の記憶になりつつあります。

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脇に少し早めの“岩がらみ“を飾る事で、“葉の緑“を伝えたい季節を補ってくれます。
盆栽・水石・山野草・それぞれの季節の美しさ、移ろい、何よりも大切にしたいですね!


先日、ドローンによる羽生の空撮をしてもらいました。

20年の歳月が作り上げた、雨竹亭を空から見るのは、私たちも初めてです。


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当初はこの応接庭園すら無かった雨竹亭。

3年の時をかけて後に、お客様をお迎えするこの庭園が出来ました。今も羽生のとなっています。


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中央道路のやや右下が正門と庭園部分。

右には盆器や水石の収蔵庫、その上は培養庭園です。

その右の白い建物群は、関東最大となったオークション「天地会」の会場です。

道路左側は、5棟のハウス、そして約1500点の大型盆栽を管理する、非公開の培養場です。

その上に見えるのは、

雨竹亭が日本盆栽界に提供する、中国の最上質の泥物鉢・釉薬鉢の置き場です。


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更に高い所から俯瞰すれば、隣接する関東を縦断する「東北自動車道」

雨竹亭は高速の出入口の隣に位置する好適地、全体面積で、15,000㎡になります。

いつの間にか、こんなに大きくなりました。 多くの盆栽達と日々格闘💦の毎日がここで行われています。ぜひ遊びにいらして下さい。


【お客様をお迎えするありがたさ‼️】

コロナも蔓延防止措置の解除で、各地の連休も多くの人達が、久しぶりの行楽を楽しまれる中、
羽生雨竹亭も、十数年来続けていた春と秋の観賞会を控えて2年。
ようやく庭にお客様をお迎えできる機会となりました。

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閑散とした庭園が以前のように、様々な地方から愛好家・ご家族連れ・カップルの若い方々等々、連休中にいらして下さる事を願っています。
庭園の“築山“風の姿も、開園当時の杉苔の島々へ戻しました。

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翠に映える築山の杭棒に種々様々な盆栽達。
展示場の水石・樹鉢・水盤・掛軸・応接室の床飾り。
雨竹亭の本来の“映え“の姿、植替えの慌ただしさの中でも、頑張って清めた達成感があります。

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世界を取り巻く紛争・コロナの行方、心を痛めること多い中、せめてこの庭に盆栽達といる時間を、
日本の自然と文化の豊かさを満喫して頂ければありがたいものです。

鑑賞会の様子を動画で撮影しております。
よろしければご覧ください。
※YouTubeに飛びます
 


麦畑の空に雲雀が囀る季節、盆栽の藤は野山に一足早く、美しい花姿を見せてくれます。
羽生応接室にも、“野田藤“の古盆を飾ってみました。

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滝のように下がり咲く、紫色の花々。
透き通るような花景色は、他の盆栽では表現出来ない“艶やかな美しさ“があります。

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季節に合わせて、空高くに鳴く雲雀の掛物を取合わせました。
画中に余計なものを描かず、ただ空に舞う雲雀のみ。

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これが却って盆栽との景色の一体感を演出してくれます。
私が修行時代の40年以上前は、藤の花時期がもう少し後だった気がします。
温暖化のせいでしょうか?
盆栽達の季節も少しずつ昔と変化しているように思います。

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桜の花があっという間に終わって藤が咲き、これも僅か10日間で、今年の“ご馳走“が過ぎます。
歳のせいか?
季節の移ろいに追いつけない自分を感じるこの頃です(笑)


植替えの慌しい毎日の中でも、寒さ除け(25mの大型木造室・ビニールハウス4棟)をしていた樹々も
芽伸びを抑える為に、屋外の日当たりの良い棚場へ出して、庭園の方も季節らしい飾り方へと変化してゆきます。

応接室ももみじ「獅子頭」の新緑の美しさを楽しむ飾りになりました。

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掛物も間もなく“揚げひばり“へと変わる前、“名残り“を込めての最後のおぼろ月。
渓流の景を水石で表現して、目を向こうへ向ければ、
季節が変わる中でも、深山の奥深い山々には、気高く真柏が命を削りながらも生き抜く姿があります。

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手入れの忙しさで、目の回る今。
こんな時だからこそ、お越しになる盆栽趣味の皆さんに、“盆栽の庭園はいいなあ!“と感じていただけるようにしていたいものです。

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