雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴45年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 雨竹亭


私が羽生の地にこの雨竹亭を構える時、土地の選定から慣れない現地での始動に親身になって下さった根岸庄一郎先生。
83歳で今春天寿を全うされました。
15歳で栃木で修行を始めた頃からのお付き合い。数えれば46年の刻を共にさせて頂きました。
盆栽を藤樹園、浜野元介翁の薫陶を亨け、片山一雨先生の“飾り”を高弟として究められた根岸先生は、
盆栽水石の探究愛好会『玄虹会』の発足メンバー。
数多くの席飾りを共に修練し、時には先生のご立派な邸宅の座敷を拝借して、
仲間の皆さんと蹇々諤々の歓談を繰り広げもしました。
12日は先生の83歳の誕生日。
玄虹会の皆さんで私の庭の観音堂に集って、
大徳寺塔頭の芳春院ご住職を京都からお招きして、趣味の仲間での供養をする予定です。
応接室に根岸先生の肩身の水石・水盤・掛物・点景・を設えました。
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瀬田川の梨地石・水府散人旧蔵の白交趾楕円水盤
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小早川秋聲筆「名月図」
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脇には根岸先生自作!の五重の塔。
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飾りの中に人生観まで見つめた先生の精神を少しでも次代に伝えてゆきたいと思います。   合掌

【出来高4,500万円!】

1月の松の内に開催して以来、国風展・コロナ自粛で、開催を見合わせていた、
業界卸売オークション「天地会」が5ヶ月半ぶりに再開されました。
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木村正彦先生・鈴木伸二さん・蔓青園さん・はじめ、全国盆栽園・盆栽作家の多くの参加を頂いて、久しぶりに賑やかな1日でした。
三密を避けて、本来の室内天地会場から、半屋外のカーポートに仮設舞台を移動しての開催。
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幅広いクラスの盆栽が、流れるように落札され、終了時には合計4500万の出来高!
やっぱり、仲間が集まって売り買いを競い合う、業者としての血が騒ぎますね。
ただ、小綺麗な樹は、コロナ前より若干高いのには驚きました!
お客様は“飾って楽しめるもの”を欲していらっしゃるようですね!
次回開催は、10月の予定です!

未来の宝の手入れ開始!

盆栽を通して世界平和を願った先人、名匠加藤三郎翁の名園・蔓青園より譲り受けた未完の大樹。
羽生の庭に来て1年、ようやく手入れを始めることになりました。
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木村正彦先生の直弟子・森山義彦氏、
助手を務めるのは、私の願いで木村先生の所で今も交代で住み込んで技術指導を頂いている中国西安出身の郝(ハオ)君と趙(ツァオ)君。
樹齢300年を超える超大型太幹の黒松。
切返しも無く、見事な幹模様を持つこの樹は、数年の手入れで、大型黒松を代表する名樹になります。
大切な第一歩、今回の仕事がこの樹の将来を決めると言っても過言ではありません。
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早春より肥料と水を極めて多く与えて力をつけての作業。
各枝の基本的な配置、樹冠の抑えこみ、今出来る作業を超えることなく、次の手入れを構想しながらの第一歩。
若き盆栽作家達に未来を樹と共に委ねました。
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ここから芽切り・芽掻き・肥培。
年々の手入れで徐々に姿を変えてゆく、皆さんもこの樹をご一緒に見守ってください。

【恩人との45年】

盆栽の修行を始めて間もない頃からお世話になっていた大家愛好家の旦那さんが、この春83歳でご逝去されました。
百ケ日を過ぎて、奥様より「整理ごとのすべては、森前君に任せるように」とのお言葉で、
ハイエース6台に及ぶ水石・水盤・卓・掛軸・添景・茶道具・を、羽生の新設倉庫の方に移動して、奥様にも同席して頂いて、整理を始めました。
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“信頼しているから任せる”このお言葉は、何よりも重く、
日本有数のコレクションをどの様にしてゆくべきか?頭を痛めています。
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千点を優に超える収蔵品。
ひとつの桐箱を開ければ、ひとつの故人との思い出。
“旦那さんはどうする事を望まれたのだろう?”と、考えながらの1日でした。
拙い目で仕分けしながら、
(目利き愛好家の方に受け継いで頂きたいもの)(業界の市場に送り出すもの)(美術界にお返しするもの)
等々、相応しい判断が自分の役目です。
二十歳から三越を舞台にどれ程のお客様のお相手をしてきたでしょう。
どれ程の人徳者の方々をお見送りしたでしょう。
私の様な失敗ばかりの大馬鹿者にどれ程のご芳情をかけて頂いたでしょう。
すべき事は、残された奥様やご家族の皆様の“声なきお心”に沿うように摂り進める事だと思います。
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数百点の掛軸も、明日からひとつずつ開いて仕分け、茶道具の方は京都の付き合い古い信頼のおける方に相談して(亡くなった旦那さんもお知り合いでした)
上中下の区分の上、整理したいと思います。
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形見分けはご遠慮して、盆栽の庭で旦那さんが使っていた鋏を頂き、庭の観音堂に納めました。
空の上から見てくれていると思います。
ありがとうございました。
これからも遠い所から見守って下さい。 
合掌

【羽生市長来園!】

休日を利用して、雨竹亭のある羽生市の河田晃明市長が来園されました。
藍染の街として歴史ある羽生に、日本文化のひとつである「盆栽」のランドマークが来た事を、開園当初より歓迎してくれた市長。
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教育者の道から市政の道、ご自身も農家の生まれで、教職からこの街を預かる立場になった苦労人。
コロナ対策の激務の中、ひと時の憩いの場として楽しんで頂ければとお迎えしましたが、お話の中身は相変わらず街の発展。
今回もふるさと納税の返礼品に盆栽をとのお話。
この町で生産される産物として、「家庭の中に憩いを与えてくれる盆栽」と言う観点からご相談を受けました。
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盆栽人としてありがたい事で、これからの社会にマニア的なレベルではなく、
「誰もが楽しめる家庭的な盆栽」という意味で、エスキューブが目標とする「社会性ある貢献」にぴったりのお話。
行政を預かる方が、このような日本の伝統的文化を大切に思ってくれる事は嬉しいです。
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美しい花姿の季節を迎えた皐月「鈴の誉」を床の間に飾り、楽しい刻を過ごしました。
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