雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴44年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 雨竹亭

【体感40度以上!】

長い梅雨が明けたかと思えば、昨年の熱波を思い出させる猛暑が襲ってきました!
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気象庁の予測を基に、7月下旬には棚場の遮光をしておいたので、
その下の気温は2~3度低くなります。それでも 人も樹もギリギリの温度。
朝の水掛けの他に、夕方の「葉水掛け」は欠かせません!
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樹と鉢の中、そして棚場全体の温度を下げる効果は、人間が昼間どんなに暑くても、夜涼しい中ならば ゆっくり休めることに似ています。
“葉水をかけながら、余分な水は与え過ぎない”この矛盾するようなふたつを樹の表情を見ながら1点ずつ調整するのがプロなのです。
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昔から盆栽屋は「8月は素麺食べて水掛けしてろ」と言われることがわかります!
でも 人間は甘えん坊ですね!
梅雨の間は「青空が見たい」夏が来れば「涼しい秋が待ち遠しい」・・いつも“今以上”を求めてしまいますね!
それが本当は一番美しい日本の四季であり季節の移ろいなのはわかっているんですが!笑

【20代からの思い出の「樹・人」】

先日 93歳のご長寿を全うされた名古屋の盆栽大家・鬼頭正男先生。
まだ20代の若き頃、皐月盆栽専門の愛好家だった先生の所にお手入れによく伺って
「本格的な盆栽趣味になさった方が」とお伝えしていました。
その先生が、国風賞を受賞される大家となり、盆栽協会の重鎮理事となられるなど、還暦を迎えた中、月日の長さを感じます。
愛蔵されていた イワシデ名樹が縁あって羽生雨竹亭に届きました!
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個人的な意見ですが、日本盆栽界においての「雑木盆栽」の三指に入る大名品だと思います。
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多くの名盆栽がある中でも、この樹は 樹自身の内容は勿論のこと、
過去 愛蔵された愛好家のすべてが、日本を代表する歴史的な方々で、「人品卑しからず」の紳士ばかりです。
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70年前の高橋貞助先生・40年前の岩船光雄先生・30年前の福島茂夫先生・20年前の大沼佑先生・そして鬼頭正男先生。
私とこの樹の“目に見えぬ縁”は、愛蔵された皆様すべてが、私を可愛がって下さった「忘れえぬ恩人達」ばかりだと言うことです。
20代の若僧を、慈しむように育てて下さった方々。
守り継がれた「日本の宝」を私はプロとして、盆栽家として、
この樹の次なる佳き主人と出会うまで、大切に大切に 守りたいと思います。

【 蓮華・沢庵・滝石】

梅雨の明ける頃、鬱陶しい気だるさを感じる季節、ようやく今年もハスの花があがりました。
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不思議ですね、蓮の華はなぜか“あがった”と言いたくなります。
毎年 10鉢程の蓮を水鉢で育てていますが、今年はこのひと鉢しか花を持ちませんでした。
その代わりに、今までで一番色濃い花となりました。
午後になると閉じ加減になってしまう蓮、朝早く 床飾りの設えを直してみました。
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蓮華という言葉がよく似合う花、葉茎の調子を鋏で合わせて、大切にしている沢庵和尚の
『水聲山色』の書。
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ありのままの自然の素晴らしさ、受け入れるべき生き方を示してくれるようです。
脇床には安倍川石の滝姿。
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蓮華の華は仏の世界、滝石はその瀑布の音を絶え間なく続く読経、そして すべての大自然を悟得の境地で伝える書。
美しくも儚い蓮華の姿が 静謐の中に響く日本の美と飾りに込められた心を際立たせてくれます。
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やっぱり毎年 季節にしか得られない美しさは良いものです。

芳春院ご住職 14年目の読経

羽生雨竹亭に「盆栽観音堂・雨竹堂」を開堂して14年になります。
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ここに生きる盆栽達は、自然界に生きる私達と同じ命を持つものですが、
盆栽園である因果で、枝を切り、根を捌き、時にはその命を落とす程の荒仕事をする事があります。
作品を作る為・食べる為・に、“樹の本当の声”を聴かずに 傷めてしまう事も無いとは言えません。
そんな私達や盆栽そのものを守って頂く為に、開園間もない頃、この観音堂は創られました。開眼をして頂いたのも、今回 久し振りにご来園頂いた、京都大徳寺 塔頭「芳春院」第23代住職の秋吉則州師です。
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開眼の年・7年目の年・今回。
3度目のご来園のご住職は、変わりゆく雨竹亭を感嘆の声で散策されました。
久し振りに響く 臨済宗大徳寺派の現宗務総長の読経。
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何処へゆくにも 法衣を纏い 平易な態度で私達にも優しくお声をかけられるご住職。
あらためて 観音堂の存在とここで住み暮らす私どもと盆栽達の、平穏を祈る日でした。

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【姫孟宗竹と水石】
夏越の大祓も過ぎて、今年も半分が過ぎました。
鬱陶しい梅雨の日々。
盆栽達も潤湿な空気の中、美しい葉色を楽しませてくれています。
愛好家の皆様をお迎えする応接室の床間は、そんな季節の風趣の中でも、涼と情緒を大切に設えてみました。
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姫孟宗竹の盆栽は、これから七夕の頃までの「風さやけき」夏飾りを代表するものです。
取合わせの掛物は、竹内栖鳳の「雨裏新蛍図」。
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霧雨降る渓流の清々しい水の流れのそば、新緑の葉裏に川面から誕生した蛍達は、
雨が上がり、儚い光を纏って飛ぶ時をじっと待っています。
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脇床に据えた揖斐川石は、画中の渓流を見事に切り取ったかのよう。
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席全体に香り立つ日本の「今」という季節。
盆栽も水石も、それぞれひとつずつの素晴らしさは勿論ですが、
こうして「樹・画・石」をひとつの物語の中に設える事は、盆栽水石趣味の醍醐味と言えます。
何かと何かを組合わせて共鳴させる・・
日本の“見立ての美”のあり方を皆さんも日常で楽しんでみて下さい。

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