東京都美術館『第10回・日本の水石展』に協賛目的で、毎年開催される水石オークションが、上野グリーン倶楽部で開かれました。
連日の西日本大雪の影響で、通常の参加者より少ない中、毎月各地で行われる盆栽業界オークションとは異なり、
やはり水石展協賛ということで、水石・水盤・卓類の出品が多いのも、このオークションの特色です。
私も、この企画を指揮して10年となります。
日本水石協会の春花園、小林理事長の今春の勇退、会をここから運営する責務を運営役の1人として痛感しています。
中国勢の参加に支えられる昨今の国内オークション。
今回は中国の春節(旧正月)の連休なども重なり、ほぼ日本業界と水石趣味家での会となりました。
100万円を超える水石や名水盤、数百点の水石群!
盆栽以外の品々の選任競り人として、瞬間で発句(競りの初値)を見定めるのは、軽い緊張感とエネルギーを使います。
出品数も過去1億円をマークしたこの会としては、少なめ💧
国風展を直前に控えた1月下旬は、各業者も “売るよりも良品の仕入れ“に重点を置く季節です。
関係者全員の努力で、5,000万の総取引高を堅持しましたが、全体としては、やや低調だったことが、各落札値からも感じられます。
1~2年前なら、中国勢が競い合い1500~2000万だった、真柏名樹が1000万弱で不落札など、
最近は相場の低調が続いています。
何よりも悩むのは、水石や水盤、諸道具の目利き判断が出来るプロが激減している事です。
海外勢への商売に目の色を変えて突き進んだこの5~10年、プロ達も、彼らに売れないものに対する勉強が疎かになった事によります。
“森前さんが競り人をやらなければ、水石や水盤は成立しない“ こんな言葉は嬉しくもありません。
数万円の汎用の品々と、目利き先人達が百年を超えて守り続けて来た名品が、あまり変わらずに見られる現状。
若い頃、目にする機会を逃すまいと必死に名品を拝見して、“何が違い何が良いのか“を学んだ日々。
六十路の半ばを間近に、ここから何をすべきか?を考える時にもなりました。
それでも、水石の素晴らしさは変わりません。
ここからしなければならない盆栽人水石人としての責務を思う日でした。
第10回日本の水石展の日程等詳細はこちら↓
雨竹亭ホームページ