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盆栽歴45年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 日常

【百年後のために】

30年来のお付き合いをさせて頂く、臨済宗 大徳寺派本山 京都「大徳寺」内の塔頭『芳春院』
400年前、戦国大名の雄、前田利家公の妻「おまつ様」により建立された名刹です。
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当代(23代)ご住職・秋吉則州師より “山内の私の預かる地に盆栽庭園を作らないか”と、お話を頂いたのが、丁度一年ほど前でした。
茶の湯に所縁深い名刹、しかも場所が大徳寺山内の上座中央部分の約500坪。
「分不相応な事、ご遠慮すべき」と思案して、お話を頂いて十日程後にお伺いした時には、
既にその地は 生い茂っていた杉や桧、雑木の一切が綺麗に伐採されて、更地の姿になっていました。
「君がやらないなら、白砂の枯山水にするだけ、やるかやらないかを決めてくれ」
このお言葉に、私の還暦を過ぎた中での人生の次なる役目を想い、「承ります」とご返事しました。
どんな風になるのだろう、どうしてゆけばよいのだろう、と 正業に励みながら、ここへお伺いする機会の度に、
ご住職にご挨拶しても「まあ、何から何までそう考えすぎるな、少しずつ相談しながら進めよう」こうおっしゃるばかり。
大観展も幕を閉じ、晩秋の名残の紅葉に覆われた芳春院を訪れれば、庭園の門周りを大工さん達が忙しくなさっていました。
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ここから、百年残る盆栽庭園が始まります。
私がここをお預かりするのは僅か10年ほどでしょう。
でも、そこから営々と盆栽の素晴らしさを伝える庭として「つなぎゆく」第一歩をお預かりすることになります。
来年の秋、多くの皆様にご披露するまで、このブログで幾度か進行をお伝えします。
15歳で禅僧になりたかった小僧が、盆栽の道を歩く事でご縁を頂いたこの地。
私はもしかすると、ここに至るための自分や今までがあったのかと 仏様に手を合わせる思いです。
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【舩山コレクション秋の手入れ!】

現在の日本盆栽界で東北地方を代表する愛好家・舩山先生の所で、季節の盆栽手入れを行いました。
気候変動の厳しいここ数年、五葉松の原生地でもある福島も例外なく、管理に神経を使います。
舩山コレクションを代表する五葉松「天帝の松」も、今年伸びた芽をひと回り追い込み、健康な冬を迎えます。
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約250点の盆栽達も、各枝の調子を揃え、整姿針金、真柏などの葉透かし、
羽生から3名の熟練、宮城県の加藤充君、圧倒的な質と量の「舩山コレクション」は、手入れに慣れたメンバーでも終わりなき内容です!
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今回一緒に同行してくれた森山義彦君は、名匠木村正彦先生の門下。
木村先生との交流も深い舩山邸には、創作作品としての著名な真柏の立石付もあります。
「この樹は森山君がひとりで手入れをして」私の声に真摯にこの作品と向き合う森山君。
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「師が作った作品を弟子が手入れをして守り継ぐ」側で見ていても嬉しいものです。
羽生の近隣、加須に盆栽アトリエを自力で構え、“腕ひとつ”で日々盆栽と向き合う森山君。
盆栽作家の檜舞台「日本盆栽作風展」で、いつかは大賞を彼に獲らせてあげたい!
舩山コレクションからその樹が生まれてくれることを願っています!


私に真柏盆栽の圧倒的な迫力と年輪の凄まじさを教えて下さった、須坂市の井浦さん。
三陸の海岸に聳り立つ 断崖絶壁に、数百年の命を必死に繋いだ真柏達。
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その命の造形を井浦さんの庭で拝見して20年の時が経ちました。
天国に逝かれた先輩は、ご子息貴史さんという、自身が生涯をかけて残された原木の数々を大切に受け継いでいます。
先日久し振りに 須坂に出向く機会があって、貴史さんとゆっくり話す時を得て、
父君が遺した真柏の中から、一樹を譲って頂くことになりました。
彼の所で 真柏改作の技を学ぶ小林君に “思うように好きに仕上げてみて!”と、
未来の名木を未来の盆栽作家に託しました。
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北陸に赴いた帰路、立ち寄れば、彼がこの樹と取り組んでいる真っ最中でした。
“思いっきりやってね!” 
それだけを伝えてよけいな “ああしてほしい・こうしてくれるといい” など、若き栽匠が迷うことのないように退出しました。
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まもなく 羽生にこの樹は到着します。
そこからは、この樹がどこまで登りつめて行くか!私の仕事です。
仕上がった姿を近日お伝えしますので、乞うご期待!

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【五葉松の競り合い!】

9月27日 栃木県西那須野で、北関東地方を代表するプロ盆栽園大会オークションが開催されました!
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那須五葉松の故郷での開催、さすがに葉性素晴らしい五葉松群が数百点出品されました!
私の兄弟子である鈴木理事長からの参加要請で、自然豊かな那須へ赴き、多くの五葉松を落札しました。
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そのまま展覧会に飾れるもの・手入れをして姿を整えるもの・将来性を見据えるもの、
様々な樹々が順々に競台に上がり、次々と落札されてゆきます。
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最近は、海外勢の参加により、多くの古樹達が流出し、
大きなプロオークションも出品数が減少して全体の質も低下しています。
だからこそ、みんなの目を惹く作品が乗ると、一斉に声が上がります!
今回もトラック1台分の落札仕入れ!
相変わらず “束ね買いの森前”なんて言われるけど、
エスキューブは ネットオークション・羽生本店・銀座店・そしてレンタル事業部・と、
盆栽の活用範囲は、幅広いのです。

【須坂市 井浦家!】

20年来の朋友、須坂市の井浦勝樹園に玄虹会の皆さんと訪れました。
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ご先代より守り継がれている名樹『風神・雷神』 久々の対面でしたが、やっぱり圧巻の貫禄! 
『風神』は 日本の現代真柏盆栽を木村正彦先生の『登龍の舞』と共に代表する樹。
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もうひとつの『雷神』は、現在更なる樹格向上の為に、敢えて徒長させて次なる整姿を待っている段階でした。
現在の園主 井浦貴史氏は、生一本で 裏表の無い男から見る「男前」!
ご一緒した 福島の大家・舩山会長曰く「あれはスッキリしていて良い男だね」
地方で頑張っている友人を こんな見方をしてもらえると、何とも嬉しいものです!
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夥しい未完の真柏群!
先代より続く 真柏の素材からの枝接ぎ・吹き上げによる施術と培養は、彼にもしっかり受け継がれていました。
“こんな時じゃないと 頼めないな”と、思い切って10年以上前から気になっていた大型真柏の
大器の逸材を相談しました。
しばらく考えて「森前さんならいいですよ」と、即答!
この スパッとした性格が大好きです!
別に数点の手頃な盆栽を分けてもらって失礼しましたが、とても心地よいひと時でした。
※音声が流れます。音量にご注意ください。

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