雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴42年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 日常


【トンネルを抜けると!!雪化粧の盆栽達!!】

世界大会特別ブースを預かる 福島県舩山先生の邸宅に各出品作品の準備(手入れ)の為に伺いました。
羽生から栃木県を高速で過ぎた頃から、少しずつあたりが白くなってきて
郡山付近は2~3cm積雪がありました。
" 福島市は市内だから大した事ないだろう"
と間もなく到着と言うトンネルを抜けると!!!
一面真っ白の世界。
先生の庭の盆栽も5~8cmの雪帽子をかぶっていました。
予定していた手入れよりも、先日針金掛けをした樹などの雪落としや、
取り込みに追われました。
結局その日に予定していた手入れの分は、お預かりして羽生でやることになりました!
それでもシンとする空気の中、雪を纏う盆栽達は美しいです。

 
【400年の古刹で来月盆栽水石の至高の展覧】

臨済禅 大徳寺内にある 塔頭 芳春院は、戦国大名 前田利家の妻"おまつ"が建立した四百年の古刹です。

「日本の盆栽水石文化の正統を学び伝える」数寄者の集い「玄虹会」の年1回の展覧が行われています。
今年も京都の秋を彩る「日本盆栽大観展」と同じ11月19日から2日間
芳春院全室に"身が引き締まる"程の盆栽水石飾りがされます。 
私共エスキューブ雨竹亭も、初回より勉強を兼ねてお手伝いをしていますが、
盆栽水石の文化が世界規模に広がる中、歴史ある古刹の建築美の中で繰り広げられる"深奥の美"は、
日本が最も捉えるべき文化だと思っています。 

今回は会場の下見とご住職へのご挨拶に伺いましたが、いつ見ても素晴らしく、
禅寺として普段一切の拝観をさせない名刹(大徳寺塔頭の殆どが拝観禁止です)は、
しんと静けさの中にあり、心が洗われるようでした。 

ご住職の希望で"期間中盆栽水石を見たい方のみが良い"との考えで、
招待券持参の方のみが入れます。
ご希望の方は、雨竹亭までお申込み下さい。
券をお送りします。


【季節を室内に取り込んで・・自己の修練!】

40年近いお付き合いをさせて頂く愛好家、
小林二三幸さんの自宅に飾られた"日常の飾り"をご紹介します。
日立製作所の常務まで歴任された小林さんは、生粋の盆栽水石愛好家。
古稀を過ぎて"自身の趣味の中で心の修練"を楽しまれています。
玄関の脇にさり気なく佐渡赤玉石の古色見事なくず屋石、
小振りな掛物は「月にススキ」、
季節を切り取ったかのような、訪れる人を迎えてくれる静謐な飾りです。

床の間は小林さんが盆栽水石を飾る為に数年かけて改築された「数寄屋風書院造り」。

赤松の飄々とした三幹、青富士はもう冠雪を纏っています。
目を脇床に向ければ木彫の「旅の僧」、三保の松原を想わせるこの席は、
旅路の僧が"人生まだまだ道半ば"を語っています。

盆栽歴半世紀に近づく小林さんの「飾らない飾り」は、
国風展などの品評会的盆栽のあり方に、一石を投じるような真の愛好家の姿勢を感じました。


【中国 張小実会長と訪れた 椎野健太郎氏の園】

中国盆栽協会と言うべき『BCI』の江蘇省地方の分会が発足し、
会長に就 任された張小宝氏が
11月式典実演に招聘する為、盆栽界の若きエース「宝樹園」椎野健太郎氏の庭にご案内しました。
37歳の実力・行動力共に素晴らしい彼が中国デビューする機会として一番良いと思って張会長にご紹介しました。
江戸期より富士信仰の登山口だった地に"山青く水清き"まさに盆栽の楽園を造った彼が
これからどんな盆栽人としての歩み方をしてくれるか、私はとても楽しみです。
一言で彼を評すれば日本盆栽界が失ってはいけない"盆栽家の矜持"をもつ若者と思っています。
私も20歳離れた彼を見習いながら、"自分の歩み"を自分らしく努めようと思います。


【「盆栽も庭もこのままで維持しろ」久原房之助の精神を受け継ぐ長谷家 】

十数年ぶりに「盆栽ロード」を庭内に持つ港区白金「八芳園」を訪ねました。

オーナー奥様の長谷久美子様に出迎えて頂き、
盆栽を広める私共「雨竹庵」と、の1万坪を有する都心の大庭園、
そして旧所有者であった日立製作所創業者である久原房之助翁の遺徳を半世紀を越えて受け継ぐ方々の"確固たる思い"が、
ある意味共通している事に感動しました。 
「人の手を加え過ぎるな、自然のあるがままを大切に」など、
名庭を散策すれば75年前よりこの地でずっと守り続けられる盆栽達と、
仰ぐほどの"人の心が創り上げた大自然"と言うべき樹々に対する守り人達の精神がしっかり息づいている事に、
盆栽人として深く学ぶべきものを感じました。
日本はこの様な"事業の中にも揺るがぬ信念"が築き上げた歴史がある事を
もっと海外の人達にも伝えるべきと痛感しました。
もしかすると、帝都においてひとところに変わらず生き続ける盆栽の(皇居は別として)最長のものかもしれません。
頭が下がります。 

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