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盆栽歴44年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 日常


【雑木盆栽の素晴らしさ! 蘇る『昇天の龍』】

大観展の関係で久し振りに大宮盆栽村の竹山先生の所へ伺いました。
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雑木盆栽の名手と謳われた芙蓉園。
ひとつひとつの樹の手入れの行き届いた状態に感銘を受ける程でした。
そして日本盆栽界を代表する名樹 真柏『昇天の龍』 
培養を考えての竹山先生の慧眼で、長く大振りな葉組になっていたものが、
鋏技による“透かし切り”が施されて、往時の姿へ蘇りつつありました。
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若き頃、国風盆栽展で若衆として展示品の警備と水掛け当番となった時、私の持ち場はこの昇天の龍の所でした。
1日この樹の前に立ち続けて、舎利幹や樹姿の隅々を眺め続けたあの頃を思い出し、
50年という人生にも近い時間をひとつの盆栽園で守り続けられる名樹の今を感慨深く拝見してきました。
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盆栽人としての人生で、どれ程の“本物”と出会い、その樹と共に入られるでしょう?
昇天の龍もいずれは竹山先生から次のこの樹に相応しい盆栽家が受け継ぐ時が来るでしょう。
その時も竹山先生が 内に秘めた“受け継ぐ心”を大切にして頂きたいと願っています。
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【愛樹 真柏二点 会場に!】

春の叙勲で旭日双光章を受章された 舩山会長。
長いお出入りをさせて頂くお客様の、ご正業での活躍による栄誉は、私事の様に嬉しいものです。
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300人を超えるお祝いにいらした各界の皆様の前に、会長と共に十数年をかけて
未完の樹から仕上げた真柏二本が、会場飾られて、今日の祝賀を共に祝っていました。
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初夏に東京白金「八芳園」で盆栽界としての祝いをさせて頂いた時、
駆けつけてくださった福田次郎元盆栽協会理事長が、秋の叙勲を受章された報せが先日届き、
こうして盆栽の世界に携わり国や文化の為に尽力される方々を傍に拝見する事で、
あらためてこの世界の為、お客様の為に精進しようと思いました。
また、アトラクションとしてマリンバの演奏がありましたが、奏者は舩山会長の愛孫 花菜さん。
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東京芸大在学中で 既に海外公演などの活動をされて、文部大臣賞も受賞されています。
十代より 正業に励まれ、ご苦労の末に県を代表する業界法人となり、ご子息に社長を譲られ、お孫様は芸大生としてご活躍。
日本人事業家の鑑と言える舩山会長、これからも私は会長の盆栽を守りながら、会長の足跡について行こうと思います。

【小林國雄理事長の審美!】
来春の東京都美術館「日本の水石展」床の間飾りの追加撮影の為に、春花園 小林國雄理事長の所へ伺いました。
目に飛び込んで来たのは、名亭「啓雅亭」の座敷床の間に飾られていた真柏。
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流麗な舎利幹・天ジン・無駄は枝を省いた空間有美・豪華な樹相の真柏が多い現代、久し振りに心にグッとくる“本物”を拝見しました。
雨竹亭への割愛をお願いしましたが、「こんな樹が好きでしばらくここで眺めていたいんだ」と上手に断られてしまいました。
“面から線へ”。
小林理事長が以前より盆栽に対して提唱してきた美意識、
こんな樹を見るとプロとして“何を良しとして伝えるべきなのか”を改めて考えさせられます。
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他の部屋の室礼飾りも素晴らしく、遮二無二駆け続ける『木下藤吉郎』だと思っていた理事長は、
いつのまにか利休と精神的茶道美を追求する『太閤』へと盆栽作家としての昇華を重ねていました。
及ばぬまでも私も私なりに頑張ろう!
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【「後の月」の 風情】

10日21日、今年の十六夜の月となりました。用向きがあって 
羽生市内の恩ある古老愛好家 根岸先生の所へ伺う時、
丁度名残りのススキの穂が上手く上がっていたので、数日の間 楽しんで頂こうと持参しました。
奥様共々大変喜んで下さったのですが、「座敷の方にこれと一緒に飾りましょうね!」と、
奥様が 月見団子と台飾りを運んで来ました。
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23代続く 名家、日本の歳時記の中で、ともすれば慌しい日々 
忘れがちな“大切な自然との対話”の刻を こうして何気なくされている・・・
頭の下がる思いでした。
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床の間には、蘇東坡の驢馬に乗った見事な木彫、名器 植松陶翠に設えられた舟形石の逸品!
石の銘は「浪浦」と言うそうです。
障子越しに影絵のように座敷に移るススキの姿、日常を豊かに楽しむことの素晴らしさを改めて教えて頂きました!


【胸を打たれるひたむきな研修生達】

12月に開催される盆栽作家の登竜門「日本盆栽作風展」は、
近年 次代の作家達のための
〈新鋭作家部門〉が設けられました。
今年も私の所で研修に励む若き盆栽家達が、拙い経験の中でも、必死に己の“今”を見つめて この展覧に挑みます。
特に今年は 私の中国展開を支えてくれる西安の提携会社「楊凌雨竹亭園芸公司」で
2年の就業を経て、
法務局の手続きによって出向社員として羽生本店で日々盆栽の手入れ管理に努める中国の若者二人が挑戦します!
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郝君(右:ハオ・23歳)と 趙(左:ツァオ・24歳)です。
中原と言われた唐の時代の首都 長安は蔵法師が天竺から仏教の経典を持ち帰った 古都。
彼等は「日本で盆栽の手入れや管理を覚えて必ず故郷で盆栽家として頑張る」という自分達の強い決意を胸に来日しました。
日本語も殆ど分からず、特別ビザの関係で、1年は肉親が死んでも帰ったら来られなくなる、
と言う様々な問題も、自分達で両親を説得して来日しました。
日常の彼等は 私から見れば、現代の日本の若者も見習ってほしい程の 勤勉さです。
月々の給料も 決して裕福とは言えない両親に少しでも送ってあげたいと、
“日本の野菜は高すぎ”と言って、培養場の隅で 自分達で菜園を作って食べています。
言葉が少ししか分からなくても、私の言うことを一言一句聞き漏らすまいと、
必死に動き、今では 私が考えている事も、殆ど先に理解しているようです。
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先日、最後の鉢合わせを指導しました。
自分の手で 仕上げた樹が、自分の名前で 展覧会に飾られる。
彼等に私の出来るすべてを3年間に注ぎたいと思います。
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