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盆栽歴43年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 日常


【1億円「天帝の松」も 故郷で冬眠中です!】

年末から雪の多い 福島県舩山邸に12日 伺いました。
前日が最低気温を更新する寒さだったとタクシーの運転手さんも言っていました。
舩山会長の邸内も雪景色!
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数々の名木達も真っ白な雪の帽子を被って静かに眠っていました。
新緑風展のメインポスターに載せる作品(勿論 今回の出展樹)を お願いに行きましたが、
会長歓談の刻を過ごして、決めるのを忘れてしまいました。
舩山会長曰く「アンタがよく考えてやればいい」と、いつもの調子。
大観展に出品した五葉松「天帝の松」を飾ることを主催側は希望されていましたが、
会長が「去年は世界大会・大観展と、コイツは出稼ぎしてたから、しばらくはここでゆっくりさせてあげたい」
・・会長らしい!
その通りだと思い、日本盆栽協同組合・大嶋理事長に現場から連絡して、他の作品でも良いとの 許可を貰いました。
さて、雪解けの頃には、東京への“出稼ぎ”の盆栽を誰にするか?会長と決めます。
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【エスキューブ天地会と兄弟会 新設会場で!】

庭木を中心に日本最大の中国輸出事業を展開する共種園の父君が運営する「マルキョウ交換会」は、
"お父さん"の人柄もあり、私ども天地会に並ぶ関東最大級のプロオークション会です。
著名盆栽園から地元の愛好家まで幅広く参加され、今回1月5日は初会ということもあって、100人の参加者でした。
小林國雄氏・蔓青園を筆頭に熱い掛け声で進みました。
中国勢の圧倒的な買付の中、"本物"が出てくると、私も含めて日本チームの声が強くなります。
結果、日本チームでは、いつもの通り 私の買付額が1番になりましたが、
初春を彩る流通の元気さを感じる1日でした!


【「面」で作る盆栽から「線」の美を!】

新年恒例の水石協会理事長・春花園 小林國雄理事長宅へ伺いました。
盆栽作家として頂点を歩む理事長は「日本の盆栽を"面"から"線"へ」と説かれます。
応接床の間に飾られた真柏は、まさにその言葉を具現化したものでした。

「棚」と呼ばれる枝の面を作る事をせず、幹・枝・そのすべてに命が生き続ける躍動と苦難を
見事に表現されていました。
大陸中国での活動を精力的に繰り広げる理事長だからこそ、
日本の盆栽のあるべき本質を自身の作家活動によって訴え続けているのだと思います。
水石界の再興と発展を牽引する理事長、人は私の事を「水石協会の懐刀・軍師」と呼ばれますが、
参謀は大将が輝いているからこそのものです。
私から見れば、小林國雄理事長は、木下藤吉郎そのものです。
裸足で前を向いて真っ直ぐ走って行く、でもそれは必ず太陽の射す王道。
だから 私は私の出来る私の仕事をするのです。
真柏に込められた理事長の想いを眼福とする年始参りでした。


【木村正彦師ら、盆栽作家100名参加】

月例となっている羽生雨竹亭の盆栽オークション「天地会」の年の納めの会が先日開催されました。
準備した出品用の棚に置き切らない程の盆栽達!
それでも競り人である私と盆栽組合の主競り人大久保さんで、朝から気合を入れた競り声で"飛ばし"ました。
夕闇迫る頃、終了の手拍子、総出来高7676万は 
盆栽界の中心地上野グリーンクラブでの「水曜会」を大きく上回るものでした。
決して名木が出るわけでもなく、手頃な盆栽が数多く
しかし不落札が少なく約8割が成立するという、近年の成立率としては群を抜くものでした。

木村正彦師・蔓青園 を筆頭に東日本盆栽界の主要メンバーが揃って参加して下さったのも大きかったです。
とりわけ、中国からの参加者(プロ盆栽園主・バイヤー)の 熱気凄く、
私も買いたい盆栽の半数が入手出来ませんでした。
これからも中国勢の来訪買い付けは、冬の間続くでしょう。
日本盆栽界としても「売りたい業者・国外行きは困る?」というジレンマの中で、
市場の動向を見守る事になります。
近い将来、国風展上級クラスの盆栽の海外流出に対する規制が必要になる時が来るでしょう。
但し、民間の「自主規制」というものは、"食べなければならない"プロと
良識的コンプライアンスを唱えるプロの見解の相違を埋める事は出来ません。
名盆栽が、もっと「国の宝」としての真の評価(安すぎるのです)を得て、
行政が保護するまでには、まだまだ時間が掛かります。


【圧巻の逸材は "神の手"木村正彦先生へ!】

先月来 木村正彦先生と 共同で入手した 北海道からの山採り素材群。
最後に
"これが完成したら、木村作品の頂点・真柏 登龍の舞 を越える名品になる"
と確実視される一位が、到着しました!
うねり上がる幹は、どのように生きてきたらこんな姿になるものか、想像を越えるものです!
木村先生は「無駄な舎利やジンを取り除いて、この樹の本質を呼び出すことがまず大切」と仰います。
この樹の為に北海道一群輸送があったと言っても過言ではありません。
ここからの追跡取材は1~2年かけて『月刊近代盆栽』が、独占で行います。
名匠の技の限りを尽くした傑作の完成が楽しみです!

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