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盆栽歴44年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 日常


【40年来の恩人・名伯楽は今も業界のご意見番!】

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盆栽界の名伯楽として、組合理事長14年・協会理事長4年・そして語り草となる昨春の「世界盆栽大会」の歴史的大成功。
福田次郎元理事長の功績は、私達若輩からみても まさに盆栽界を人生をかけて牽引して下さったと思います。
尋常小学校しか出ず、福田園芸として盆栽界で活躍した翁との出会いは、私が小僧の頃、作風展の売店。
当時 師匠が中国で開発制作した新々渡鉢の立売りをしていた私に
「腕の良い売り子さんだけど、どこで雇われたの?」と声をかけて下さって、
「栃木の竹風園の修行の者です」とお話をした記憶です。
39歳で 様々な想いを胸に 独立した私に
「森前君は番頭時代からよくやっていた。私の責任で国風展の売店出店を認めます」と、
その後の「銀座森前」開店の礎を創って下さったのは、生涯変わらない一生の恩人です。
いつのまにか歳を重ねて福田翁に「モリちゃん、長い付き合いじゃないか」と言われる機会も多く、不思議に元理事長の頼み事は断れません(笑)
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愛好家としての大恩人 福島の舩山会長が、春の叙勲・こうして福田元理事長が秋の叙勲。
奇しくも 同じ『旭日双光章』。
人の縁の不思議と有り難さを本当に思います。
福田理事長、おめでとうございました!

【圧倒的な名品群!】

京都・日本盆栽大観展の実行委員長と企画協力の私、鈴木伸二さんと二人で良い意味で全力を尽くした展覧でした。
様々な事務整理を二人でするのに、先日久しぶりに彼のアトリエ小布施へ伺いました。
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多くのお弟子さん達と盆栽に囲まれる彼とは、この小布施の地で30年程前に夢を語り合ったものです。
まもなく60代となる中、昔の夢とはまた別の今だからこそ想う“これからすべき事”を話しました。
それにしても、彼のアトリエは名木のオンパレードと言うべきものです。
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木村正彦先生・小林國雄理事長・そして鈴木伸二さん。
皆さん私と交友深く、日本三大盆栽作家と私は不思議な縁です。
小布施から羽生に戻って我が家の盆栽達を見ると、勿論レベルは伸二さんの方が格段に上ですが、
我が家の盆栽は不思議に一緒に“生きている”家族に思えて・・可愛いものです!(親バカですね!)
皆さんも東京から約2時間半かかりますが、本当の盆栽の素晴らしさ、
そしてそこにいる伸二さんの盆栽に対する愛情・若きお弟子さん達のキビキビとした心地良い応対。
「盆栽って素晴らしいなあ」と必ず思える“美しい空間”です。
是非一度ご覧になって下さい。
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【雑木盆栽の素晴らしさ! 蘇る『昇天の龍』】

大観展の関係で久し振りに大宮盆栽村の竹山先生の所へ伺いました。
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雑木盆栽の名手と謳われた芙蓉園。
ひとつひとつの樹の手入れの行き届いた状態に感銘を受ける程でした。
そして日本盆栽界を代表する名樹 真柏『昇天の龍』 
培養を考えての竹山先生の慧眼で、長く大振りな葉組になっていたものが、
鋏技による“透かし切り”が施されて、往時の姿へ蘇りつつありました。
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若き頃、国風盆栽展で若衆として展示品の警備と水掛け当番となった時、私の持ち場はこの昇天の龍の所でした。
1日この樹の前に立ち続けて、舎利幹や樹姿の隅々を眺め続けたあの頃を思い出し、
50年という人生にも近い時間をひとつの盆栽園で守り続けられる名樹の今を感慨深く拝見してきました。
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盆栽人としての人生で、どれ程の“本物”と出会い、その樹と共に入られるでしょう?
昇天の龍もいずれは竹山先生から次のこの樹に相応しい盆栽家が受け継ぐ時が来るでしょう。
その時も竹山先生が 内に秘めた“受け継ぐ心”を大切にして頂きたいと願っています。
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【愛樹 真柏二点 会場に!】

春の叙勲で旭日双光章を受章された 舩山会長。
長いお出入りをさせて頂くお客様の、ご正業での活躍による栄誉は、私事の様に嬉しいものです。
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300人を超えるお祝いにいらした各界の皆様の前に、会長と共に十数年をかけて
未完の樹から仕上げた真柏二本が、会場飾られて、今日の祝賀を共に祝っていました。
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初夏に東京白金「八芳園」で盆栽界としての祝いをさせて頂いた時、
駆けつけてくださった福田次郎元盆栽協会理事長が、秋の叙勲を受章された報せが先日届き、
こうして盆栽の世界に携わり国や文化の為に尽力される方々を傍に拝見する事で、
あらためてこの世界の為、お客様の為に精進しようと思いました。
また、アトラクションとしてマリンバの演奏がありましたが、奏者は舩山会長の愛孫 花菜さん。
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東京芸大在学中で 既に海外公演などの活動をされて、文部大臣賞も受賞されています。
十代より 正業に励まれ、ご苦労の末に県を代表する業界法人となり、ご子息に社長を譲られ、お孫様は芸大生としてご活躍。
日本人事業家の鑑と言える舩山会長、これからも私は会長の盆栽を守りながら、会長の足跡について行こうと思います。

【小林國雄理事長の審美!】
来春の東京都美術館「日本の水石展」床の間飾りの追加撮影の為に、春花園 小林國雄理事長の所へ伺いました。
目に飛び込んで来たのは、名亭「啓雅亭」の座敷床の間に飾られていた真柏。
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流麗な舎利幹・天ジン・無駄は枝を省いた空間有美・豪華な樹相の真柏が多い現代、久し振りに心にグッとくる“本物”を拝見しました。
雨竹亭への割愛をお願いしましたが、「こんな樹が好きでしばらくここで眺めていたいんだ」と上手に断られてしまいました。
“面から線へ”。
小林理事長が以前より盆栽に対して提唱してきた美意識、
こんな樹を見るとプロとして“何を良しとして伝えるべきなのか”を改めて考えさせられます。
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他の部屋の室礼飾りも素晴らしく、遮二無二駆け続ける『木下藤吉郎』だと思っていた理事長は、
いつのまにか利休と精神的茶道美を追求する『太閤』へと盆栽作家としての昇華を重ねていました。
及ばぬまでも私も私なりに頑張ろう!
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