雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴42年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 日常

先日の“久々に震えた逸材”を早速鉢合わせしました。

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“線”の美しさと足造りなどに見られる“研ぎ澄まされた程よい緊張感を併せ持つ
100年前の日本鉢を選びました。

意識としては室町時代水墨画に表現される“線”と僅かな枝の葉組みで生きる姿に,
真柏盆栽に最も大切な「気韻生動」の美を現出したいと思いました。

私は昭和の戦後生まれですが、明治大正昭和前期に育まれた日本の盆栽“美学”にこそ、
未来永劫に続く大切なものがあると確信しています。


どうぞ羽生にこの子に逢いにいらして下さい。


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入社6年となる白石君は私のアシスタントの仕事を含めてオールマイティーに仕事をしています。

顔に似合わず⁉盆栽の方はどちらかというと繊細なお洒落なものがあっている様です。

今日は細身の中に山取りの厳しさを潜ます真柏の整姿に没頭していましたが、柄にもなく!
私のカメラにはにかみ笑いをしていました。

あばれて“見捨てられた”ような樹もその樹の持つ“見所”を捉えて鉢合わせをすれば……

ちゃんと人が振り向いてくれる“美人”に生まれ変わるものです!

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さて今年の日本盆栽作風展の(新鋭若手部門)で彼がどんな作品を披露するか、

乞うご期待です‼

連日38~9度の猛暑の羽生もお盆を過ぎるとなんとなく朝晩が過ごし易い気がします。
盆栽もいよいよ秋飾りの準備です。

この間プロ専門のオークションがあって
“欲しくて”競り合って
この「柿」を手に入れました。

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細身ですが持込み良く、実の形、実成り、樹姿、垢抜けた風情を感じる嬉しい一樹でした。


実成りのせいでバランスがとれず倒れてしまうことと、訪れる秋には紅色の美しい実色を楽しむのが柿盆栽の醍醐味なのに、暗紅色の鉢に入っているので少し早いのですが、
根を痛めないように実色を映えさせてくれる白釉の鉢に移し植えました。

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懸崖の鉢縁の“アタリ”部分や“倒れない”為の足作りなど、
「見栄えの良さと実用の基本」を考えてこんな感じにしました。


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季節の味わいを楽しむものこそ、細やかな心遣いをしたいですね。


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明日からエスキューブは羽生本店銀座店共に4日間の“夏休み”になります。

正直言って私のような世代には盆栽屋が夏休みなんて理解が出来ませんが、会社というものは面倒なものでスタッフの管理の面でも必要だそうです。

60の歳にはまだ3年半ありますが、
“小僧あがりの意地”と言いますか
“私の生き方”でその間は前もって連休を取って“水かけ番”として残る二人と一緒に2000点に及ぶ「我が子達」と羽生を守る予定です

「近代出版」の原稿(17日締切!)や水石協会の会報原稿などやる事は山ほどあるので。 ただ普段と違って

「夏期休業の為16日まで休園」

と表門に貼ってあるので訪れる方々も少ないと思います。
逆にこんな時、勝手口から「見せて」と声をかけられると

“ほらお客様だ、やっぱり盆栽屋はいつも開けてなきゃ”

なんて勝手に一人でお茶入れたりしているもんなんです。

門が閉じている中でのんびり盆栽水石談義っていうのも楽しいですよ!

お盆のまだ暑い中です。

水に打たれた清々しい「我が子達」と

“暑苦しい”私がお待ちしています。

8月6日新潟県燕市  

私達は半世紀をただひたすらに盆栽を育ててきた老匠の所にいました。

笹川重義さん、81歳。

気温38度の暑さの中、私達より元気に笹川さんは一日ご自分の愛樹の説明をして下さいました。


丁度一年前偶然にお伺いしたこの「タイムスリップ」したような盆栽棚は同じ姿で私達を迎えてくれました。

蝦夷松と真柏を挿し芽から、
樹齢50年の盆栽へ作出した老匠の「国風展への道程」という近代盆栽の依頼取材のためです。


“こんな生き方の人こそ今の盆栽界に伝えたい”

と言う私の思いに近代盆栽さんが賛同してくださり、
来春まで続く取材の第一回としての新潟でした。

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写真は同行した小店のスタッフ白石君に笹川さんが

「若い人が受け継いで」

と挿し芽から仕上げられた蝦夷松の寄植えを進呈下さったものです。

受け継がれて繋ぐ心と命。



こういう仕事が一番楽しいですね。

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