雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴43年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 日常

【『春花園 盆栽美術館』】

今年の明治神宮「第58回 日本水石名品展」の 審査選考と図録撮影の為、
久しぶりに理事長宅でもある「春花園盆栽美術館」に赴きました。
IMG_5851
皐月盆栽の花が咲き始めた邸内は、所狭しと名木群がズラリ! 
IMG_5849
IMG_5847
IMG_5845
しかもよく見れば 殆どの樹が以前見た時からの手入れによって、少しずつ樹相を変えていました。
IMG_5844
IMG_5850
「古希を迎えて 今は樹を作ることが何よりも楽しい時間なんだよ」と 盆栽作家である理事長の偽らざる気持ちのようです。
潤いのある庭と空気、2代目の若き美術館 館長となった神君達スタッフも
盆栽のように少しずつ、成長していることが、心地よい時間でした。
IMG_5848
IMG_5846

 【高見の見物(誰も乗ってくれない!)】

木村先生の との中国訪問から帰って、僅かに残った名残の桜を見て、伸び過ぎた枝や害虫が広がる前に、枝打ちをする事にしました。
背の高くなった桜達はもう脚立では届かず、友人の庭師から重機を借りて行いました。
“誰か乗って!”と言ったら、サーっと皆んな引いてしまって、結局数え60の私が箱に乗る事になりました。
IMG_5548
初めて乗った箱ですが、やっぱり機械を使うと仕事が早い!
残った時間で “そうだ!雨竹亭を高い所から撮っておこう!” と思って、色々iPad で撮りました。
IMG_5546
IMG_5547
IMG_5545
普段暮らしている所からの景色とはまた違う、いろんなものが見えた気がしました。


【原 研哉さんの 賛文 最高です!】

日頃から盆栽の展示でお世話になっているGSIXの蔦屋書店さんで、久しぶりの企画展示をさせて頂きました。
IMG_5259
IMG_5255
IMG_5256
その展示のメインボードに、デザイン界の巨匠・原研哉さんの 盆栽に対する序文を頂きました。
その文の素晴らしさ! 
IMG_5258
僅かな言葉で、人が盆栽とどう関わるべきかを、見事に説いています。
この文に込められた盆栽を見つめる心に触れるだけでも、この展示企画はしてよかったと思う程です。
ぜひ皆さんも見てあげて下さい。
主人公は・・・盆栽達です!

IMG_5257
IMG_5254


【雑木盆栽の名匠・四季を奏でる自然美の結晶達】

FullSizeRender
先日、久し振りに大宮盆栽美術館へ伺い、大先輩 芙蓉園主 竹山浩先生の個展を拝見しました。
IMG_5184
ひとことで、その端正な作風に感動しました。
松柏盆栽が中国などの流通影響で、もてはやされる中、
日本盆栽界が「刻」と言う何ものにも代え難い宝物によって創り上げた美の世界が散りばめられていました。
IMG_5185
若き頃、先代芙蓉園の房造先生の寄植え作品に感動した思い出が、二代現ご当主にも正統に受け継がれていることに、
盆栽とは伝承する文化である事を、あらためて認識させられました。
私のような腕ではこんな見事な作品は創出出来ませんが、
同じ盆栽人として、せめてその姿勢を見習いたいと思いました。
FullSizeRender


【実用と失われた古盆を求めて】

数年前から 訪れて、盆栽鉢「広東」の 新しい実用品を模索する中で、出会った人達と 次なる扉への相談に訪れました。
IMG_4613

IMG_4614

「華南軒」は、広州1番の骨董街の中でも、盆器の目利きとして名高いオーナーさん。
エスキューブの中国姉妹店「楊凌雨竹亭」社長の宋さんとの旅です。
ここ佛山市は中国で「古鎮」という呼び名で言われる“現地の歴史と文化を残した地区”です。
IMG_4616

久々に伺った華南軒は、相変わらず“何処にこんなに古鉢があるのか?”と思う程の品数でした。
「貴方が来ると聞いたから、一生懸命集めたよ」と、商売上手も相変わらずでした!
IMG_4615

オーナーの好みと私の欲しい物に微妙な差はありますが、日本の盆栽界に持って帰りたいものも多かったです。
丁度、この地に着いた頃、日本の羽生本店から“コンテナが届きました”と連絡。
昨年集めた古作・新作が国風展や植え替えに間に合うように届いたのです。

佛山の骨董街でひと通りの買付を終えて、一時間半の車程で、郊外の山間にある劉さんの窯場に着きました。
IMG_4618
IMG_4619

昨年の国風展売店で「均窯袋式楕円」を再現して、話題となった窯です。
「広東の本当の実力を次の時代に残したい」と、30年前教職を捨てて窯の再現に尽くした古窯復活の恩人です。
今回も次にどんな鉢の再現をしようかとの打合せでした。
IMG_4620

“こんな釉薬鉢があったら”と日頃から脳裏に描いているものを劉さんとあれこれ話して来ました。
秋には また “本物の新作”が日本に届くでしょう。

中国との盆栽の商売、圧倒的な資金力と購買力で、夥しい数の盆栽が海を渡っています。
私達 専業者はその恩恵に預かっていますが、“売るだけの仕事”より、
この中国で日本盆栽界の未来の宝を探したり、作ったりして、それを持ち帰れたらと 始めた仕事です。
いつか自分が作った鉢が多くの愛好家の名木に使われるなら、この中国でのストレスも報われると思っています。

↑このページのトップヘ