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盆栽歴43年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 日常


【1億~10億円 の 清朝宮廷文房家具『觀復 美術館』】

羽生にこの春いらした北京の実業家 張建祝氏 の依頼により、盆栽を展示できる庭園の設計の為に、久しぶりの北京訪問をしました。
帰路、昼食の時間を削って以前より一度は訪れたかった市内の『觀復美術館』を拝見しました。
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現在、世界を席巻する中国古美術。
中でも唐木と言われる貴重な材を使用した200~500年前の皇帝や貴族が、贅沢な調度品として作らせた“卓類”は、
最高位のものとなると、サザビースやクリスティーズなど、地球規模で美術オークションを繰り広げる世界では、1億円など当たり前、
5億や10億円もある 私達の理解の範疇を超えるものです。
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この美術館は、中国古美術がまだ今ほどの脚光を浴びる以前から、
その歴史的・文化的・技術的・すべての内容的価値を見出した馬師の個人コレクションによる中国ではとても珍しい美術館です。
個人美術館と言うと、どこか手前味噌的な 玉石混交のコレクションが感じられますが、
馬師が生涯をかけて蒐集したものは、中国美術界の鑑と言えるほどの「中華の宝」です。
館内に陳列された展示品の数々は、どれ
も『故宮美術館』を凌駕するほどのレベルですが、
特に明代から清代にかけての、陶磁器と唐木調度品は、息を飲むものでした。
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中国政府が個人美術館として認めた第1号であることが当然と頷けます。
更に驚いたのが、美術館のアプローチ部に陳列された盆栽が、以前私が手掛けたものだったことです。
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鑑賞を熱望していた海の向こうの美術館、そこで再開した自分の盆栽。
何か不思議な力によって導かれたことを想う旅でした。


【僅か十数年で、次代の名樹の担い手となった逸材!】

日本はおろか、中国・海外全てにおいて、盆栽界の“序列”とは無縁に「名木を見るなら宝樹園」とまで言わしめる椎野健太郎氏。
神奈川県秦野市の山間部 自然豊かな風光明媚の地に軽トラック1台から身を起こして、
いまや私も含めて日本盆栽界(特にプロの間)で知らぬ者はいないとまでなった若きトップランナー。
名門 岡崎鈴木「大樹園」での修行を経た、俗に言う“叩き上げ”。
小田原の大家小泉薫先生の所へ赴いた帰途、久しぶりに訪問しました。
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この季節、霞立つ山々に囲まれた“仙境”のような彼の庭は、前にも増して名品と言える樹々が静かな刻の流れの中にいました。
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寡黙で芯の強さを秘める椎野さん、盆栽に対する姿勢、若さ、良き仲間達、老成の時を間近にする私からは、
このような“本物の考え”を持つ日本盆栽家が、業界の垢に汚れることなく成長してくれることを、只々願うばかりでした。

【『春花園 盆栽美術館』】

今年の明治神宮「第58回 日本水石名品展」の 審査選考と図録撮影の為、
久しぶりに理事長宅でもある「春花園盆栽美術館」に赴きました。
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皐月盆栽の花が咲き始めた邸内は、所狭しと名木群がズラリ! 
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しかもよく見れば 殆どの樹が以前見た時からの手入れによって、少しずつ樹相を変えていました。
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「古希を迎えて 今は樹を作ることが何よりも楽しい時間なんだよ」と 盆栽作家である理事長の偽らざる気持ちのようです。
潤いのある庭と空気、2代目の若き美術館 館長となった神君達スタッフも
盆栽のように少しずつ、成長していることが、心地よい時間でした。
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 【高見の見物(誰も乗ってくれない!)】

木村先生の との中国訪問から帰って、僅かに残った名残の桜を見て、伸び過ぎた枝や害虫が広がる前に、枝打ちをする事にしました。
背の高くなった桜達はもう脚立では届かず、友人の庭師から重機を借りて行いました。
“誰か乗って!”と言ったら、サーっと皆んな引いてしまって、結局数え60の私が箱に乗る事になりました。
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初めて乗った箱ですが、やっぱり機械を使うと仕事が早い!
残った時間で “そうだ!雨竹亭を高い所から撮っておこう!” と思って、色々iPad で撮りました。
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普段暮らしている所からの景色とはまた違う、いろんなものが見えた気がしました。


【原 研哉さんの 賛文 最高です!】

日頃から盆栽の展示でお世話になっているGSIXの蔦屋書店さんで、久しぶりの企画展示をさせて頂きました。
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その展示のメインボードに、デザイン界の巨匠・原研哉さんの 盆栽に対する序文を頂きました。
その文の素晴らしさ! 
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僅かな言葉で、人が盆栽とどう関わるべきかを、見事に説いています。
この文に込められた盆栽を見つめる心に触れるだけでも、この展示企画はしてよかったと思う程です。
ぜひ皆さんも見てあげて下さい。
主人公は・・・盆栽達です!

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