雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴45年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

カテゴリ: 日常


造営が進んでいる「大徳寺盆栽庭園」。
大門の右方の延段脇を飾る枯山水庭園、盆栽の景石「揖斐川龍眼石・伊予石」を使っての作庭を考えました。
歴史ある名刹を預かる庭師の親方達、庭園の本体部分は私などが口を挟むものなどないくらいのレベル!
入口の左右の仕様を預かった私が考えたのは「盆栽師ならではの枯山水」。

先日諸用で名園「蔓青園」さんに伺った際、現当主(五代目!)の崇寿さんに、大徳寺の計画を伝えて、
所蔵されている三代目三郎先生の遺品である景石郡の割愛をお願いしたところ、
“売り物ではない、と普段言っていますが、歴史ある名刹に私利を捨てて盆栽庭園を作られる森前さんに協力します”
と、亡き日本盆栽界の恩人、加藤三郎先生の集められた石群を、しかも、仮組みをして使いたいものだけを分けて頂く事になったのです。

image

冷雨降る日、庭の各所に散る遺愛石を出しては並べ、また戻し、半日ほどかけて十数点の古石を有り難く割愛頂きました。
果たして、後日この石達が、現場でどのような「貌」を見せてくれるか?まだ、私も半信半疑です。

image

でも、蔓青園さんにかけて頂いた心、天国にいる三郎先生への想い、色々なものを込めて込めて「盆栽師の景石枯山水」に挑んでみようと思います。

image

雨の中、びしょ濡れになって、何度も何度も組み直しをする私に嫌な顔ひとつ見せずに手伝ってくれた若衆の皆さん、ありがとうございました。


羽生雨竹亭も開園して15年の時が経っています。
開園当初からこの庭の盆栽を守り続けてくれたわんこ「ガル」と「太郎」。

image

天国に行ってもう何年にもなります。
2人は雨竹亭のみんなといつまでも一緒に居られるように、庭内を見渡せる片隅に静かに眠っています。

先日、ようやく秋らしい日和が続くようになったこの庭に、いつの間にか“彼岸花“が土から茎を伸ばして咲き始めました。

image

そこは、ガルと太郎が眠っている真上でした。
樹齢数百年の雨竹亭の守り神と言える黒松の大樹が置かれているそば。

image

今でこそ“雨竹亭“・“エスキューブ”を多くの方々が知って下さっていますが、当時は開園間もなく、盆栽の配置や日々の生活に追われていた時。
彼ら二人が、私達をいつも隣で癒してくれていました。
コロナの年、辛いことや苦しいことが続いた半年。
「ああ、きっとガルとタロウが、“負けないで!見ているから!“と、咲かせてくれたんだ」と思いました。
良き秋になりますように。
良き冬になりますように。

【マルキョウ植木】

千葉・匝瑳市で、植木・盆栽の生産と販売をされるマルキョウ植木・江波戸さん。
私より7歳上の68歳、バイタリティーあふれる活躍にはいつも頭が下がります。

image

大型の槇の植木から、最近は「次の時代のために」と、お孫さん達と、若木の生産までされています。
広大な培養場を埋め尽くす程の松柏の群、私もそうですが、これだけの圧倒される量、自分の気持ちが相当に強くなければ維持管理は出来ません。


月に数回のオークション会場としても、全国の業者に知られる江波戸さん。

image

お年を重ねても“前へ前へ“と日々努力される姿は、すべてに見習うものがあります。
名木から苗木まで、プロのあるべき姿がここにありました。

image


生産が減少する盆栽界、唯一の里、四国鬼無は私達にとっても大切な場所。
日頃からお世話になっている北谷養盛園さんへ伺いました。

image

4代にわたる培養で出来た黒松・五葉松。培養の苦労から年々の手入など、普段は買付が主な予定ですが、
今回は会社のみんなを連れて、“作り手の方々のご苦労の現場“を直に見て、エスキューブがすべき意味を伝えたくて来ました。

image



また、通販大手“妙興“の辻本さんの好意で、“これからの盆栽通信販売”がしなければならない意味とスキルについて、とても貴重な時間をご一緒しました。

image

“4億円の盆栽通販市場を10倍に出来れば“と言う想いを描かれる辻本さんは、自身が苦労されて辿った世界を、私達に惜しみなく公開して下さいました。
“ひとりが頑張ってもダメです。みんなでこの世界に何が貢献できるか?私で協力する事が有れば”、
とここからの通信販売での盆栽の在り方の構築をしました。
会社の若いスタッフ達に託す“次の時代の仕事“。年をとりました!皆んなの成長を願うばかりです。


コロナウィルスの感染予防で、開催が危ぶまれていた業界中央オークション「水曜会」
上野グリーンクラブで多くのプロ盆栽作家・バイヤー・を集めて久しぶりに開催されました。

IMG_9166
IMG_9168

在宅の人達が多い社会環境、通信販売での盆栽購入が伸びる中、オークションでも中型の作品に声が集中しました。
先日の私の水石図鑑執筆の時も、山里まで陣中見舞いに来てくれた鈴木伸二さんも
「作りたいような素材がないですね」と嘆く程、“おっ“と見直すような樹は中々出ません。
やはりコロナの影響で、遠くからの“眼垢が着いていない樹“が、東京開催という事で、集荷が少ないようです。

IMG_9167
IMG_9170

その為に組合も考えて、ライブ映像での会員参加ができるように、色々と設備の試行錯誤をしているようです。
それでも、ここへ来れば、どうしても“虫“が騒いで、結局300万程の仕入れをしました。

今日も、13日に予定されている水石協会の大オークションの業界への挨拶も兼ねてきました。
私の羽生で行われる年に2回の大会、沢山の盆栽や水石・鉢・が集まる事を祈っています。

IMG_9169

同席した水石協会の役員としていつも一緒に苦労している、蔓青園の加藤さん・鈴木伸二さん・みんなで多くの参加をお願いしました!

↑このページのトップヘ