雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴47年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

2021年10月

【受け継がれる技術の継承】

日頃から雨竹亭の盆栽整姿術に協力をして頂いている、森山義彦さん。
木村正彦先生の直弟子として、将来を嘱望されている盆栽作家。
作風展頂点への挑戦をされる中、私と相談して、雨竹亭のスタッフである近藤瑞希君を
週に二日間の研修見習いを始めて頂くことになりました。

IMG_6319
森山さんと仕事を組み始めて4年。
温厚な人柄と、さすが木村先生が唯一埼玉県での独立を認めただけの腕!
そろそろ彼にも“本物の手入れ仕事“に打ち込める体制作りに入って欲しいと願って、
私のスタッフをそばに置いて、少しでも“生活費“の為の仕事が減らせるようにと願いました。


IMG_6320

勿論、雨竹亭としても、日常的な針金整姿のスタッフが、育ってくれれば、“1人がもう1人に“と、技術の継承ができます。
木村先生に憧れて盆栽作家を目指した森山君、そして彼が指導する若者が、技術を継承してゆく・・
年寄りの仲間入りが近い私から見れば、羨ましくもあり、微笑ましくもあり!

IMG_6318
まずは、近日行われる「日本盆栽作風展・審査会」で、森山君がどこまで階段を駆け上がるか!楽しみにしています!


秘匿され続けた、松島の東北真柏の逸材群!
現地の高橋さんが30年以上、すべてを山採り作出に尽して集めた百数十本の真柏達。

IMG_6184

初夏の頃、名匠木村正彦先生と内密に訪れて、高橋さんと将来の設計をして、木村先生の所へ数点を運び数ヶ月。
これが、一代で山採りから未公開で作出された真柏!? と驚く程の完成度❗️

IMG_6185

唯々、好きな山採りを続け、道なき道の果てに生き抜いた数百年の真柏達を、
山中で取木をかけ、1~2年、幾度も誰一人居ない山中へ行き、根着いた頃を見計らって、獣道を2〜3時間、巨木を背負い、誰も来ない自宅で数十年。
今回の名匠との出会いが、次代の日本の盆栽界に遺す名樹を生む事になりました。
弟子で宮城県多賀城で頑張っている、加藤充君の連絡でこの真柏逸材群を知ったのは、数年前。
“バイヤー達の餌食になるような事なく、東北の地で守ってほしい“ そんな私の願いを聞いてくれた木村先生には感謝しかありません。
所蔵真柏(全部高橋さんの山採り品)約200点! 出来れば一般に公開される来年までに、あと数点の逸材を木村先生にお願いしたいと思っています。

IMG_6186

“東北真柏の山採り未完の逸材群は生きていた!“ こんなフレーズで、『月刊近代盆栽』に、その全貌が公開されるのは、新春になりそうです。
ただ、海外でも人気の真柏は、札束を持ち歩く、“中国バイヤー“達の格好の餌食になりがち💦 

来年春には、愛好家の為に、自宅を公開したいとされる高橋さん。

「買取り希望の交渉、写真撮影は固くお断りします」


これを門前にかけて、この“未来の盆栽界の宝“を、みんなで見守りたいです。

【スッキリとした秋飾り!】


盆栽に興味を抱かれる方々、元々の愛好家のお得意様方。
羽生雨竹亭は、盆栽水石を楽しまれるすべての皆様への窓口を自負しています。
庭園の開設から16年。
応接展示室や展示場の屋根・壁も各所に傷みが生じ、8月下旬から9月中旬にかけて、大幅な改修工事をしました。
それに合わせて、工事期間利用が出来なかった庭園の整備と掃除をして、展示される盆栽達も一新しました。

IMG_6142
・・・自分で言うのも何ですが、❗️キレイ❗️になりました。
何が変わった訳でもなく、スッキリと開園当時の雰囲気に戻っただけなのに、とても清々しい気持ちになります。
多少の杭方の打ち直しや、植栽の撤去などをしましたが、全体の掃除を何よりも心がけて、
訪れる方々が、ゆっくりと、のんびりと、盆栽のある空間を楽しんで頂ければと仕上げました。


IMG_6143

庭内の老大樹や季節の盆栽達。
散策する楽しみとは別に、応接室には敢えて“何気ない季節の飾り“を縞ススキで設てみました。

IMG_6141
庭園に並ぶ名樹を前に、“これでもか“と、室内にまで高価な盆栽を飾るよりも、
お客様とゆっくり語らう前には、まるで“日本の野山の秋“がここにあり、その中でひとときを供させて頂いている。
この感覚を大切にしました。
ひとりで朝夕に庭に佇んでいると、言葉にならない“至福の時“を感じます。
何処からか、虫の音が聞こえて来る・・さあ、雨竹亭の秋の始まりです。


↑このページのトップヘ