雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴47年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

2021年03月


国風展のお届け物の途中に、玄虹会々員であり、関西を代表する生粋の盆栽愛好家、矢内さんの所にお邪魔しました。

IMG_2390

料亭「みのお茶寮」のご主人として腕を振われる一方で、ご自身で鋏を入れ、樹作りを楽しまれる“ホンモノの愛好家“として有名です。
私も30年以上前にお会いした時は、その風貌から“コワモテ“のイメージがありましたが、
実際には天才的な料理人らしく、盆栽も繊細で、名人大宮盆栽村の山田釜次郎翁の薫陶を半世紀以上前から受けただけの本格派!
修行時代に学んだ“盆栽は刻をかけてひとつずつ貌が違うもの“と言う古典の教えがここに来ると思い出されます。

IMG_2389
文人調・季節感見事な花物・楓を中心とする雑木盆栽の数々。
どれもが型に囚われず、その樹の“個性“を活かした作品となっています。
しかも、鉢にもこだわり、殆どが名器に納められていて、ここに来ると“盆栽はいいなあ“と、我ながら感じます。
京都大徳寺の盆栽庭園を預かる身となる中、こんなホンモノの盆栽世界観を忘れないようにと、自分に叱咤する刻となりました。


20日に開園となる、京都大徳寺「芳春院盆栽庭園」の展示盆栽の準備が始まりました。
この為に羽生の庭園で守ってきた樹、長く愛好家と私で作出してきた樹、季節を彩る愛らしい樹達。
永遠に閉じることない盆栽庭園の門を開ける時に観て頂く大切なメモリアル。
14日に出発する大移動の為、最終手入れが始まります。

IMG_2380
IMG_2381
この他に、日本を代表する盆栽家達、木村正彦先生・真柏「登龍の舞」小林國雄先生・黒松「翔鶴」鈴木伸二先生・真柏、井浦貴史先生・真柏「風神」等々、
国風賞や作風展内閣総理大臣賞作品など、皆さん永年のお付き合いの中の有り難さで、開園を祝う特別展を賑わせてくれます。


色々な準備を考えると、めまいがしてくるほどですが、芳春院和尚様をはじめ、
名樹の数々を私に預けて京都へ飾らせて下さる方々のお心に感謝しかありません。


昨秋から四国鬼無盆栽村に何回か訪れて、五葉松(宮島・銀八・大阪松・の呼び名のもの)を大量に買付け、
今朝先発便大型トラック2台分が、羽生に到着しました。

IMG_2341
予想はしていましたが、現地で見た時より大きく、これから鉢入れをする苦労が大変です。

鬼無での私の五葉松・黒松・“探索活動“笑、にいつも献身的に協力してくれる、北谷養盛園・北谷龍一さんとも、
“大型トラック3台分になる”と読んでいましたが、なんと2台満載で到着しました。
聞けば、この盆栽達の作出者である、小西さん・神高さん・が、長年の経験的技量を駆使して、
“森前さんに少しでも負担が減るように“と、熟練の積込みをしてくれたそうです。


IMG_2346

お二人の年齢は合計で150歳超え!
頭が下がる思い!尊敬します。


お二人が10代の頃から手がけてきた“手抜きない手入れ”を続けてきたこの樹達。
ここからの責任は私が受け継ぐことになります。
二度と作出は出来ない大きさ。
この樹達と向き合いながら、また私自身を育ててもらおうと思います。
しかし、いつもそうですが、私はなんでこういう“大きくて圧倒される盆栽”に惹かれるのでしょう?
もしかすると自分が本当はちっぽけな人間なので、自分には到底叶わないものに憧れているのか?
それとも松の命と人の努力が生み出した結晶に惹かれるのか?

IMG_2347
相変わらず、フォークリフトを使わないと動かせない盆栽?と、戦う我が社のスタッフ達、ご苦労様!ありがとう!
必ずこの子(松)達を、世に出る姿にしてみます‼️

↑このページのトップヘ