雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴45年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

2020年10月

【圧巻の春花園の盆栽群!】

来春の「第7回・日本の水石展」審査会が協会理事長宅、春花園で行われました。

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コロナ禍の中、150席の参加に感謝の限り!
内容高い展覧となります。


それにしても、小林理事長の所の盆栽群は、溜息の出るレベル!

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流石に美術館を名乗るだけの最高級!
蔓青園さん、鈴木伸二さんも、理事として参加しましたが、3人で “これだけのコレクションをプロでしている所は、ここだけだね”と。

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近く、盆栽『天』樹鉢『地』に続いて、集大成の水石を含めた小林國雄の大観を刊行する予定とのこと。
日本の盆栽水石界に残る本になる事を期待したいです!


台風の接近に一喜一憂する盆栽園、秋晴れの日になると、心がホッとします。
“名匠“木村正彦先生にお願いしていた五葉松の根連りが仕上がって帰ってきました。
2年前、うらぶれた姿で市場に売られていた木、培養の安定を確認するまで我慢して、先生に持ち込みました。

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100年を超える樹齢を見せる樹、揺れ立つ幹姿は、どんな盆栽作家でも創出することは出来ない味です。
「松風を聴く」・・そんな景色を創ってみました。

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掛軸は明治の名筆・山元春挙「来雁図」。

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渡り鳥の雁は、中秋から晩秋にかけて日本に飛んで来ます。
遠見に飛ぶ雁の群れのみで画中を構成しているのは、大家ならではの腕!
余計な書き込みがないだけ、主木をよく扶けてくれます。

脇には古谷石の重畳とした連峰の姿。

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大陸から島々を超えて来た雁の有り様を、席全体で表現しています。
やっぱり、持込みの古い松はいいですね!


造営が進んでいる「大徳寺盆栽庭園」。
大門の右方の延段脇を飾る枯山水庭園、盆栽の景石「揖斐川龍眼石・伊予石」を使っての作庭を考えました。
歴史ある名刹を預かる庭師の親方達、庭園の本体部分は私などが口を挟むものなどないくらいのレベル!
入口の左右の仕様を預かった私が考えたのは「盆栽師ならではの枯山水」。

先日諸用で名園「蔓青園」さんに伺った際、現当主(五代目!)の崇寿さんに、大徳寺の計画を伝えて、
所蔵されている三代目三郎先生の遺品である景石郡の割愛をお願いしたところ、
“売り物ではない、と普段言っていますが、歴史ある名刹に私利を捨てて盆栽庭園を作られる森前さんに協力します”
と、亡き日本盆栽界の恩人、加藤三郎先生の集められた石群を、しかも、仮組みをして使いたいものだけを分けて頂く事になったのです。

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冷雨降る日、庭の各所に散る遺愛石を出しては並べ、また戻し、半日ほどかけて十数点の古石を有り難く割愛頂きました。
果たして、後日この石達が、現場でどのような「貌」を見せてくれるか?まだ、私も半信半疑です。

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でも、蔓青園さんにかけて頂いた心、天国にいる三郎先生への想い、色々なものを込めて込めて「盆栽師の景石枯山水」に挑んでみようと思います。

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雨の中、びしょ濡れになって、何度も何度も組み直しをする私に嫌な顔ひとつ見せずに手伝ってくれた若衆の皆さん、ありがとうございました。


羽生雨竹亭も開園して15年の時が経っています。
開園当初からこの庭の盆栽を守り続けてくれたわんこ「ガル」と「太郎」。

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天国に行ってもう何年にもなります。
2人は雨竹亭のみんなといつまでも一緒に居られるように、庭内を見渡せる片隅に静かに眠っています。

先日、ようやく秋らしい日和が続くようになったこの庭に、いつの間にか“彼岸花“が土から茎を伸ばして咲き始めました。

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そこは、ガルと太郎が眠っている真上でした。
樹齢数百年の雨竹亭の守り神と言える黒松の大樹が置かれているそば。

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今でこそ“雨竹亭“・“エスキューブ”を多くの方々が知って下さっていますが、当時は開園間もなく、盆栽の配置や日々の生活に追われていた時。
彼ら二人が、私達をいつも隣で癒してくれていました。
コロナの年、辛いことや苦しいことが続いた半年。
「ああ、きっとガルとタロウが、“負けないで!見ているから!“と、咲かせてくれたんだ」と思いました。
良き秋になりますように。
良き冬になりますように。

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