雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴44年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

2019年07月

【20代からの思い出の「樹・人」】

先日 93歳のご長寿を全うされた名古屋の盆栽大家・鬼頭正男先生。
まだ20代の若き頃、皐月盆栽専門の愛好家だった先生の所にお手入れによく伺って
「本格的な盆栽趣味になさった方が」とお伝えしていました。
その先生が、国風賞を受賞される大家となり、盆栽協会の重鎮理事となられるなど、還暦を迎えた中、月日の長さを感じます。
愛蔵されていた イワシデ名樹が縁あって羽生雨竹亭に届きました!
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個人的な意見ですが、日本盆栽界においての「雑木盆栽」の三指に入る大名品だと思います。
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多くの名盆栽がある中でも、この樹は 樹自身の内容は勿論のこと、
過去 愛蔵された愛好家のすべてが、日本を代表する歴史的な方々で、「人品卑しからず」の紳士ばかりです。
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70年前の高橋貞助先生・40年前の岩船光雄先生・30年前の福島茂夫先生・20年前の大沼佑先生・そして鬼頭正男先生。
私とこの樹の“目に見えぬ縁”は、愛蔵された皆様すべてが、私を可愛がって下さった「忘れえぬ恩人達」ばかりだと言うことです。
20代の若僧を、慈しむように育てて下さった方々。
守り継がれた「日本の宝」を私はプロとして、盆栽家として、
この樹の次なる佳き主人と出会うまで、大切に大切に 守りたいと思います。

【 蓮華・沢庵・滝石】

梅雨の明ける頃、鬱陶しい気だるさを感じる季節、ようやく今年もハスの花があがりました。
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不思議ですね、蓮の華はなぜか“あがった”と言いたくなります。
毎年 10鉢程の蓮を水鉢で育てていますが、今年はこのひと鉢しか花を持ちませんでした。
その代わりに、今までで一番色濃い花となりました。
午後になると閉じ加減になってしまう蓮、朝早く 床飾りの設えを直してみました。
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蓮華という言葉がよく似合う花、葉茎の調子を鋏で合わせて、大切にしている沢庵和尚の
『水聲山色』の書。
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ありのままの自然の素晴らしさ、受け入れるべき生き方を示してくれるようです。
脇床には安倍川石の滝姿。
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蓮華の華は仏の世界、滝石はその瀑布の音を絶え間なく続く読経、そして すべての大自然を悟得の境地で伝える書。
美しくも儚い蓮華の姿が 静謐の中に響く日本の美と飾りに込められた心を際立たせてくれます。
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やっぱり毎年 季節にしか得られない美しさは良いものです。

【大宮盆栽美術館!】

日本水石協会とのコラボで、毎年開催される盆栽美術館での水石展は、今月の26日まで行われています。
前期・後期 に分けての展示、メインの床間席と後期分を私共で お手伝いしました。
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20日には 来場の方々に展示品の解説をする〈ギャラリートーク〉を今年も担当しました。
盆栽愛好家だけでは無く、ご家族連れや学生達の観覧も増え続けている美術館。
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“石が文化として飾られているんだ!”と、興味を持って頂ければと、同じ水石協会の役員である蔓青園主、加藤崇寿氏と 続けています。
今回 主飾りとなった瀬田川石「男体山」は、最近まで〈幻の名石〉として 斯界に広く喧伝されながらも、
その現物は半世紀以上公開されなかったものです。
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その名の通り、加工なき姿は日光連山の主峰をまるで絵に描いたようです。
各展示石共に、水石を理解して頂きたい気持ちで、山地や姿、そして台座ものと水盤石、水石の幅の広さを展示してみました。
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残り数日程ですが、ぜひご覧になってみて下さい。

芳春院ご住職 14年目の読経

羽生雨竹亭に「盆栽観音堂・雨竹堂」を開堂して14年になります。
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ここに生きる盆栽達は、自然界に生きる私達と同じ命を持つものですが、
盆栽園である因果で、枝を切り、根を捌き、時にはその命を落とす程の荒仕事をする事があります。
作品を作る為・食べる為・に、“樹の本当の声”を聴かずに 傷めてしまう事も無いとは言えません。
そんな私達や盆栽そのものを守って頂く為に、開園間もない頃、この観音堂は創られました。開眼をして頂いたのも、今回 久し振りにご来園頂いた、京都大徳寺 塔頭「芳春院」第23代住職の秋吉則州師です。
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開眼の年・7年目の年・今回。
3度目のご来園のご住職は、変わりゆく雨竹亭を感嘆の声で散策されました。
久し振りに響く 臨済宗大徳寺派の現宗務総長の読経。
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何処へゆくにも 法衣を纏い 平易な態度で私達にも優しくお声をかけられるご住職。
あらためて 観音堂の存在とここで住み暮らす私どもと盆栽達の、平穏を祈る日でした。

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【日本の名盆栽 初の公開!】

先日 中国最高峰の盆栽愛好家・張小宝 氏 の依頼で、8月の北京園芸万博に展示される盆栽の手入れ進行をお伝えしましたが、
仕上がった7点の作品をご紹介します。
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「日本の名盆栽を!」という意味では、あと10点位 飾りたい思いですが、会場や運搬の都合上、この選出となりました。
今回、予定をやり繰りして お手伝いさせて頂いたのは、中国では 名盆栽を入手されても、
その後の手入れに対して どちらかといえば「元気ならば良い」という風潮があり、
日々の細やかな枝々の間に至るまでの鋏や整姿に、丹精をかけないところがあります。
盆栽は 手に入れてからのたゆまぬ手入れがされてこそ、その美しさが増すものです。
他の美術品と違って、命あるもので、この積み重ねが樹格向上とするのです。
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張先生に至っても、以前より名匠木村正彦先生と伺った折も、これを強く伝えていましたが、今回の訪問手入れで、ようやくその意味を理解して下さったようです。
各作品のビフォーアフターをご覧下さい。 

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