雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴43年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

2018年07月


【美術館ならではの 格調高い展示!】

日本水石協会との共催の形で、毎年恒例となっている大宮盆栽美術館の水石展が開催されています。

後期展(13〜15日)は、私の監修担当。
5席の “平飾り”・3席の床の間飾りで構成されています。
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盆栽に興味を持ってこの美術館にいらっしゃる方々の殆どが、水石をご覧になるのが初めての方。
“河原にある石”が 美術館の床の間に飾られている事に、初めは不思議そうな目で見ていた人たちが、
学芸員さん達が分かりやすく書いた解説などによって、見終わる頃には、納得の表情を浮かべられているのが、微笑ましかったです。
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14日に「盆栽アカデミー」の文化講演会で『水石の歴史と文化』をテーマに午前午後2回にわたって、講座を開かせていただきました。
古代から室町期の「東山文化」による盆石の誕生、江戸期の大名・茶人・文人による熟成、
そして明治からの「水石」という表現への変遷を出来るだけ丁寧にお話しさせて頂きました。
若き頃、片山一雨先生・高橋貞助先生・村田香樹園師・吉村香風園師・小口賢一先生・福島茂夫先生・等々、
数え切れない多くの皆様に盆栽・水石の文化をご教授頂いたあの頃を思って、微力でも次代へ繋ぐ役目の少しでも出来ればと、
勉強のつもりでこれからもお手伝いしてゆきたいと思います。
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【舩山 秋英 先生 叙勲・内閣総理大臣賞 受章記念 展覧祝賀会】

7月5日 都内屈指の名庭「八芳園」を舞台に、“1億円の五葉松”として知られる 
舩山会長の盆栽の昨年の日本盆栽大観展での、内閣総理大臣賞受賞と、
先生がこの春 天皇陛下より長年の正業による社会への貢献を讃えての叙勲「旭日双光章」を受賞されたことを、
友人達との盆栽水石研究愛好会「玄虹会」の有志が この五葉松を中心に、展覧会形式で祝いの飾りを不詳 私の企画で開催しました。
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当日は、盆栽界の頂点の面々が、皆 祝賀にいらして下さいました。
特にこの祝賀展は、自身が開くのではなく“朋友の信”を第一とする、私のお客様達の総意で開催されたことだと思います。
内閣総理大臣賞をとっても、叙勲の栄誉を授かっても、普段と何も変わらない舩山会長。
お側で 出入り方を努めて 十数年の時が経ちますが、どれ程の事を教わったか 数えようが無いほどです。
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木村正彦先生・小林國雄先生・友人の鈴木伸二氏・同じく内閣総理大臣賞作家 浅子隆敏氏
そして世界大会を指揮した 日本盆栽協会前理事長 福田次郎先生は、木村先生と同じく 私と40年のご指導を頂く方です。
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岩崎理事長・大嶋理事長・内海理事長・竹山先生・等々、私的な祝賀会にこれだけの錚々たる方々が集うことは、普段はありません。
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各飾りの席の気品、訪れて下さった方々の盆栽人としての美しい立居振舞。
恩顧 舩山会長へのほんの僅かな恩返しが出来たような気がします。
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レベルの向上⤴︎⤴︎⤴︎❗️】


日本盆栽協会 東北協議会でもある恒例の盆栽展。昨年の福島開催に続き、今年は岩手県花巻市!

60余席の見事な展覧でした。

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地元岩手を代表する同業 大町氏の薫陶よろしく、真柏・一位の国風点クラスの名樹が揃う壮観なものでした。

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私も大変お世話になっている福島の舩山さんは、特別出品の扱いで昨年の世界大会にも陳列した五葉松の逸品を

金屏風の前に2席飾られ、大町氏の同輩 長野県の井浦氏が作風展で内閣総理大臣賞を受賞された真柏と共に、

会場の格調を一層のものとしていました。

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小店OB加藤充君や銀座店長 島田君らがお世話になっている多くの方々との挨拶を済ませて、和気あいあいの懇親会を楽しみました。

“東北は温かいなあ”とつくづく思う1日でした。

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【1億~10億円 の 清朝宮廷文房家具『觀復 美術館』】

羽生にこの春いらした北京の実業家 張建祝氏 の依頼により、盆栽を展示できる庭園の設計の為に、久しぶりの北京訪問をしました。
帰路、昼食の時間を削って以前より一度は訪れたかった市内の『觀復美術館』を拝見しました。
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現在、世界を席巻する中国古美術。
中でも唐木と言われる貴重な材を使用した200~500年前の皇帝や貴族が、贅沢な調度品として作らせた“卓類”は、
最高位のものとなると、サザビースやクリスティーズなど、地球規模で美術オークションを繰り広げる世界では、1億円など当たり前、
5億や10億円もある 私達の理解の範疇を超えるものです。
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この美術館は、中国古美術がまだ今ほどの脚光を浴びる以前から、
その歴史的・文化的・技術的・すべての内容的価値を見出した馬師の個人コレクションによる中国ではとても珍しい美術館です。
個人美術館と言うと、どこか手前味噌的な 玉石混交のコレクションが感じられますが、
馬師が生涯をかけて蒐集したものは、中国美術界の鑑と言えるほどの「中華の宝」です。
館内に陳列された展示品の数々は、どれ
も『故宮美術館』を凌駕するほどのレベルですが、
特に明代から清代にかけての、陶磁器と唐木調度品は、息を飲むものでした。
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中国政府が個人美術館として認めた第1号であることが当然と頷けます。
更に驚いたのが、美術館のアプローチ部に陳列された盆栽が、以前私が手掛けたものだったことです。
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鑑賞を熱望していた海の向こうの美術館、そこで再開した自分の盆栽。
何か不思議な力によって導かれたことを想う旅でした。

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