雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴43年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

2018年05月

【五葉松終了から黒松へ!】

毎年行われる200~300点の春の植替えは、モミジやカエデなど雑木盆栽を2~3月に終えると、五葉松に移ります。
ゴールデンウィークまでこれを続けて、ひと段落の間もなく、真柏・杜松・黒松・赤松となります。
普通盆栽園では 自園の盆栽50から多くても100点、お客様への“出仕事”で50点くらいなのですが、
私どもは 年間で500~800点の盆栽が動き、昨年手入れをして植替えをした樹は、50点程しか残りません。
新しく“羽生の家族”となった樹は、どうしても手入れや植替えが必要なものが多く、
他の仕事をこなしながらも、みんなで夜半まで頑張る日が続きます。
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先日最後となる五葉松の植替えを終了して、いよいよ黒松類に入りました!
杜松の文人樹の作出をして、立ち姿を安定させる為に、“根締め”をしました。
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しっかりとさせる為に「四方竹留め」というプロ仕様の施術で行いました。
四国で以前から予約していた黒松の「秘蔵の逸材」を運び、植替えに入ります。
この樹達もいずれは名木として盆栽界に残る樹にしたいと思います。
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昨年より日本に勉強に来ている中国西安の若者達も、いつのまにか 植替えの助手を出来るようになりました!
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この子達も「名木」にして生まれ故郷で立派な盆栽家になってくれることを願うばかりです!

【『春花園 盆栽美術館』】

今年の明治神宮「第58回 日本水石名品展」の 審査選考と図録撮影の為、
久しぶりに理事長宅でもある「春花園盆栽美術館」に赴きました。
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皐月盆栽の花が咲き始めた邸内は、所狭しと名木群がズラリ! 
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しかもよく見れば 殆どの樹が以前見た時からの手入れによって、少しずつ樹相を変えていました。
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「古希を迎えて 今は樹を作ることが何よりも楽しい時間なんだよ」と 盆栽作家である理事長の偽らざる気持ちのようです。
潤いのある庭と空気、2代目の若き美術館 館長となった神君達スタッフも
盆栽のように少しずつ、成長していることが、心地よい時間でした。
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【現存する樹齢250年の祖樹!】

昨春 『世界盆栽大会inさいたま』で公開して3点1億円の展示でマスコミを賑わした、
絶滅したと言われていた五葉松「祖母五葉(地元では矮鶏五葉松)」。
鋏造りで百年を超える枝持込は、“ 環境の変化に耐えられるか?”との声もありましたが、
羽生に残した祖樹クラス2点は、1年半を過ぎる中、とても元気にしています。
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芽吹の季節を迎えても、僅か5㎜程しか芽も伸びず、“やはり四国産の宮島五葉松とはまったく違う品種”である事がよく分かります。
九州で苦難の愛育によってこの祖樹群を守り続けた田中家にも顔向けが出来ます!
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【『春の逸品鑑賞会』ありがとうございました】

久し振りの羽生での皆様を招いての展覧会。
天候にも恵まれてご無沙汰している多くのお客様と有難い時間を過ごす佳きイベントとなりました。
2日には名匠木村正彦先生が愛好家の方々といらして下さってビックリ!
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庭の隅々まで ここに生きる盆栽達を“この樹はこう作れば人が見てくれるようになる”
と思って、売れてしまったものの代わりに植替えや手入れをして飾ってみると、またお客様の目に留まって“お嫁に行く”事になって。
日常からひとつひとつの盆栽達と真摯に向き合うことの大切さを改めて知る機会となりました。
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10年前、無一文に等しい所から歩んだ歳月。
庭にある盆栽や、水石水盤・樹鉢・掛軸等々。
このすべてが、雨竹亭の「今」を物語っています。
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展示場にかけられた掛軸も、大観・春草・栖鳳・探幽 等々、
時をかけて盆栽水石の飾りの為に集めた作品、手に入れた時の苦労や思い出、使わずに旅立つものへの愛惜の念。
訪れて下さるお客様・ここを守るスタッフ達・たくさんの『宝物』にもう一度気付かさせてくれる展覧会でした。
ありがとうございました!


【『緑風展』舩山会長の正面展示席】

日本盆栽協同組合主催の『新緑風展』ポスター用 展示品を同組合 大嶋理事長・石井理事 に依頼されて、
福島県著名愛好家としてご懇意にさせて頂いている舩山会長にお願いしました。
同展正面飾りに相応しい一席を用意するにあたり、
会長の溢れる盆栽・美術コレクションの中から取合せをして、写真の席飾りを設えてみました。
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貴重盆栽のこの吾妻五葉松は、長く福島地方で愛培されたものを、
舩山会長が10年ほど前に受け継ぎ、私と二人三脚で現在の姿に仕上げたものです。
独特な樹相は、他に見ない景色を示しています。
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取合せの水石は、本邦初公開のもので、静岳石としてはその姿・大きさ・共に稀有なるもので、波頭を思い浮かべる様から『沖波浦』の銘としました。
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掛け軸には、舩山会長が盆栽と同じように愛好される日本画の名品コレクションから、近代日本画の大家、横山大観の名画を使用しました。

『残雪見ゆる霊峰の麓に広がる満開の桜・松の翠と共に日本の春を象徴している。
眼下に生きる老松の豊かな翠と生き抜く姿・遥か海原には 波頭見事な大自然』

展覧会の正面を飾る 王道の飾りは、いつ見ても胸のすく思いです。

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