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盆栽歴49年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

2018年03月


【雑木盆栽の名匠・四季を奏でる自然美の結晶達】

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先日、久し振りに大宮盆栽美術館へ伺い、大先輩 芙蓉園主 竹山浩先生の個展を拝見しました。
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ひとことで、その端正な作風に感動しました。
松柏盆栽が中国などの流通影響で、もてはやされる中、
日本盆栽界が「刻」と言う何ものにも代え難い宝物によって創り上げた美の世界が散りばめられていました。
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若き頃、先代芙蓉園の房造先生の寄植え作品に感動した思い出が、二代現ご当主にも正統に受け継がれていることに、
盆栽とは伝承する文化である事を、あらためて認識させられました。
私のような腕ではこんな見事な作品は創出出来ませんが、
同じ盆栽人として、せめてその姿勢を見習いたいと思いました。
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【半世紀続く 水石展『炉端会』見学と共に】

先日、四国高松へ出向く道すがら、ご案内を頂いていた 水石展『炉端会』を見学させて頂きました。
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関西水石界の恩人として、私の“西の父”として生涯見守り続けて下さった、
故横山雨洛先生の畏友、大阪の本山幸男先生のお誘いでした。
吹田市が保存されている「浜屋敷」は、豪商の名残を見せる見事な建築。
飾られた10席は、熟練の水石家の味わいのあるものでした。
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久し振りの関西水石展見学でしたが、中で出迎えて下さった皆さんは、
横山先生が主宰されていた“伝説の水石会”『聴石会』の元会員の方々がほとんど!
皆さん私が二十代の頃よりご縁を頂く古老達でした!

翌日、2年ぶりに本山先生の居宅(殆ど“石屋敷”!)にお伺いして歓談のひととき。
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夥しいご蔵石と、隣家を買い取って、自蔵石の展覧を毎日楽しまれていられるとの事!
一見して、水石1500~2000点、水盤・卓などの飾り道具に掛け軸類、八十路を迎えられる中、益々の趣味三昧の境地には頭が下がりました。
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25歳で新婚旅行に出かけた先で、初めて石を求められたこと、
丹波紫雲石に惚れ込み、産地の山をそっくり贖われたこと、さすが横山先生の盟友だなぁと思いました!
お元気に水石趣味を楽しまれる本山先生のこの大コレクションが、次代に正統に受け継がれることを願って退出しました。

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