雨竹 盆栽 水石 便り

盆栽歴42年 盆栽家森前誠二がブログで綴る盆栽人の本音と 伝えたい日常の中の”心と技”

2017年08月


【8月27日上野グリーンクラブ「水石協会 夏季大オークション」に木村先生 作品を協力出品!】

まもなく喜寿を迎える"名匠"木村正彦先生は、
今も毎日 新たな創作作品の制作に邁進されています。
小僧時代から40年のお付き合いを頂いている私ですが、
15での修行、11年間の住込み生活など、"森前君は僕に似ている"と 
天と地ほども違う私にとても親しくして下さいます。
先日 お伺いした時もご無理をお願いして、
今月の27日に上野グリーンクラブで開催される
水石協会主催の資金捻出を目的とする「夏季大オークション」に、先生の大切な作品を数点出品して頂くことになりました。
「木村正彦の作品」となれば今は海外を中心に、創作石付き盆栽などは、
予約状態(私も2年位 待っています!!)で、
オークションへの出品は、先生のご好意に他なりません。
登録をすれば愛好家の方々もどなたでもご参加出来るオークションです。
前日の午後は下見も出来ます。
是非 お楽しみ下さい。


【季節の狭間の静かな床の間飾り】

8月になると秋風を朝晩に感じるとした古人の心は、温暖化の現代には実感もないですね。
"立秋来たれど、酷暑の日々"、何処かに昏れなずむ刻の風景を捉えて、
暑さの中にもやがて訪れる秋趣を感じる席を創りたいものです。

先日、葉性の細やかなコナラの古樹を手に入れました。
この季節は本格的な格調美を見せる松柏盆栽より、
季節の風趣を席中に漂わせる樹種を飾ってみたくなります。
揺れ立つ古幹に鬱蒼と茂る葉陰、どこかその葉にも厳しい夏を過ごした"色"が欲しいものです。

取り合わせの掛物も、"晩夏"の黄昏を取り入れて、
夕暮れの山里に飛び交う蝙蝠、そしてやがて澄んだ名月となる
いまだ純湿さを見せる月。
脇床には景色の連携の中に見える農屋。
旧盆も過ぎれば、初秋の風を感じる席がよく似合う頃になります。
その狭間にこんな「一瞬の刻の切り取り」をした席を創出するのも楽しいものです。


【原稿執筆を兼ねて在店】

旧軽銀座へ真っ直ぐ駅から向かう軽井沢通りに面する「三笠ハウス」一階に
夏季限定 雨竹庵」をオープンしてもう7年目になります。

羽生本店銀座店上野池之端店 など、正業もお陰様で忙しく、
この軽井沢店も人手が足りず、"今年の夏はオープン無理?"のスタッフの声もありました。
私にとっての軽井沢は、今の人達が楽しまれる「アウトレット」的感覚ではなく、
日本最古の避暑地の別荘地として、政財界・文化人が束の間の夏を過ごす"軽井沢"なのです。
独立して間もない38の時、銀座に店を出した20年前、
「いろんな世界の人達に会ってみたい、盆栽水石を多くの人達に見てほしい」と言う想いで創りました。
私にとっての軽井沢は同じなんです。
今回は4月に行われた「世界盆栽大会」の水石展図録解説を
ここで集中的に執筆しようと決めて9日間のみの"店開き"としました。
店の飾り付けをして、正札をつけて、いらっしゃる"盆栽は初めて"と言うお客様とお話をして・・・。
私の仕事の原点を身体で感じる心地良い初日でした。
「いらっしゃい、どうぞお好きに見て下さい!」
忘れかけていた"大切な時間"が蘇ります。
どうぞ「9日間の軽井沢店」にいらして下さい!


【鈴木伸二氏、17年目の邂逅】

9月に開催される京都二条城の盆栽展示、
そして11月の同じく京都秋の恒例「日本盆栽大観展」。
この二大盆栽展に大政奉還150年を記念して、公開が決まった
第15代徳川幕府征夷大将軍 徳川慶喜家旧蔵の盆栽群。
現在の所有者(財)京都国際文化振興財団 通称「慶雲庵」の依頼を受けて、
羽生雨竹亭に保管管理してある非公開培養場に
鈴木伸二氏がお弟子さん二人と仕上げ整姿に訪れました。

この徳川慶喜家の盆栽は、17年前私が銀座の店を切り盛りしている頃、
慶喜公直孫 慶光公夫人  和子様より譲り受け、
当時見る影もなかった樹々の手入れを鈴木氏に依頼して、高木盆栽美術館に納めたものです。
転生輪廻、こうしてまた二人で時代を背負う美術館への展示に向けての取り扱いをすることになるとは、
夢にも思いませんでした。
歴史を秘めた古樹が皆様の前に登場するのはまもなくです。


【北の大地    地元愛溢れる産地石!産地樹種】

3回目となる札幌での水石展盆栽展、地元の産石・樹種の多くが飾られた展覧は、水石展70席余・盆栽展50席。

内容も素晴らしく、特に水石展は主催責任者の菅生会長・木村事務局長らの、
相変わらずの人望とご苦労で、地方展とは思えぬ程。
中央でも全体の展示から減りつつある「水盤石」にも力が入れられ、
神居古潭・豊似・幸太郎 など、北海道ならではの石を拝見して勉強にもなりました。

盆栽展も蝦夷松・一位(オンコ)を心から楽しまれている愛好家の方々の想いが、展示作品からも窺えました。

毎年1度の北海道、来年も初めて見る北の水石達を楽しみにしたいと思っています。

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