京都大徳寺盆栽庭園も大観展も過ぎ、“北山時雨“が、庭内の紅葉を散らしています。
山も樹々も一年の色付きを輝かせた秋。
冬の訪れを前に、“名残り“の飾りを芳春院盆栽庭園内の「通玄庵」床の間にしつらえてみました。

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細身の柿、鉢持込み古いこの樹は、文人好みと言える姿を持っています。
半月の間、葉の色付きや実の充実を、刻々と深まる秋を感じながら、いざ飾る寸前に、
無駄枝を捌き、実数を減らし、描こうとした“風情“に合わせた樹姿にしました。
柿は枝先で実の重さで枝を垂らす、こんな樹味を大切にしました。
僅かな実、僅かに残った葉。
日本人が心底に持つ“もののあわれ“を表現しました。

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掛物も、時雨の中散りゆくもみじの葉、百年を超える画幅の紙本の枯れた味が、一層の静けさを出してくれました。

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脇に添えたくず屋形の石。赤玉石とは言え、寂びた石味が、まるで散り紅葉で覆われた屋根姿を現出したようです。

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一年かけて培養した柿、この一瞬の世界観を創り出す為の一年でした。