20年ほど前、長野県須坂市の井浦勝樹園さんに伺った時、見た事もない大型真柏の未完があり、
何度かの訪問の末、“森前君ならいいよ“と言われて譲っていただいた事が昨日のように思い出されます。

IMG_3446
そこから15年、下手なりにコツコツと作り、名樹としての樹相として発表しました。
私は商人、盆栽作家などと名乗る立場はありません。
長くこの樹と歩んで思いました。
“この樹にはもっと別の顔が必ずある“・・
そんな時、木村正彦先生から修行を終えて、羽生の近くに居を構えた若き作家、森山義彦君との交流が始まっていました。

それでも高額な樹、お世話になっている愛好家の舩山さんにお願いして、

“旧蔵者から譲って頂いた値のままでいいから持ってほしい。
但し、森山君に作家としての作品になるよう、自由に改作させてほしい。
完成して作風展に挑んで、すべてが終わるまで作風展の規定の為、舩山さんはどこにも飾れません。
それでもお願いします“

・・無理なお願いを受け入れて下さった舩山さんには感謝しかありません。

無事に栄えある作風展内閣総理大臣賞を森山君が射止めたのが昨秋。

IMG_3451
IMG_3452
間もなく開催される第42回日本盆栽大観展の特別出品が済めば、ようやく交わした約束通り、舩山さんの所でこの樹も静かな刻の中に入れます。
天国にいる井浦のお父さんにも報告できます。
私は主人公よりも、脇役や軍師が似合っているみたいです💦笑