人の流れが戻ってきた銀座。
久しぶりに「銀座雨竹庵」で人と待合せしました。

海外の皆さんが、お土産に持って帰れる水石・道具・添景などを毎日お求めに数多く来店下さる日常にもどって来ました。
前身の“銀座森前“から数えて、もう24年になります。

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この街も私が徒手空拳で店を開いた頃からは、大分変わりました。
何処か“昔の銀座の面影“が消えてゆく気もして寂しい気持ちですが、それだけ日本と海外が近くなったのでしょう。
“和の文化を伝える銀座の商店“が減る中、四半世紀の歴史の“新参者“の私達。
それでも訪れる海の彼方からのお客さま達に、盆栽の素晴らしさを僅かでも記憶として持ち帰ってくれる事を願っています。

多くの海外の方が、“この盆栽を持ち帰りたいが“とお声を頂きます。

植物の検疫と言う大きな壁で、持ち帰れない事を伝えるしかない現状に、忸怩たる想いもあります。
小さな鉢に入っている盆栽が、果たして各国の自然を破壊するような病虫害の危険があるのでしょうか?
健康を維持する為に、日夜消毒をしているのに💧

“文化発信をこれからの日本の産業に“と、お上は謳い上げますが、
5,000~15,000円の盆栽に、数日又は数ヶ月かかる検疫面の諸条件は、理屈では通りますが、観光で訪れて下さる人達には無理です。

ハサミや持ち帰れる盆栽に関連する品々を、せめてもとお求めになる方々をお相手すればするほど、対応が出来ない歯痒さです💦

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それでも、七丁目の小さな店は、間もなく25年目を迎えます。
道ゆく人達の様子が変わっても、街並みが変わっても、銀座に一軒の盆栽専門店は、
今日も夕暮れの街灯りのショーウィンドウに盆栽を飾り、皆さんに“生の盆栽“をご覧頂いています。