【五山の送り火と盆栽庭園 悠久の時の流れ】

8月16日、京都は13日にお迎えした個々の精霊(先祖)を冥土に迷わず送る“五山の送り火“が行われました。
東山の“大文字“・松ヶ崎妙法山の“妙“と“法“。
西賀茂の船形から、北山の“左大文字“、そして曼茶羅山(水尾山)の鳥居本。
妙と法はひとつと数えて五山の送り火としています。
IMG_1821
大徳寺盆栽庭園からは、すぐ後ろの北山金閣寺から仰ぐ“左大文字“が間近に見えます。

1000年以上前に起源を持つ送り火。
最近は観光的な報道が多い行事ですが、
京都の方々にとっては、順々に灯火されてゆく送り火に手を合わせて、精霊や先祖に対しての尊崇を心に祈る“静かな“ものなのです。


長い時の中、戦禍や疫病など、人々を苦しめる様々な出来事が歴史の記憶にあります。
盆栽も日々愛情を注ぎ、これを守ってきた人達、数多の災害を経て、樹相を変えながらも必死に生き抜いてきた老樹達。

IMG_1822
庭園から“左大文字“を仰ぎながら、盆栽を眺め楽しめる“今“が、ずっと続きますように、祈る日でした。
合掌。