【究極の盆栽水石の“夏飾り“の深奥!】

京都「大徳寺・芳春院」を舞台に十数年続く、
盆栽水石の探究趣味団体「玄虹会」の御用掛けとして、お手伝いする中、初めての向暑の展示を創りました。

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大観展の11月下旬,2月から3月の早春期など、季節を替えての展示による研修をしてきましたが、
“一服の清涼“が欲しい季節の展示は、会員の皆さんも含めて、初挑戦のものでした。

愛好家である会員の方々も、国風展や大観展など、普段の趣味家としての展示もなさる中、
この季節での展示、特に道具立てを思案した席創りには、苦労されました。

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おひとりずつ、愛好家としての“個性“もあり、またそれが朋友と共に展覧を楽しむ材料にもなっています。

日本の盆栽業者は、ともすれば、自分の出入りする上級の愛好家を“囲い込む“ように、周りから遠ざける感があります。
私は逆に愛好家同士が、和気藹々として、趣味の世界に親睦の華を咲かせてくれる事を願っています。

盆栽が得意の方、水石が好きな方、名品の数々を所蔵される方、
名もなき草や石を見事に取り合わされる方、そのみなさんが、禅と茶の湯の象徴と言える、大徳寺で、個性豊かな席を創り合う。
それが、私がこの会を興す時願った世界です。

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“相席“と言う、同じ部屋に飾り合う中に生まれる響き合う世界、
ひとりで一室を受け持って、盆栽にしても水石にしても、複数を飾り、それでも季節・世界・力・などが、重複しないように、
ひとつの“趣意“を創出する醍醐味。
いつの間にか“熟練の大家“になられた皆さんの席には、もう私の介添えなど要らぬ深さが滲み出ていました。

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高位の茶人ですら、使用を許可される事の殆どない大徳寺、総長であったご住職の下で、
趣味家として大切な“品位と飾らぬ心“を身につけられた皆さん。

完成などない、盆栽や水石の美意識の探究。
ここからも更に“もう一歩“その向こうに見えるものを、探る道案内役を務めていきたいと思う展覧でした。