以前より極秘裏に進められていた盆栽業界のシークレットニュース!
著名盆栽愛好家、廣瀬幸夫氏の愛樹(共に国風賞受賞樹)が、京都盆栽財団「慶雲庵」に、譲渡されました。


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2点とも、日本盆栽界を代表する名木、そこには盆栽をこよなく愛する大家同士ならではの“未来の盆栽界“に対する真摯な心がありました。

“自然の芸術作品である盆栽、愛情深き所蔵者と、熟練の腕を持つ盆栽師、
この両面が揃わなければ、時の流れの中で、価値なきものになってしまう“。

盆栽の真髄を体現してきた廣瀬氏の真実の言葉。


“自分の棚場での愛玩は、その盆栽達の歴史の中での一時の出来事、
名樹は志を同じくした人たちによって、その歴史を含めて受け継がれるもの”

古希を過ぎた大家の多くが、同じ思いを持たれています。
海外を含めた、名盆栽の所有意欲は、今までの盆栽界の在り方すら変える勢いが目立つ今です。
廣瀬氏と交友深い「慶雲庵」オーナーの田中慶治氏、“日本の歴史ある盆栽の保護伝承“を目的に創設した財団法人。
共に盆栽を人生後半生の道標とされた大家。

“命あるもの、持つに相応しい方があれば、金や評価は、プロに任せておけばよい”と廣瀬氏。


“未来永劫まで多くの人達に楽しんで頂くことが何より“と田中慶治氏の弁。

盆栽界の流通を正業のひとつとしている私などにとっては、口を挟むことすら失礼にあたる程の、「紳士と紳士の足跡」に、盆栽に生きる者のひとりとして、頭が下がる出来事でした。


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高く売ることより、持つべき人を得た廣瀬氏の安堵、受け継いだ名樹を後世に伝える責務に奮い立つ想いを持たれる田中氏。
お二人共にお付き合いをさせて頂く身として、胸に刻む感慨を得ました。
大観展でこの樹達と一緒にお会いできる事をお待ちしています!