8月の記録的猛暑の後、また“記録的“長雨の梅雨のような日々。
そして数日前にはまた残暑とは言い難いほどの暑さ!
それでも蒼天に浮かぶ月は、秋景色の象徴として煌々とした美しさを見せています。
暦の上ではすでに秋。
せめて床の間の盆栽飾りだけでも、お越しになる皆様のために、
“秋が近づいている“と感じていただければと、春以来の月の掛軸を使ってみました。

IMG_5668
IMG_5670
「中秋の名月」に代表される澄み切った空に光る月はもう少し後。
ほんの少し、潤湿さを残した月を使ってみました。

暑さの中で、水石や山野草の飾りが多かったひと月半。
ようやく本格的な盆栽が床の間に登場する季節が来ました。

IMG_5669
赤松の懸崖。
山採りの樹齢100年を優に超える古木。根元はサバ幹となり、残された命が懸垂する翠を湛えています。
自然界では、このように生い立つ所に厳しい相があればこその懸崖となります。
まさに“自然が創り上げた造形なのです。

IMG_5671
脇床には、遥かに仰ぐ連峰の姿を見せる揖斐川五色遠山石。
この石の古色も、愛玩100年が醸し出す味わいです。

IMG_5672
深山に生きる風に吹かれ生きる松。
幾重にも連なる山並み。
そして天空の月。
盆栽達も暑さを耐えて、訪れる充実の秋まで、あと僅か数週間です。