【木村正彦先生、四幹樹を三幹名樹へ!古老愛好家の慧眼に敬服!】

30年来のお付き合いをさせて頂いているお客様。信州の庭にお伺いした時「この樹を三幹に直せるか?」と問われて、
左への流れを表している太幹を捌く?すぐにはご返事が出来ませんでした。


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“木村先生なら!“と思い、お客様に事情をご相談すると、“それが出来るなら頼んで欲しい“との事。
先生にお預けしてから暫くして“あの樹が仕上がったよ“の報。
早速お伺いすれば、私の想像の範疇を超える仕上り!
一番太い差枝をただ取れば、大きな疵を残すことになり、中途半端なことも出来ない、、、
その私の迷いは、先生の作技によって一蹴されました。

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ウロサバの姿を、昨日までその枝が生きていた事を全く匂わせない仕上げ!
この姿を何年も庭で眺めながら辿り着いた古老の慧眼にも頭が下がりますが、
やはり、それをそれ以上に具現される木村先生は、多くの盆栽作家と名乗る方々の中で、
たった1人の特別な人なのだと、八十路を超えてなお、作出に対する情熱の高さを思いました。

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羽生に持ち帰り、幾つかの鉢合わせの上、山秋の太鼓胴丸に納めました。

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今までも古木としての相がある良い樹でしたが、今は三幹の名樹の新たな誕生となりました。
盆栽の作出は、“捉える目“と、それを実行する術、良い経験をさせて頂きました。