【見付で変貌する真柏盆栽の醍醐味❗️】

先日、同業者の縁で、糸魚川真柏の古木を入手しました。
舎利芸に面白さがあるのですが、現在の捉え方にどうしても“凡庸さ“が感じられ、
見飽きる姿だったので、思い切って正面を変えて作り直すことにしました。

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真柏盆栽の条件として、正面より大切な「水吸い」部分が足元に見えないと、生い立つ根本の生命感が出ないとされます。
水吸いが僅かでも正面から見えて、それでいて舎利芸と全体の姿がまとまる場面、これを捉えるのに苦労しました。

ほぼ裏側に近い所に目をつけて、そこから動く舎利幹、それに枝打ちがついてくるかの闘いでした。
舎利を跨ぎ、枝を捌き、大まかに伸びながらまとめた枝打ちを、
出来るだけ縮めて圧倒的な舎利芸を中心に作り変えました。

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鉢も締め込んだ深めの舎利の動きを抑えられるものとして、全体にひとまわり小さくしながら、
樹そのものは大きく見える、真柏盆栽の真骨頂が表現される樹へ少し近づいたかと思います。
ここから数年の培養で、更に新しい姿に似合う枝打ち、そして最終的にはもう一度、
舎利を“吹かせて“大自然の風雪が現れるようにしたいと思っています。

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凡庸な姿から厳しい生命力あふれる姿へ!
数年後が楽しみな樹になりました!!